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【考察】現代のユートピア?風通しの良い職場とは

こんにちは。

今回は風通しの良い職場についての考察を述べます。


結論 : 「風通しの良い職場」は存在しました。

早速ですが、「存在しない理想郷」という皮肉を込めて、私がユートピアと勝手に位置付けていた「風通しの良い職場」は実在しました。

私自身の経験ですが、前職のSIerは「ザ・日系企業」という感じで、年長者の一言で簡単にひっくり返り、若手は発言権がなく議事録に徹するという感じで、風通しはあまり良くありませんでした。

もちろん、残業続きで休暇の申請などできる空気ではなく、ミスを報告すると怒られるので、ギリギリまで報告しないというメンバーもいるくらいでした。

しかし、転職活動時に「オープンマインド」を感じた企業に転職したところ、転職後も出会う人々全てに「風通しが良い」と感じ、逆に「風通しが悪い」と感じることは今まで1回もありませんでした。

この真逆の経験から、「風通しが良い」と言う抽象的な表現をうまく具体化できないかと考え、この記事にしてみました。最後まで読んで頂けると嬉しいです。


「風通しの良い職場」の定義

「風通しの良い職場」と聞いて皆さんはどうイメージするでしょうか。私は、以前このように考えていました。

<風通しの良い職場(過去のイメージ)>
思ったことを遠慮なく言える職場(だがそんなもの存在しない)

しかし、現在ではこのように考えるようになりました。

<風通しの良い職場(現在のイメージ)>
思ったことを的確に伝えるスキルに長けている人たちの集まり


なぜこのように考えたか

「風通しが良い職場」では、とにかく一人一人の「伝えるスキル」「聴くスキル」が抜群に高いです。

「伝える」「聴く」という会話技術のレベルが高いので、話していて楽しいです。それは自分が怒られている状況であっても、心地良いと感じるほどです。

「風通しが悪い」時よりも、「風通しが良い」時の方が、話の内容は圧倒的に厳しいです。年下に怒られたりもしますし、痛いところもしっかり突かれます。

しかし、会話をする際の「配慮」や「信頼感」がそれを上回っていると感じる為、話していて苦痛ではありませんでした。

ここから先は、この内容をより具体的に分解して、再現性があるような形でまとめていますので、ご紹介させていただきます。


「風通しの良い職場」にするために必要なもの

まず結論はこちらです。


それでは、1つずつ説明させて頂きます。


1.一人一人の「伝えるスキル」

チームを構成する一人一人の「伝えるスキル」が重要だと考えます。「伝えるスキル」が足りないとこんなことが起きてしまいます。

・上司の機嫌に左右される職場
・ぶっきらぼうな人の発言権が強く、発言権が平等でない
・雑談ですら気を遣う

①ポジティブな内容こそ遠慮なく伝える

めちゃめちゃ重要です。

思いやりのあるリーダーは、メンバーをリラックスさせようと「何でも気軽に言ってな!」「悪い情報は早い方が助かるから、すぐに教えてね!」ということを言っていますが、これだと50点です。

理由は、ネガティブな内容のみフォーカスしているからです。ぜひポジティブな内容にもフォーカスすべきです。

「風通しの悪い職場」では、ポジティブな内容ですら言いづらいことが多いです。そんな状況で、ネガティブな内容なんて言えるわけがありません。

まずは、ポジティブな内容こそ「気軽に言うべきこと」「早く言うべきこと」と考えて、タイミングを逃さず褒めたり、良い点を共有したりしてください。ポジティブな内容を気軽に言えるようであれば「風通しが良い職場」へ一歩前進です!

それを踏まえて、恥ずかしがらず・素直に・遠慮なく・積極的に良いことを言うことは、実は難しいことで、重要な「伝えるスキル」だと思います。

②比率は「ポジティブ 8 : ネガティブ2」

ポジティブな内容にフォーカスする必要があるとお話ししましたが、職場での理想な比率は「ポジティブ 8 : ネガティブ2」と考えています。

例えば、失敗が続いている状況の同僚のミスをさらに見つけた時、指摘をするのは心が引けませんか?「泣きっ面に蜂」は外から見ていても心が痛いです。

チームも同じように、ネガティブな話題の比率が多いと、それ以上のネガティブな話をしづらくなります。それを避けるためにも、この8:2の比率を意識してください。

「8:2」の比率を保つには、このような取り組みが必要です。

<ネガティブが多い場合>
・どんな小さなことでも、ポジティブな内容を積極的に言う
<ポジティブが多い場合>
・作業にリスクが潜んでいないか積極的に探し、適度な緊張感を維持する。
・リスクをとって挑戦する仕事の割合を増やす

例えば以下のように、意識して会話すると、ポジティブの比率が上がります。

質問を受けた際は、
「良い質問だね。それは教えておかなきゃいけないことだった。ありがとう。」
同僚が一つ作業を終えた時は、
「作業終わったんですか?結構集中して作業してましたね。集中力ありますね」

