冬のスズメはふっくら膨れ上がってパンを待つ
ひと雨ごとに寒くなる。
この日は北風が強く、ガラス越しに見る鎮守の森の木々も大きく揺れていた。
この強い風を、スズメたちはどうしのいでいるのだろうと思いながら、暖房の効いたパン屋のイートインスペースで、朝昼兼用の食事を採った。
ガラス越しに見えるテラス席では男性が一人、こちらに背を向けて電話をしている。
と、その向こうの生垣の根元に、スズメが2羽、ふっくらふくれあがって並んでいるのが見えた。
電話の男性が、パン屑をこぼしやしないかと期待しているのだ。
男性の電話は続き、パ