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戦士達の冒険と記録 vol.5 藍葉いつき(破壊神降臨教主シノザキ/ゴーストコード)

 「ポーンさんがやった果てのヘレン」(以下ポレン)主催者であるフリーゲームサークル「アンディー・メンテ」。多くの無料ゲームが配布されているが、皆さんはプレイしたことがあるだろうか。
 また、このポレンというゲーム自体が「ステッパーズ・ストップ」というゲームサークルの代表へ向けた、アンディー・メンテ代表ジスさんからのラブコールだということをご存知だろうか。

 そして、初期のポレン参加者は、多くの人がこの二人が作るゲームに魅了され、憧れていたのだ。ここにも、そんな人が一人。
 今日はその人にお話を伺ってみよう。

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 今回お話を伺ったのは藍葉いつきさん。
 実はポレン4からご参加されているかなりベテランの方である。

引用:魔星会ポレン4 より
こちらがいつきさんの当時のキャラクター。
筆者はケイスケの影縫いが怖かったの、よく覚えております。

■自己紹介をお願いいたします。

 藍葉いつきと申します。いつもだいたい「いつき」と名乗っています。 普段は好きなゲームや漫画についてTwitterで呟いています。 ぽれんではシノザキの人と認知していただいているかと思います。

引用:魔星界ポレン8 より
こちらは大精神統一党首としてポレンに初登場した際のシノザキさん。
なんとなく年号発表を思い出す。

■いつ頃から、どのようなきっかけでポレンに参加されているのかお教え下さい。

 昔からアンディーメンテさんとステッパーズストップさんのフリーゲームをやらせてもらっていました。
 ジスカルドさんとポーンさんの人柄が好きだったこともあり、両サイトで何かしら動きがあるときはいろいろと覗いたりしていたんです。その流れでポレンも1の時から観戦していました。複数人のゲームに参加することに少し苦手意識があって当初は見るだけでしたが、あまりにも楽しそうで我慢できなくなってしまい、ポレン4からは実際に参加させていただいています。

引用:ポレン4 公式サイトより
この時は総参加者数300名程度で、今の1/3程度の規模だった。
当時の動画は、今でもニコニコ動画で公開されている。

■ポレン8から登場した代表キャラクターシノザキさん。今年は破壊神降臨教主となられていましたがビルドのコンセプトやなどお教え下さい。

 シノザキを初めて投稿したのはポレン8ですが、Phase2くらいまではシノザキの構想は全く頭にありませんでした。
 1キャラ目が真面目な感じになったので2キャラ目でネタっぽくしたいと思っていたんですが…。ある日の通勤中にふと「今年追加された大精神統一っていうやべえ技を使ったら面白いことできないかな」という考えが湧き、そこから想像が止まらなくなって、その日のうちに大体のキャラクター像が決まりました。即興でキャラを作るのは得意じゃないので自分にしては珍しい出来事だったと思います。天啓ってああいうことを言うに違いないですね(?)。
 最初は一発ネタのつもりだったのですが、「みんなそこそこ楽しんでくれたし、この形式ならメインの技を変えて続投させればもう一笑い取れるかも」という邪な思惑が湧き、それなら大精神統一みたいなその年の新技を使えばより注目されるかも、と考えて今に至ります。

引用:ポレン8 第95試合より
颯爽と大精神統一を決めるシノザキさん。なお、このときのシノザキさんは最後にライジングスターを決める形のビルドであった。

 ビルドに関しては毎回共通して「メインの技をできる限り活かす」ことを第一に考えています。
 大精神統一党の時の話ですが、いわゆる精神統一死って一種の風物詩のような空気があるので、大精神統一の実装時はすごくクレイジーな技に見えた人が多かったのではないかと思います(僕が勝手にそう思ってただけかも)。
 でもMPが重要なこのゲームにおいて、有効に運用する能力がある人ならこの技を十全に生かすことができるはず。 「大精神統一」を強調しているキャラである以上、とにかく連打して主張するという方法もあるでしょうが、それよりも可能な限り有効活用して「見よ!これが大精神統一だ!」と言ってやる方がはるかに面白いだろうと、結果的に精神統一死を迎えてしまっても、最初からそれを目的とするようでは面白みがないと、そう考えて構成を練りました。
 ステータスについては最低限メイン技の発動まではいきたいので、そこまでの生存及び確実な技使用のためにHPとMPを多めに振っています。
 技構成は基本的にメイン技を引き立てるための組み方をします。大精神統一なら必要MPの多い技を使い、桜吹雪なら攻撃回数の多さを活かすべく鎌居達の効果で与ダメを増やす、といった具合です。
 今回に限って言えば、ポレン8と9の時に勝利に貢献できなかった経験から「今度こそ仲間のために何かしたい」という気持ちが強く出てしまい、追撃狙いのメテオや支援目的のオールトを組み込みました。
 初志貫徹して破壊神kuros発動に特化させた方が結果的により貢献できたと思うので、ステファニアを重ねるなどしていた方が良かったかもしれません。あれもこれもと欲張ってしまったのは反省点です。