③初めに良い点を沢山言ってから指摘するということを自身に課す

自分の意見の中でも、特にネガティブな内容を伝えるには、一層の配慮が必要になります。

例えば、上司や部下の間違いを指摘しなければいけない時や、部下を叱らなければならない時などです。

そのような場合は、1つの方法として「先にありったけのポジティブな内容を言う(目指せ『8:2』)」があります。

もし指摘が多い場合、それを上回る良いところを用意してから指摘してください。

例えば以下のような指摘の方法が考えられます。

資料チェックの際の指摘
「おー!いいね。短い締め切りの中で、ポイントを正確に抑えようっていう意識が伝わってくる資料だね。あと語尾も揃っているから基本は大丈夫そうだね。強いて言えば、この結論の文章が長くて、読む人によっては伝わらないから、修正したいな。やってもらえるかな。」

このように、なかなか根気がいりますが、「先に良い点を言う」ということを、自身に義務付けるくらい意識するといいと思います。


2. 一人一人の「聴くスキル」

伝えるスキルの対局には、聴くスキルもあると考えます。「聴くスキル」が足りないとこんなことが起きてしまいます。

・なぜか自分に話す時だけ、話しかけづらそう
・何でも言ってと伝えているのに、報連相が遅い
・メンバーの不満が増していく


①最後まで正しい姿勢で聴く

会話の際は、以下の行為は禁止です!

・自分の作業をしながら聴く
・体がPCに向いており、相手に体と顔が向いていない(特に体を向けるのが重要)
・相手の話の途中で、自分が話し出す
・猫背や仰け反っていたりする

基本的に新入社員にされるとイラっとくる態度は、どの年代の人も避けるべきです。


②笑顔と明るいは正義

笑顔と明るいは正義です。

一番印象がいい顔は何だと思いますか?

私は口角を上げた顔かなと思っていましたが、自分と他人では見え方が違うようで、他人の顔では目が細くなって顔が崩れるほどの笑顔が一番好印象だったりします。

有名YouTuberも笑顔について解説していましたが、笑顔と明るさは正義だと考えます。

苦手な人は「笑顔 練習」でググるとやり方が出てくるので、やってみてください。(私も毎日練習しています!)


③聴き終わった後は、絶対肯定から入る

相手の話が聴き終わったら、「いいですね」「おっしゃる通りです」「この点については同じ考えです」「確かにお気持ちはよくわかります」というように、肯定から入ってください。これは絶対です。

「でも、」「いやー、」などはNGです。まして相手の会話中に「いやいや違うよ!」なんていうのは、NGです。それが許されるのは、相当な信頼関係あってのことなので、基本的にはやめた方がいいです。

相手の会話がぶっ飛び過ぎているときは、肯定から入るのは非常に難しいですが、それも聴くスキルだと自分に発破をかけて、「確かにそう考えるのも分かる。でも〜」というように相手の話を一旦キャッチする感じで会話できれば、風通しの良い関係を続けられると考えます。


3. リーダーが意識すること

組織されているチームにとって、一番重要なのはリーダーです。

「風通しの良い職場」にしていく上でリーダーが特に気をつけるべきことを3つ解説します。


①タブー解禁!一つ飛ばし相談を認める

これは通常のリーダーは嫌う行為ですが、あえてそれを勧めることで風通しを良くすることができます。

例えば以下のような組織だった場合

本部長 > 部長 > 課長 > 係長 > 平社員

平社員が係長を飛ばして課長(や部長)に相談したり、係長が課長を飛ばして部長(や本部長)に相談するなどです。

これは「報連相の混乱も招く」ことだと感じる方もいらっしゃると思います。しかし、そもそも「報連相の内容に隠し事や裏表がある」から混乱になってしまいます。「風通しの良い職場」には隠し事や裏表のある報告はないはずです。

そのため、最初はしんどいですが、あえて報告を偽装できないような仕組みをリーダー自らが作り出すことで、「風通しの良い職場」にしていくことが可能です。


②自分から声をかける

リーダーは自分から声をかけてください。以下のようなメリットがあります。

・そのそもリーダー⇔メンバー間の会話に慣れる
・メンバーに興味、好感があるということが暗に伝わる
・リーダーの余裕を感じるので、メンバーの「リーダーが忙し過ぎて話しかけづらい」がなくなる
・メンバーが溜め込んでいるネガティブな内容を聞けたりする


③でも自分の話は限りなく短く!!!!!

リーダーは仕事ができ全体が見えているからこそ、色々教えてあげたくなったり、過去の話を伝授したくなる生き物です。

②にあるように、リーダーが声をかける理由は、メンバーを気遣ってのことです。であるならば、メンバーの話を積極的に聴いて、自分の過去の話やアドバイスは1割くらいにして下さい。

これには理由があり、「リーダーの〇〇さんは話が長い」というイメージがついてしまうと、メンバーは気軽に話しかけづらくなります。

「話しかけづらい」は「風通しが悪い」です。

もしも、伝えたいことがたくさんある場合は、何度かに分けて言うようにすると良いです。話しかけるネタがあるのは良いことなので、また近いうちに話しかけると良いと思います。

リーダーは聞き手に回るようにしましょう。


最後に

風通しの良さを要素に分解すると、一人一人が意識する点が明確になった気がするので、様々な場所で実践していきたいと思います。

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。




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