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戦士達の冒険と記録 vol.11 A般(アスレ/イエスウォー)

 「ポーンさんがやった果てのヘレン」(以下ポレン)において、初代ポレンから連続で参加してくれているキャラクターは10キャラクターにも満たない、という話は以前した通りである。

 その中には「わざわざポレンのためだけに作られたキャラクター」もいる。戦いを通し、時にはポレン動画内で行われる寸劇を通して思いもよらぬキャラクターの肉付けがされ、少しずつ成長するキャラクターもいる。
 ノノネヌさんのキャラクター、「竜子」に突然「だに~」という語尾がつけられ、驚いた日が懐かしい…。

 今回はそんな中でも「ポレンと共に歩んできた」代表格と言えるキャラクターと、そのオーナーにお話を伺ってみたい。


 今回お話を伺ったのはA般さん。
 長年、ポレンにおける「AMの顔」として前線で活躍してこられた「アスレ」の生みの親である。

威風堂々

画像提供:A般さん
最近の方にも古参の方にもお馴染みであろう、AM陣営を代表するキャラクター「アスレ」。彼女が戦場に降り立つと、その凛々しい姿に観客は声援を送らずにはいられない。

■簡単に自己紹介をお願いいたします。

 ポレンではApathy、メインハンドルネームはA般です。AM派ですがSTのゲームも遊びます。毎回、同キャラクターのアスレと、異なるイエスウォーで参加してきました。
 AM自体との出会いは、あるフリーゲームを調べていた時にそのゲームのファンアートを書いている人が大量のAM絵も描いていて、そこから興味をもって知ったという経緯だったはずです。
 STはAM経由で知り、セーブ1回制限時代の絶対的人狼を乗り越えたりしました。最初期はセーブさえできなかったらしいので、STはストイックです。

■元々ポレンに参加される様になったきっかけをお教え下さい。

 もうずいぶん昔のことなのでさすがに詳細は憶えていませんが、当時AMの公式サイトを見ていて第1回の開催を知ったと記憶しています。絵と簡単な設定だけでOKという気軽さと、人数が集まらないと中止になりますとあったので、それじゃあ参加してみようかな、と。何の変哲もない経緯ですね。

引用:初代ポレン公式サイト
上記URLをクリックしてページを見て頂くとわかるが、注意文に「ちなみに参加者が72名に達しない場合は、中止になります。」とある。なぜ72名が最低人数だったのかは謎。まだ魔星会が無かった時代で、当時は「ニコニコ静画」というシステムを使って画像やキャラクターが投稿されていた。

■レジェンドキャラクター、アスレについて生い立ちや性格、世界観などがあれば詳しくお教えください。

 『アスレ』は初回ポレンに参加するにあたって専用に作成したキャラクターです。当初は銃剣が登場する某ゲームのパロディキャラとして作成していたのですが、途中で方針を転換してデザインや設定を変更しあの形になりました。なので某ゲームの要素はほぼ残っていません。銃剣の刃が大きいことくらいでしょうか。はじめは引き金の無い銃剣を持つ16歳くらいの少女傭兵という程度しか設定が無かったのですが、ポレンへの参加を重ねるごとに自然とストーリーが編まれていきました。

画像提供:A般さん
こちらが今はなきニコニコ静画で初登場した初代「アスレ」の姿。今の「軍神」的な姿とは違い、まだあどけない少女の姿である。当時は「聖剣」と「シルヴィア剣」を使う「ガンマン」であった。

 生い立ちとしては孤児が傭兵たちに拾われて育てられ、育ての親である傭兵たちが命を落とした後もひとりで傭兵を続けている……というキャラクターです。性格は元々無口で男っぽいものだったのですが、動画内でじすさんがガンガン喋らせるのでそれらの設定は消えました。
 現在は母性に似た感情が大きくなり、自分と似た境遇のこどもたちを特に気に掛けるなど、戦場以外では少し優しい性格になりつつあります。ただし、生粋の傭兵ですので戦いとなれば冷徹に行動します。
 世界設定はAM国とST国があり、毎回AM国に雇われている戦士のひとりという扱いです。ポレン1はAM国主催で行われた武闘会で単に強さを競うだけの競技だったのですが、2からはST国との戦争となり武闘会での様子を見たAM国から自国の戦士として雇われた……ということになっています。あくまで私が考える世界設定ですので、じすさんや他の方々の考えるところとは違うでしょうね。

