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河村カップ振り返り〜こども達が自然に連珠している環境〜

日本の河村元名人が冠名についている河村カップが、今年はGWにオンラインで開催された。公式戦扱いになるため、不正がないかzoomで対局している姿とパソコン画面を映像として配信し運営がチェックしながら行われた。この方式は去年のユース大会で導入していて、私は慣れていたし自分の店でやれば環境もすぐ作れたので参加できたが、そうでない方にとっては少しハードルが高かったかもしれない。日本からの参加が中山八段と私だけだったのは残念だった。

しかしこのやり方は楽しい!なぜならオンラインでも各国の選手や運営のソーソロフ、メリテーに会えるからだ。憧れの選手や可愛いこどもたちの様子を見ると自粛疲れもふっとぶ。

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今回大活躍だったのがロシアのアレキサンダー君8歳。スウェーデンの長老ヨンソン氏はじめ強豪を倒したのもすごいし、黒必勝と言われている戦型にあえて持ち込み果敢に受けてたち、定石の研究の深さで圧倒していた。大人たちに混じって3位入賞はすごい。

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アレックス君のprofを見ると連珠や五目のほかにドラフツなど色々なゲームを楽しんでいるようだ。本大会で使われた会場はもともと様々なゲームが遊べる仕様になっていて、またオフラインでも、普段から連珠教室の合間にいろいろなパズルやゲームで知育への興味を促したり、自然と遊べる環境を与えているらしい。

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エストニアが作ったサイトvint.ee。こうした色々なゲームに同時に触れ合う環境が連珠の才能を発掘するのは桑名七盤勝負でも実証済み?かも。

アレックス君だけでなく他にもこどもが多く、いわゆるヨーロッパの強豪はあまりいない大会だった。私があたった子もロシア、エストニア、トルコのこども達だった。大人でも集中力を維持するのが大変な9ラウンド2日間という長丁場にこれだけのこども達が参加していたのは驚きだ。パソコンと映像環境を整えるというハードルがあるので周囲の大人の協力も不可欠だし、日頃からゲームに集中する環境ができているんだろうと想像できる。今回あまり呼びかけしなかったけど、もっと日本のこどもたちにも参加してもらえるよう、次からちょっと頑張ろうと反省した。

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連珠の方は5勝3敗1分で6位。韓国勢に負けないようにトレーニングしていたけど不甲斐ない中盤で1局落としたのが痛かった…。内容的には1日目PR4、2日目PR20ぐらいな印象。どうも珠王戦といい2日目に崩れるパターンが多くて今後の課題としたい。

中国の天才数学者、wind23ことTianyi Hao氏に満局を取れたのは嬉しかった。オフライン廃人のwind23氏には今まで勝負形にすらなったことがなく、勉強していた序盤が出て、不利ながら受けきれたのはとても嬉しかった。最近は成長を実感できる機会が少ない。ある程度強くなるとこれまた次々と自分の課題が見えてくるし、何ができるようになったかも見えにくい。だから尚更嬉しかった。彼は五珠指南書の作成に関わったり普及にも多大な貢献をしている。非公式だが各国のレート誤差を最小化したレーティングサイトも彼が作っている。https://renjurating.wind23.com/index.html

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連珠へのモチベーションをどこに置くかはそれぞれ難しい問題だけれども、憧れの選手や有望なこどもたち、普段勉強のためにお世話になっている人たちに会って嬉しくなるのも一つのモチベーションになるのではと思った。またどこかで対戦出来ますように!

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中央にいるのがHaoさん。アンツの顔を見るだけでわたしは嬉しくなった笑。

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