引用:ポレン10 第19試合より
大精神統一でHPが0になり、倒れてしまった教祖のシーン。
「人間は愚か」という言葉の重みが違う。
なお、Youtubeコメントでは教祖ー!!と心配する信徒の声も複数見受けられた。

 毎回「結構面白い感じにできたし、これは勝ったな」と鼻息荒くエントリーしているのですが、毎度想像を超えるほどの反響をいただけるので、今回もものすごくびっくりしています。その時々のメイン技にちなんだコメントをくれる人もたくさんいて、盛り上げてやるぞと息巻いている自分が一番楽しませてもらっているといった具合です。党員・会員・教徒に並び参加者の皆さんからも続々と届く喜びの声にシノザキも浮かれていることでしょう。いや浮かれているのは僕の方です。皆さんには本当に感謝しております。

■本年の新キャラ、「ゴーストコード」さんですが、今年のコンセプトはどういったものですか?

 自キャラの『ゴーストコード』については作成の意図を紙切れの方に載せていますので、ここではその意図に至るきっかけについて。 ポレン4の時まで遡るんですが、ある日じすさんがニコニコ生放送で参加キャラ数人の所感を言っていたとき、僕の初参加キャラ「ケイスケ」を取り上げてくれたんです。
 大きな活躍もできず反響が多いとは言えなかったケイスケですが、放送時の軽い空気感もあってか視聴者の何人かが好意的なコメントをしてくれていました。そこで僕は、自分の目に届かないところでも、自分のキャラを良いと思ってくれている人がいたことを嬉しく思いました。
 創作物を人の目に晒すことをほとんどしてこなかった僕にとって、オリジナルキャラクターが認知され、名指しで褒められるという経験はとてつもない衝撃と喜びでした。この経験がなければ僕はここまでポレンにのめり込めていなかったかもしれません。

引用:アンディーメンテチャンネルより
こちらは今年行われたポレン振り返り放送の一幕。
ポレンが終了した後など、ジスさんは時折生放送で各キャラクターみて感想を話したり、活躍について語ったりすることがある。

 じすさんが何気なくつぶやいた「これ強いんだよ~」という言葉が、見ていた方々の「あーつよい」というコメントが、僕をポレンという熱狂の渦に落としました。今でもその渦の中でもみくちゃにされています。幸せです。  そういった経緯もあって特定のキャラクターにスポットが当たると嬉しくなるため、すでに退場してしまったキャラクターにも再戦の機会をくれるネクロマンスは昔から大好きな技だったのです。ですが、自分が使うとなると不確定要素が強くて踏み出せずにいました。
 けれど、もし呼び出すキャラクターの傾向を決められるなら?
 ポレン10は前回の流れを受けてゴーストコードが多用される可能性がある(と当時勝手に思い込んでいました)し、自分も使うつもりだから、これを利用できるなら?
 勝率やキルデスの高いキャラを狙って呼び出すなんて暴挙は認められるはずもないが、強さや構成と無関係なところで呼び出すキャラをある程度指定できるなら?
 そこまで考えてようやくネクロマンスの採用に踏み切りました。
 僕がポレンの体験で一番初めに感じた喜びを、自キャラが活躍する機会を得られる幸福を、素晴らしいキャラクターたちが、その生みの親たちが少しでも感じてくれれば。そんな願いと祈りを込めています。

