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【勉強回】知ればもっと美味しくなる!漬け物の分類まとめ

こんにちは!「アマチュア漬け物研究家・漬けもナー」です。

漬け物は「食べて楽しむ」「見て楽しむ」
だけでなく
「知って楽しむ」という触れ合い方もできる。

今回は、漬け物研究の基礎として、漬け物の分類についてまとめてみよう。




漬け物は食卓の主役ではないのか?

漬け物と聞くとどんなイメージを思い浮かべるだろうか。

沢庵漬け、キュウリの浅漬け、野沢菜漬け……
このあたりがメジャーな漬け物だと言えるだろう。

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僕は居酒屋に入ると、まずメニューから漬け物を探すのが習慣になっている。
すると、だいたいどのお店もキュウリやナスの浅漬けを提供しており、一定の需要があることはわかる。

二十歳になりたての頃から、周囲がフライドポテトや唐揚げを頼むなか、僕は
「さっぱり系もいるでしょ?」
とさり気なく自分好みの漬け物を滑り込ませていた。

意外にも

「おっいいね!」

と喜んでくれる仲間もいるのだが、たいていは食卓の隅に追いやられ、
気づけば自分の目の前にほとんど残った状態で皿が戻ってくる…

話はそれたが、「漬け物と言えば野菜」というのが一般的に持たれているイメージだといえるだろう。

ところが、居酒屋の席で
「えー漬け物ぉ?渋い……」
と不満そうな友人が頼んでいた辛子明太子。

それも漬け物なのだ!

辛子明太子とは、スケトウダラの卵巣を唐辛子のピリッと利いた調味液に漬け込んだもの。つまり、これも立派な漬け物の一つなのである。

けれども

「それも漬け物だよ」

などと口を挟んだら、僕までテーブルの隅に追いやられそうなので余計なことは言わない。
少数派のつらいところだ。

いずれにせよ、このようにあまり得意ではない人でも、実はさまざまな形で日常的に触れているのが漬け物のすごいところである。

知れば知るほど奥が深い!漬け物の分類方法


ここでは、大きく分けて3つの分類方法をご紹介する。

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1.漬ける食材で分類する

漬け物になる食材は数知れず。今のような物流システムが整うまで、漬け物は優れた保存方法として発展してきた。長い歴史のなかでは、実にさまざまな食材が漬け物にされてきている。

・葉茎類
葉茎類は漬け物の王道ともいえる食材であり、さらに細かく「葉菜類」や「茎菜類」などの分け方がある。
「白菜漬け」や「野沢菜漬け」などが、食卓にあがる機会も多く、漬け物と言えば真っ先に思い浮かべる人も多いだろう。
ちなみに、「ザーサイ」や「ラッキョウ漬け」も葉茎類の漬け物の一種である。

・根菜類
こちらもメジャーな食材。大根やニンジン、カブなど歯ごたえの良い漬け物に仕上がるのが特徴。
ショウガやゴボウ、山イモのように味わいに癖のある野菜も多く、漬け汁との相性によって別格の仕上がりになる。

果菜類
ナスやキュウリなどの果菜類の漬け物は、しっかりとした果肉感のある食べごたえが魅力。食卓の主役になれるほどのポテンシャルを秘めている。

・海藻類
「めかぶの醤油漬け」などが代表格。昆布、のりなど食材そのものが豊かな味わいを持っており、日本酒に合うものが多い。海沿いの道の駅とかならいろんな種類に出会える。

・魚介類
国土を山脈に分断されている日本人にとって、魚介類の漬け物は、革命的な長期保存の技術だった。
「北陸のこんか(へしこ)漬け」や「京都の西京漬け」など、漬け床も米ぬかから味噌まで多種多様だ。

・肉類
肉類の漬け物も歴史的には保存食としての側面が強く、さまざまな地域で発展してきた。代表的なのは「牛肉の味噌漬け」だ。
漬けることによって保存期間が長くなるだけでなく、独特のまろやかさが生まれ、肉そのものも柔らかくなるのが発酵の魔力といえる。 