引用:魔星会ポレン10 アスレの紙切れより
A般さんによる最新のアスレ。「母性」の感情が大きくなっている、というお言葉通り優しげな表情で子供を見守る姿が描かれている。

■アスレは10回の戦いを経て、どのように変わったり成長されたりしましたでしょうか。

 大まかな流れとしては、『ポレン1~3までの通常の傭兵期間』『4~7までの英霊の加護により蘇った戦士』『8~10の腐敗する肉体を隠して行動する戦士』の3つに分けられるかと思います。
 大きな転換点となったのは、やはりポレン3ですね。この回からじすさんによるドラマパート(寸劇)が時折挿入されるようになったのですが、偶然アスレが最後まで生き残ったため主要登場人物のひとりとして扱われました。ポレン3のドラマパートはストーリー性が強く、ここで今のアスレという存在が完全に固まったという感じです。とはいえ、その後もまさか幹部キャラクターのような扱いで何度も出演し続けるとは思っていませんでしたので、嬉し恥ずかしです。

引用:ポレン3 第44試合~45試合の幕間より
当時のいわゆる「軍神」メンバー。ここでアスレはジスさんによってガンガン喋るキャラクター設定が肉付けされた。口調も女性的。
ちなみに、真ん中にいるのはFMAKさん。左上に見えるのは、当時の「芭蕉丸」の姿。

 ポレン1の推定16歳からポレンと共にリアルタイムで時が過ぎ、3の最終戦闘で致命傷を負った後、4で英霊の加護により蘇生した際に肉体の時間が止まっています。なので身体は20歳程度です。ポレンFINALと銘打たれていた7では、これで最後だからと1を意識して髪を短く切ったものの、その後も平然とポレンが開催されたので終わらせたつもりのキャラクターをどうしたものかと困惑しました。死者が髪の毛に貯めた魔力と神通力でアンデッドのように活動している状態なため、髪を切ることには多大な意味があるので……。
 8以降は魔力で維持する部位を頭部優先にしたために眼刃(眼のみょーんとなっている部分)も再生しましたが、肉体は腐敗を始めたためヘソ出しスタイルはやめてなるべく身体を隠すコートになりました。
 ゲーム的な部分では個人的にガンマンとしての最適な戦闘スタイルを模索し続け、一応の結論が出た7以降は同じ技構成にし続けています。これは7の生い立ちにもあるように、答えに辿り着いたから……という意味もあります。

引用:ポレン8 OP動画より
ポレン7のOPでは確かに「FINAL」と記載されていたのにポレン8のOPでは「FINAL2」と書かれていて視聴者の度肝を抜いた。
FINAL2って何。ちなみにポレン9では「明らかなるFINAL」となっている。FINALの意味を辞書で調べたくなる。

■イエスウォーについても同様にお教えください。

 ポレン3でひとり3キャラクターまで出してよいと言われたので、それまでずっとポレンの公式テストキャラクターを務めていた『ノーウォー少年』のパロディで作成した『イエスウォー少女』と『イエスウォー青年』がイエスウォーの始まりですね。

引用:アンディーメンテゲーム「品川魔人学園」より
今で言う「てすとん」の役目をしていたのがこちらの「ノーウォー少年」。

 3では設定が固まっていなかったので物騒なことを言っているだけの生い立ちですが、4からちゃんと考えるようになりました。譲れない何かのために戦いに身を投じた人々で、5のイエスウォー救世主が彼らの始祖です。始祖と言っても救世主自らが率いたわけではなく、戦う彼の姿に感銘を受けた人々が自然と集まって形成された集団を、誰かがイエスウォーと呼称しだしたという設定です。戦うための武器と譲れないなにか以外のすべて……財産はもちろん名も国籍も母国語さえも捨て去っています。そのため人工言語のエスペラント語を話し、シンボルマークもエスペラントのものを使用しています。アスレと同様にポレン世界の住人です。8の『イエスウォー妹』は3~7までの誰かの妹たちなので、見比べるとわかるかもしれません。

歴代イエスウォーの戦士達。
イエスウォー集合絵。圧巻の密度

画像提供:A般さん
こちらはイエスウォーシリーズの画像。イエスウォーシリーズはモノクロ+緑色で描かれているのが特徴的。一人ひとりが個性的なデザインをしており、毎年新しいデザインが用意されている。下部の画像はポレン7の時に作成された、それまでのイエスウォー全員集合絵。

