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「ごちゃまぜ」によって化学反応が起き、誰にでも居心地の良い場所になる【訪問:佛子園】

石川県の「社会福祉法人 佛子園」(http://www.bussien.com/)にお邪魔し、理事の岸本さんの案内で見学させてもらいました。
すごいところに行ってきました。

見学したところ

今日見学したのは次の4箇所です。

◇三草二木 西圓寺

(就労継続支援B型・生活介護・高齢者デイサービス・放課後等デイサービス・児童発達支援)
廃寺を引き取り、温泉を掘り、入浴施設として生まれ変わらせた施設でした。ここが佛子園の「ごちゃまぜ」の元祖であり、さまざまな人の化学反応で誰にでも居心地が良くなるというきっかけが生まれたところでもあるそうです。入浴施設のスタッフとして法人の職員も利用者の方も一緒に働く、デイサービスの利用者の方も、地元の方も出入りする、ちょっと見学に来た人間からしたらいろんな人が出入りしているけれど誰がなんだかよくわからない空間でした。戸を開けて湯気でいっぱいになっている玄関がまた居心地の良さを後押ししていたように思います。
地域住民が無料で入浴施設を利用できたり、地域の人と利用者の協力で漬けた漬物などの特産品を販売したりと、西圓寺周辺の住民が自然に中に入ってくる仕組みが作られていて、「福祉」だけでなく「地域」としてごちゃまぜになっていました。さらにそれを日常化していました。

向かいの建物にはウェルネス、カフェなどが位置していました。カフェもピッキング職人と称される利用者の方がコーヒー豆を丁寧に選別していました。


◇B's

(保育園・児童発達支援・放課後等デイサービス・保育所等訪問・指定特定相談(計画作成)・一般相談(地域移行・定着)・障害児相談・就労継続A型・就労継続B型・生活介護・日中一時・わくわく活動・移動支援・居宅介護・行動援護・同行援護・通院介助・重度訪問介護・配食サービス・グループホーム・クリニック)

門を入ると大きな庭にアスレチック様の巨大な遊具に迎えられました。上記のようにこの敷地内にはあらゆるサービスが共存する形で存在しており、老若男女や障害の有無に関わらず、あらゆる人が行き来して当たり前のように生活をしたり活動をしたりしています。見学中も子連れの親子が訪れたり、オープンスペースでPCを広げて仕事をしている人がいたのが印象的でした。


◇鬍鬚張魯肉飯

台湾のフランチャイズ、日本で唯一の店舗である金沢工業大学前店を経営されていました。就労継続支援A型・B型の施設として運営されています。台湾ブームを20年先取りしていた、ということでした。魯肉飯については、「日本で唯一」の要素が満載というお話も聞き、美味しくいただきました。


◇私がつくるまち share金沢

最後に見学した「シェア金沢」は、到着して思わず声が漏れました。「もはや『まち』だ」。敷地の中にありとあらゆる機能が詰め込まれ、その建物を縫うように道路が整備されていました。施設の利用者、スタッフ、客、地域の人という層を超えて、地元の小学生が学童として集ったり、週末はジャズバーでコンサートが開かれたり、料理教室が行われたり…。

あまりに「ごちゃまぜ」なので、特にシェア金沢については書ききれません。公式webページには次のようにあり、この文面に収まりきらないようなインクルーシブな環境がありました。

高齢者、大学生、病気の人、障害のある人、分け隔てなく誰もが、
Share金沢共に手を携え、家族や仲間、社会に貢献できる街。
かつてあった良き地域コミュニティを再生させる街。
いろんな人とのつながりを大切にしながら、
主体性をもって地域社会づくりに参加する。
あなたも「Share金沢」づくりに参加しませんか。

シェア金沢webページ

凄み

一日、どっぷりと浸からせてもらいましたが、凄みを過度に感じさせないことが凄かったです。
あまりにインクルーシブな環境が当たり前に実現されているため、こちらの居心地もよくなってしまったからなのかなと、訳のわからない分析をしてしまうほどです。
このような環境をこれまでに感じたことがないのに。

ソーシャルビジネスによる、地域のかき混ぜ方、まちのつくり方、人としての生き方、などさまざまな示唆をいただきました。

最後に岸本さんの印象に残った言葉を記しておきたいと思います。
・温泉は人を集める
・ごちゃまぜにしていると人間関係に行き詰まりがない
・担当で分けるのでなく、フレキシブルに対応する
・セキュリティを閉めようとすると突破したいという抵抗が出てくる
・正しくリスクをとる、リスクヘッジは目的ではない
・パーソンセンタード>システムセンタード
・利用者と職員が向き合うのではなく、一緒にお客さんと向き合う
・ワークライフバランス→ワーク&プレイ 
・仕組みをつくって、昔を取り戻す
・昔は城があり、城下町があり、寺があり…まちになったが、これからは福祉の力でまちをつくる。
・学校はできることの限界を知って、もっと開いて、民間と提携したらいい。
・あらゆるサービスをしないと、誰かを排除することになってしまう。
・サービスに人をはめるのではなく、やりたいようにやってもらう。

学校が潜在的に抱えているリソースの大きさと可能性をますます感じる1日でした。
お忙しい中のアテンド、ありがとうございました。


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