2.漬け方で分類する

漬け物はどんな漬け床や調味液を選ぶによっても、味わいに大きな変化が生まれる。代表的な漬け方について見ていこう。

・塩漬け
もっともシンプルかつポピュラーと言えるのが、この塩漬けだ。一説によれば、はるか昔の縄文時代後期から、すでに野菜の塩漬けが行われていたという。
「白菜漬け」や「野沢菜漬け」、「ラッキョウの塩漬け」など、純粋な野菜の味わいを楽しめるのが魅力である。

・醤油漬け
醤油も代表的な漬け方の一つだ。
塩漬けにはないコクのある味わいを持ち、素材によってはやや甘みも出る。
「しょうがの醤油漬け」や「しその実漬け」など変わり種も多い。

・ぬか漬け
米ぬかを用いてつける方法であり、白米が主食になるにつれ、江戸の後期頃から発展してきた歴史がある。
キュウリや大根、ニンジンなどの野菜だけでなく、肉や魚、卵といった食材も漬けられる。
個人的には乳酸菌発酵による酸味を思い切り感じられるくらいまで漬けるのが好み。

僕も以前はぬか床を育てていたが、自分のバンドの全国ツアーでダメにしてしまった苦い経験がある。 

・粕漬け
酒粕やみりん粕などに食材を漬ける方法で、古くは平安時代前期に書かれた「延喜式」(905~927年)のなかにも記述がある。
代表的なものは、何と言っても「奈良漬け」だ。
独特の甘さと鼻に抜ける香りはお茶うけにピッタリであり、さすがに全国区の知名度を誇るだけある。

・酢漬け
お酢には防腐効果があることから、塩と同様にさまざまな食材が漬けられてきた。
野菜であればタマネギや大根、ラッキョウなどがメジャーで、魚もイワシやアジといった傷みやすいものは酢漬けにされる。
「ピクルス」も酢漬けの代表格だ。
トマトやパプリカなどは彩り豊かで、意外に子ども受けもいい。


漬け方には、このほかにも「味噌漬け」や「麹漬け」、「からし漬け」などのさまざまな方法が存在している。

塩や味噌などを見ても、その土地ごとに味わいは異なるため、食材の種類とかけ合わせると膨大な可能性を見出すことができる。


3.乳酸菌発酵の有無

最後に、乳酸菌発酵について少し触れておきたい。漬け物には、大きく分けて「乳酸菌発酵による味付け」を狙った「発酵漬け物」と、「調味による味付け」を狙った「無発酵漬け物」がある。


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発酵漬け物

乳酸菌発酵によって味付けする漬け物と言えば、「キムチ」や「野沢菜漬け」、「白菜の塩漬け」などが挙げられる。
スーパーなどでキムチを買ったとき、寝かせる時間に応じて味わいが変化する図を目にしたこともあるはずだ。

これは、乳酸菌発酵によって大きく味わいが変化するためである。

乳酸により漬け物のpHが下がり、酸性に偏ることで腐敗菌の活動が抑えられるため、保存性も高まるのがすごいところだ。

無発酵漬け物

無発酵漬け物の代表格は「梅干し」である。漬けるときに使う塩や梅のクエン酸のなかでは、微生物が生育できずに死滅してしまうのだ。

その代わりに腐敗も起こりにくいため、抜群の保存性を持ち、ときには100年ものの秘宝が蔵から掘り出されることもある。

発酵の有無により、漬け物の分類はさらに無限大に広がるのだ。

まとめ

漬け物の分類を知ることは、漬け物の味わいを知ることにつながる。
そして、地域の歴史や暮らしへの好奇心を引き出すきっかけにもなる。

「知ること」と「食べること」は密接にかかわっており、両者は喜びを相乗させる関係性にあるのだ。

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