 ポレン10の『イエスウォー元少年』は、10回目を記念してノーウォー少年を再度パロディした存在ですね。姿までそっくりで、技名変更で技も同じ名前にしています。
 アスレが同じキャラクターをずっと描き続ける一方、こちらは毎回新たなキャラクターを描ける枠として楽しんでいます。3~10までの画面内にいる総数を合わせれば、今では30人になるのでたくさん描いてきたものです。

引用:魔星会ポレン10 より
ポレン10回目開催、おめでとう!とばかりに戻ってきてくれたイエスウォー元少年。
公式のノーウォー少年と比較してみると、パロディとしての完成の高さがうかがえる。

■リージョン制が確立してから、ポレンの戦略などが大きく変わったかと思います。貴方にとってリージョン制はどのようなものかお教えください。

 仲のいい人の集まりや、その回限りの繋がりがキャラクターに反映されたり試合内容に影響するので、リージョンは今のポレンらしさと楽しさの中核にあると思います。とはいえ、それは従来のランダムマッチングの面影を残した無所属リージョンありきとも考えています。考えられた構築もいいのですが、個人的には偶然の感動がやはり最高だと思うので。この考え方は初回から参加しているが故かもしれません。

引用:ポレン9 第170試合より
無所属はポレン6より前の流れを大きく組むリージョンである。すなわち「他人とのコンボを前提としない」のだ。前提としないはずなのに、何故か試合で上手く噛み合い、「コンボを前提として組んでいる強いビルド」をも打ち負かすことがある。それもまた近年のポレンの醍醐味の一つであろう。

 シナジーを度外視した面白いリージョンやソロリージョンも魅力たっぷりなので、ある意味で通常の生い立ちとは別の形の生い立ちがリージョンと言ってもいいでしょう。一方で、それらとガチガチに組まれたリージョンがぶつかると今でも少し心苦しくなります。それもドラマですけどね。いずれにせよ、現在のポレンになくてはならない要素になったと思います。

■10回連続で参加となりましたが、貴方にとってのポレンの魅力、思い出や印象に残っているキャラクター、試合などがあればぜひお教えください。

 なんといっても他の人がどんなキャラクターや世界設定を考えているのか、それを見て触れ合うことができるのが魅力です。ポレンに参加して初めて、こんなにたくさんの人がキャラクターや世界設定を胸に秘めていることを知りました。私もそれらを考えるのが好きですが、みんな少しも負けていない! 毎回たくさんのキャラクターを見るのが楽しみで仕方ありません。ポレン3の時は全キャラクターの絵を描こうとしたくらいです。ただ、途中でニコニコ静画のお題サービスが終了したため、そこで打ち切ることになってしまいました……。

引用:ポレン10 最終試合より
今期の総キャラクター数は1025キャラ。応援人も含めると、その総数は1037キャラクター。参加数だけで言えば、初代ポレンから約10倍に増えたのだ。その全てが独自の世界観をもつ、魅力的なキャラクターである。(時折実写もいる)

 思い出深いキャラクターと言うとポレンの始まりともいえる前述の『ノーウォー少年』と言いたいところなのですが、ちょっとイレギュラーすぎますね。
 それ以外ではポレン1の『反軍保育兵セキハラ』は、長文生い立ちの元祖とも言える読み応えのある生い立ちで記憶に残っています。同じくポレン1の『千代』も、アスレを倒したということで一方的に意識していました。あとは『JuN』『アレクトー』『未来生物ハンター』『パピヨンとともだち』……などの皆勤キャラクターたちは、どれも歴戦の戦友というように感じています。他にもいわゆるAM軍神会議の『F』『グレイド』や、3のポーンさんである『g1の』、最強のチーム『ステスト秘剣フィジカリア』、そしてアスレやイエスウォーと共にフィジカリアと戦ってくれたAM側最後の戦士『め』『(U^ω^)わんわんお!』、7のラストバトルにリージョンを超えて選出された戦士達……とキリがないのでこの辺で。
 試合でもポレン7のラストバトルが最高です。7はストーリーの完成度もさることながら、AM悲願の優勝を果たした回なので特別ですね。ライジングスターで決めるのも非の打ち所がありません。これを超えるものは……いつか来るのでしょうか。