引用:魔星界ポレン10 より
いつきさんの今年のキャラクター「ゴーストコード」のお姿。
ネクロマンスはただの奉仕の技ではない。まさしく「ロマン」なのだ。

 ただすごくきれいなことを言った後で白状しにくいですが、ゴーストコードの廃止が明言された後も自キャラ『ゴーストコード』のエントリーをやめなかったのは個人的な打算が強いです。
 ゴーストコードが機能することは無くても、その事実を受けてなおあの生い立ちにするとなかなか見栄えがいいんじゃないかという打算です。ポレン7のジレンAIみたいで、システムがキャラクターの思いを受けて反乱しているような感じが個人的に気に入ってしまったのです。
 みんなのキャラクターをもっと見たいという思いに嘘はないですが紙切れに書いた方は綺麗に飾り立てすぎているのがわかりますね。なんて奴だ。
 作成する段階になって、こういう実体の無いキャラクターを作るのは初めてだったためにキャラ絵で悩みましたが、生い立ちでポレンそのものに言及していることもあり、ポレンっぽさやシステムっぽさを感じられる外見にしました。中央の人型はポーンさんのポーズと同じように見えるよう意識しています。

■例年ユニークな発想・着眼点でキャラクターを作成されておりますが、どういった理由や信念がありますでしょうか。

 陣営については実はこれといった信念は無いです。
 最初はSTでしたが、これは単純に僕がアンディーメンテより先にステッパーズストップに出会っていて、なおかつST作のゲームをより多くプレイしていたからです。それが先述のケイスケ言及事件を受けてじすさんに簡単になびいた結果AMに寝返りました。
 あの時の僕はじすさんにしっぽを振る犬でした。
 じすさん俺AMに来ちまいましたぜヘッヘッヘ。思考のレベルが低い。
 その後「いや、でもやっぱどっちかというと、自分はSTかな」となんとなく考えてSTに出戻りました。
 じすさんにとってそうであるように、僕にとってもポーンさんは特別なんです。ポーンさん俺STに帰ってきましたぜヘッヘッヘ。とんだ蝙蝠野郎ですね。すみません。

 キャラクター作成とJOBに関しては、基本的には面白そうだったり自分の好きを詰め込んだりしたキャラクターをまず考えて、それをポレンのシステムに落とし込んでいる感じですが、シノザキのように使いたい技を基準にして考え始めることもあります。
 「この技を使うキャラならこういう感じにするとかっこいいかな」
 「こういうキャラを作りたいからこんな構成が自然かな」
 みたいに考え始めることが多いです。 ポレン7くらいからは過去にゲーム作りをしようとして挫折した時に考えていたキャラクターに手を加えて投稿することが増えました。僕の実力不足で世に出せなかった、僕の頭の中にしかいなかったキャラクターたちが、ポレンという舞台で動き出すのを見ると幸せな気持ちになります。特にポレン8のヴィストニスなんかは僕にとっての「かっこいい」をはちきれんばかりに詰めたキャラクターなので、魔星会でかっこいいと言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しかったです。

引用:魔星界ポレン8 より
こちらがヴィストニスくん。彼は試合でも見事な活躍をみせた。

 ポレン9のヴィカはちょっと例外ですね。強豪リージョンによるガチガチに組まれた構成に翻弄される人が増えてきたのを見て、「じゃあ単独でそれを破壊しうる構成とか面白いんじゃないか?」というひねくれた思想で作られ、生い立ちもそれにひっぱられてひねくれたものになりました。狙いが似てるのに生い立ちがポジティブなmayoさんの「ソファを囲むソファ」とは大違いですね。こういうところに人間性が現れるのかもしれません。ひねくれていたのは俺だったのだ。
 基本的にソロリージョンで参加することが多いですが、これは「リージョン名やロゴの分までキャラクターの表現に使いたい」というのが理由です。あとキャラクターの設定から先に作るので、足並みをそろえる必要がある複数人リージョンのテーマに沿うのが難しいという理由もあります。無所属リージョンで参加したときも楽しかったし協力して戦うのは好きなので、機会があればまた無所属やりたいとは思っています。

■話はずれますが、AMやSTで好きなゲームはありますか?

