見出し画像

わからないことが楽しい〜バックギャモン日本選手権で全敗してきた〜

GW恒例のバックギャモンフェスティバル、去年中級戦で優勝したプライズで、上のクラスの日本選手権に無料で参加できることになった。それに気づいたのが直前で、日本選手権は敷居が高いからもう参加しないかもなあ〜とこの1年目標のないダラダラとしたギャモライフを過ごしていた。毎日のGalaxyは解析を復習することもなく、純粋なる手の運動と化していた。なのでモチベーションがいまいちなまま会場に脚を運んだ。

日本選手権は参加費2万円で、全国からトップクラスの強豪が集まる。海外からも選手が来日する。過去にはすぎやまこういちさんが覇者となったこともある由緒正しい大会。見渡すと知っている人だらけ。この中にPIPカウント(進み具合を計算する)もできない自分が紛れ込んでるのが違和感しかなかった。

1R、始まってすぐに「なにもわからない」と感じた。驚いた。普段はそんなことを感じることもなかったのだ。つまり、真剣勝負の舞台という場に立たないと、自分は真面目に局面と向き合ってなかったのだ。自分が何をわかってないかも、普段の手の運動では気が付けないほど脳が鈍っていたのだ。

わからない、苦しい、、、でも楽しい!わからないと自分が感じていること自体が楽しかった。なあんだ、ちゃんと楽しいじゃないか。何を目標にしたらいいかわからなかったけど、自分はちゃんとギャモンを楽しむ素養があったのだ。もとより、ギャモンは局面への興味よりも勝負という場としての興味が勝っていたから、大きな舞台になればなるほどワクワクするのは自明だった。

連珠でもそうだ。普段ののんべんだらりとした勉強では気づかなかった些細なことも、実戦になると気になり、わからないことだらけ。実戦は感覚が研ぎ澄まされてアンテナが急に立つのだ。普段から実戦と同じようにアンテナがたち、局面に入り込める人が羨ましい。そういう人はかなり棋道に向いていると思う。自分はだめだ。対局中と普段の自分が違いすぎる。まぁだから対局の場を欲して、自分はこの場がなきゃだめだ、と思うことができるし、普段の自分とのギャップを楽しむことができるから良し悪しだけど。

ギャモンでも、真剣勝負の場でなければ得られないワクワクがある。私はいっぷくでワイワイ軽口を言いながらサイコロを振るあの時間をこよなく愛していたが、それには無い、それよりはるかに細胞にビビッと来る、自分が求めている瞬間が対局ではある。下手とかわからないとかそんなことはどうでもいい。自分はその瞬間を求めてるのだから、これからも臆せず勝負の場に出ていこう。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?