引用:ポレン7 最終試合より
当時ロウストーンの前身である「ジャスティス」がST陣営を乗っ取ってAM陣営と戦いを繰り広げていた。
例の「秩序を~」という持論を繰り広げていた彼に対し、とどめを刺したキャラクターの決め台詞は「今のほうがしあわせだよ」という包容と肯定な一言である。泣ける。

 この他にも記憶に残る試合は書ききれないほどあるのですが、長すぎるので割愛します。あ、ひとつだけ言うとツクヨミが無茶苦茶に暴れる試合は大体好きです。

引用:ポレン8 第82試合より
あいよ!クソデカツクヨミ(が引き起こした謎プロの成れの果て)一丁おまち!

■ポレン10で特に注目しているリージョン、キャラクター、技、JOBなどがあればぜひお教えください。

 リージョンは『JILEN』と『地方にこいや』でしょうか。うまく言えないのですが何故か好きです。から揚げとか勢いとか……! あとは全無所属リージョンを応援しています。

引用:魔星会ポレン10より
全力で地方に勧誘するリージョン「地方にこいや」の皆さん。愛知勧誘担当の方は刹那で生き残り、その後も数回にわたって地方勧誘を行っていた。なお、その結果かどうかわからないが、ポレン10では愛知県でオフ会も行われた。優勝である。

 キャラクターでは『今日の夕飯』……シンプル過ぎて逆に美味しそうだからです! あとはかわいいキャラクターは全部注目しています。
 技では『カーラチャクラマジックフォーメーション』と『霊山ゴーストクロック』です。今までのポレンにはない特別な香りがしてワクワクします。
 JOBは『アドベンチャー』! と、言いたいところですが……鞭を一身に背負う『忍者』です。まさか鞭が専用技になるとは……! 試合を荒らしすぎるとこうなるんですね。ならば次は……ヴァハだ。

引用:ポレン10 第137試合より
今期から忍者専用の技となり、補正も入ることとなった「鞭」。この技は相手に打撃を与えるというよりも「MPを削る」ことでの「妨害」を目的とした技である。忍者専用となったことで全体的に「MPを削られることの懸念」がなくなり、MPに余剰分として振っていたBPを他に回すことができるようになった。そのため結果として今期の戦略の幅を大きく広げることとなった。

 あと、これはもうずっと言い続けていて、意見書もだしたことがあるのですが……ポレン1にのみ登場する『勇者』JOBの復活です。このかっこよすぎる響き、それだけで採用したいくらいです。しかし、この願いが届いたことはありません……。

引用:初代ポレン公式サイトより
後々「ナイト」というJOB名に変わってしまった「勇者」JOB。
各々の目的と運命を背負ってポレンに参戦してくるキャラクターは、全てが「勇者」だからなのかもしれない。
ちなみに、ポレン終了後に魔星会で発表される「最終戦況報告」では「○○側 戦闘△回目敗退の勇者たち」という形で「勇者」というキーワードが使われている。

■最後に、「ポレン10」のご感想、意気込み。主催しているジスカルドさんへのメッセージなどがあればをお教え下さい。

 これを書き終わった時点でちょうど最終試合を迎えました。まさかのAM優勝! 良い試合も盛りだくさんで、とても楽しめました。節目となる10回目でこのような戦いを見られて本望です。じすさん、いえジスカルドさん! お体には気を付けて! ありがとうございました!

これが。
こうなる。

画像提供:A般さん
ポレン7で終焉を迎えるはずだった彼女の物語も、ポレンが続くのであればもう少しだけ共に続いてくれる。(はず)
ちなみに筆者はポレン8の立ち絵がお気に入りです!あと概念アスレ(上部画像)もかなり好きです!


 色々な方のキャラクターが見られるのが好き!とお話してくださったA般さん。その言葉の通り、過去のポレンでは魔星会の全キャラクター一人ひとりにコメントを残してくださったりもしていました。
 A般さん、及びアスレの活躍は多くのプレイヤーに響き、「こんな風になりたい!」とまたポレンに参加させる動機づけに一役かっていた事は間違いないでしょう。筆者も、アスレの活躍に心躍らせ、憧れた一人です。

 それでは今日はこの辺で。
 次回もまたみてポレン!

■ご協力一覧
A般さん
A般のポレン10参加キャラクター
アスレ
イエスウォー元少年

■SpecialThanks
アンディー・メンテ(ジスカルド氏)

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