夢女子エアプの俺が教える夢小説執筆講座~“カイシャク”編~

先日、こんなマシュマロを頂きました。


“表現を変える気はないけど『いいね』は欲しい”

『自分の作風』と『周囲の評価』の乖離、これは何も夢小説に限らず創作者にとって普遍的な悩みではないでしょうか。

この手の相談、大抵は「自分が満足するためにやってんだろ👊🔥だったら他人の評価なんて気にせず自分の萌えを追求しろよ😉👍✨」みたいな感動路線に落ち着きがちだし、まあ実際に創作でお金を稼いでいるプロでもないなら「自分が楽しければ良いじゃん」って結論は1つの正解ではあると思います。

でもそれは“飢え”を知らない奴の意見です。Vtuberデビューしてから約10ヶ月ほどチャンネル登録者数2ケタで活動していた身からすればそんな理想論を語る気にはなれません。少なくとも俺は趣味でやっているからこそ他人にも評価されたいと思います。

『バキ』最凶死刑囚編において空手家でありながら敵にガソリンをぶっかけて燃やした息子・愚地克巳に対し、武神・愚地独歩は次のように語っています。

「まちがっちゃあいねェさ」

「武の本懐は鮮やかに敵を仕留めることじゃねェ」

「たとえみっともなくとも勝つこと」

「勝たないことにはお話にもなりゃしない──」


表現の本懐は鮮やかに作品を紡ぐことじゃねェ

たとえみっともなくとも見てもらうこと

見てもらわないことにはお話にもなりゃしない──

(もっともこの台詞の後、愚地独歩は克巳に欠けているものとして『美意識』を挙げるのですが……)

ここらで1つ、ベン図を用いて説明したいと思います。何故ならベン図を用いて説明すると「本当に賢い人はバカにも分かりやすく説明できる」における『本当に賢い人』感を演出できるためです。バカ役お願いします。


『自分が作りたいもの』と『他人に評価されるもの』、この円が重なる部分を探っていくことが創作におけるモチベーションの持続に繋がるでしょう。

もちろん個人差はありますので、

こういう人もいれば、

こういう人もいるでしょう。

そして、このベン図におけるポイントは円の大きさは可変ということです。

ネフェルピトーぐらい円を拡大できたら最強です。

勿論こうなったらなったで自身の膨大な創作レパートリーの中から『他人に評価されるもの』探しという別の作業が始まるのでしょうが、それは獲らぬ狸の皮算用です。王などいらぬと王になってから言えホ…!

俺は今の間合いで十分…!!(つーか これが限界)という人のために補足すると、実は『他人に評価されるもの』の円も拡げられなくはないんですよ。

これはつまりどういうことかというと、単純に『受け手を増やす』ということです。自分が出すもの全部誰かしらにはウケるから、ある意味1番良い状態かもしれない。
例えば『10人中10人にウケる動画投稿者』『10人中1人にウケる動画投稿者』、どちらの動画投稿者が伸びると思いますか?
正解は より多くの人に動画を見てもらった投稿者です。
“10人に動画を見せた前者”と“1000人に動画を見せた後者”なら後者が勝ちます。






今の流れで(なるほど…!)とか思った人は詐欺師にカモられる才能を秘めているのでオンラインサロンやっている系の配信者には絶対に近付かないようにしましょう。

出題が終わってから後付けで条件を追加して意外性ある答えを導いてみせる技法、“小賢しさ”と“賢さ”は全くの別物であることが分かります。
そもそも「自分の作品を見てくれる人を増やすにはどうすれば良いか」って話してんだろ。何ひとつ建設的な意見じゃないよ。
勿論SNS時代においてはセルフプロデュース、自己発信力を高めるという選択肢もアリだと思います。しかし、せっかく頑張って宣伝しても作品の中身が伴わなければ受け手も長居しないでしょうから、ここは大人しく自己研鑽に励みましょう。

そして本題に戻ると相談者が書きたいのはあくまで夢小説、二次創作なんですよね。上のマシュマロで相談者は過去に俺が配信で話した「夢小説書きたいなら夢女子やめろ」論に触れています。克巳にガソリンをぶっかけられたドリアンの気持ちが理解できました。画面の前の貴方がこの記事を読んでいる頃には既に火達磨になっているかも知れませんが、前後の流れを知らない人のために今更ながら補足すると、

「俺は夢女子じゃないけど、たまにリクエストに応じて夢小説書いたら複数人の夢女子からチヤホヤしてもらえる…!もしかして『俺が夢女子じゃない』という1点が夢小説の執筆において良い方向に作用しているのか…?ホントはダメだけど!ひでえ事だけど…!たくさん『いいね』欲しいい!!

大体こんな流れだったはず。やっぱコイツまあまあ炎上して然るべきだな。
兎に角、創作においてはある程度の客観性、自分の作品を俯瞰する視点は持っていた方が良いんじゃないか?という特に真新しさのない凡意見です。
とはいえ、こんな抽象的なアドバイスはクソの役にも立たないと思うので、ここから先は夢女子エアプの俺が夢小説を執筆する際に自分なりに気を付けている小手先のテクニックについてお話しします。
①原作からの引用(独自解釈の引き算)
②夢主人公の没個性化
主に この2点です。

①原作からの引用(独自解釈の引き算)について説明すると二次創作において最も重要なのは無論、原作への愛ですが、それが作者の中で自己完結してしまうと周囲からの評価に繋がらない。読み手に分かりやすく原作愛を伝える手段こそ『原作からの引用』になります。
推しの口調、好物、対人関係、よく足を運ぶ場所、このような原作要素を忠実に、しかし決してあざとく映らないように、さりげなく持ち込みましょう。
むしろ()の中身こそ肝心かも知れません。
極論、二次創作の読者が真に求めているのは俺らの独自解釈じゃねぇんだ。限りなく原作に近付くことが叶った読者自身の解釈なんだ。だからこそ俺は個人的に『自分らしさ』の脱色を意識しています。
②夢主人公の没個性化も同じ意図です。より多くの読者が没入しやすいよう話の流れに支障が起こらない範囲で極限まで個性を削る。(具体例を挙げるなら夢主の発言は「」で区切らず地の文で説明して淡々と済ませる)
(そんな姿勢で創作して楽しいか?)と思う人もいるかも知れないけど、なかなかどうして意外と楽しい。決して正解がない問題に向き合って、より多くの人間が納得する回答を探す楽しさは大喜利に近いと思う。「じゃあ大喜利やれよ」という意見が多数寄せられそうだが大喜利の場は大喜利しにきてる奴らが沢山いるから埋もれて勝てねぇんだ。でも夢小説の場で大喜利しにきてる奴はそんなにいねぇから目立てるんだ。
*一応補足すると、あくまで『創作に対する姿勢』を大喜利に近付けている、という話であって、決して『ウケ狙い』『茶化し』を奨励しているわけではないので、あしからず。

以上で夢女子エアプの俺が教える夢小説執筆講座は終了になります。肝心の講座内容が薄すぎる。もっと圧縮すれば5行ぐらいで済ませられただろ。
夢女子エアプの身でありながら夢小説に対して上から目線で好き放題語ってしまいましたが、あらぬ誤解を防ぐため1つだけ言い訳させて頂けるなら、俺は決して本職の夢女子である皆様を馬鹿にしているわけではないのです。俺は俺自身を含む全てのオタク族をうっすら小馬鹿にしながら愛でているだけなのです。

あと、これは俺の3日前のツイートです。

おいは恥ずかしか!

生きておられんごっ!


夢女子エアプの俺が教える夢小説執筆講座

~“介錯”編~ 完


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