 はい。AMのゲームでは最初にプレイしたスターダンスが好きな作品の筆頭ですね。ロマンシア兄さんがAMのキャラで一番好きです。
 きみの島やWorldEndDINERも最近プレイしましたがめちゃくちゃ面白いのでいろいろな人にやってほしいなあと思います。

引用:VectorHPより スターダンスDLページ
AM初期傑作として名高いスターダンスシリーズ。
ポレンで使われている固有名詞なんかも登場する。なんと15年以上前の作品。

 STはプレイ時間で言えばシェフィがダントツですが、一番好きなのは絶対的人狼です。発想もさることながらキャラクター同士の掛け合いが楽しくて好きです。 個人的にちょっとハードルが高いですがブレイドロンドもやってみたいですね。

引用:ステッパーズ・ストップ公式サイトより
こちらもST初期傑作と名高いゲーム。開発は10年以上前だが、今でも根強い人気を誇る。

 ポレンの時期になると昔やった作品を再プレイすることがよくあります。   
 この間は20周年の寸劇に影響されて自給自足を再プレイしました。やはり面白い。そしてほんの数日前にはアールエスに手をつけました。中毒性が高いと聞いたことがあるので自制しながらやりたいと思います。混沌のルーシーとかも気になるのでいつかは…。

■今年注目しているリージョンやジョブ、技、キャラクターなどがあればお教え下さい。

 ポレンのJOBでは昔から弓矢使いが一番好きということもあり、遅延弓を使うキャラクターが出てくるたびにテンションが上がります。特に第112試合でチャンドラによる奇跡の逆転を見せてくれたセントポーリアさんは応援せずにはいられません。

引用:ポレン10 第112試合より
こちらがセントポーリアちゃん活躍のシーン。
当たりどころによっては判定負けをきす重要な一矢を見事に決めた。

 技やリージョンで言えば、今回実装されたカーラチャクラマジックフォーメーションがいろいろな使い方ができて面白いなあと思っています。
 そしてこれでずっと無敵化するキャラがいるキルネココアのようなリージョンはハッとさせられる構成を見せてくれるところが多いので、戦いが激化しつつある2回戦からの動きが非常に気になります。
 ちなみに戦い方で言えばポレン8の「壁を破壊しろ」のような防御特化リージョンが特に好きなので、「アース防衛軍」が出てきたときはテンションが上がりました。一切行動しないという構成は相当な勇気がないと踏み切れないでしょうし、勝利すれば「耐久で勝った!すごい!」となり、敗北すれば「相手はあの防御を突破した!すごい!」となり、いたずらやキャンドラでやられても「ああそれは無理だわ!」と笑いに転じつつ潔い負け方となる。どう転んでもみんな幸せになるように思えてとても良いですよね。優しくてかっこいい戦い方だと思います。

引用:魔星界ポレン10より
いつきさんイチオシのリージョンアース防衛軍のお姿。
リージョンを主催されている「芹香の夫」さんには昨年インタビューをさせてもらったので、よければ見てね。

■最後に、「ポレン10」のご感想、意気込みをお教え下さい。

 自キャラは敗退してしまいましたが、シノザキがメイン技を使って試合に勝つという目標を達成でき、今まで以上に多くの反響をいただくこともできて、とても嬉しく思っています。
 好きなキャラクターや気になるリージョンがまだまだ残っているので、たくさん応援して今年のポレンを楽しみ尽くしたいと思います。どうもありがとうございました!

引用:ポレン10 第14試合より
初kurosを決めたシノザキ氏の姿。観客も初めての破壊神kurosにどよめきたった。
シノザキさん、次回もご活躍期待しております。

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 なお、ポレン10における最初の破壊神成功者として、魔星界におけるシノザキさんのキャラクターページは一種に巡礼地になっているもよう。
 その点についてお伺いした所「何か僕の預かり知らない影響まで出ているようなので、ヤバいものの発起人になってしまったのではという焦りがありましたが、そんなものは破壊神の前には無意味だと思い直しました。やはり破壊神。破壊神は全てを解決する。もっと全力で破壊神を崇めるのだ…!ポレンの全ての参加者が破壊神kurosの使用者となるその日まで…!」とおっしゃっておられました。ポレンが破壊神教に染められる日も近い…!?
 その日まで頑張れ!シノザキさん!

 それでは今日はこの辺で。
 次回もまたみてポレン!

■ご協力一覧
藍葉いつきさん
藍葉いつきさんのポレン10参加キャラクター
・破壊神降臨教主シノザキ
・ゴーストコード

■SpecialThanks
アンディー・メンテ(ジスカルド氏)

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