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依存心

えらい目にあった
この半年で二度目の食あたりである
前回もそうであったが
先に身体がだるくなり
そのうちに猛烈な便意と吐き気が襲ってくる
それも
食べてから5〜6時間経過した頃に
やっくるものだから
吐き気はあっても吐くものは何もなく
それがまた辛いのである
私にしたら地獄の苦しみ
死ぬかと思うほどのしんどさなのだ

私は滅多に病気にならない
普段からあまり体調を崩さない
子供の頃からずっとそう
だからかどうかはわからないが
苦しみには滅法弱い
とにかく苦しみからいち早く逃れたい
その一心である

そんな私が苦しみのさなか
何を口走ったかというと
『お母さ〜〜ん!』である
55歳のいいおばちゃんが
『神様お願い』でもなく
『般若心経』でもなく
『お母さ〜〜ん!』と
弱々しく泣きそうになりながら
今は亡き母親にすがるのだ
ここに自分の生き方を見た気がしたのである

そう
きっと私はこれまでずっと
誰かに頼りながら生きてきたのだ
苦しくなったら誰かに泣きつく
実際に何をしてもらわなくても
自分はこんなに苦しいのだと
知ってもらうだけで充分なこともあった

そういえば
そんな私の性格のせいで
友達を失ったこともあったなぁ

その友達はとても責任感が強く
あまり人に頼るということはしないような感じだった
そんな彼女はよく
何かにつけ親や実家に頼る妹のことを
批判していた
私と付き合ううちに
妹の姿と私が重なることがあったんだと思う
そのうちに彼女は私から離れていった…

そんな出来事を思い出しながら
もう二度と死ぬ思いはしたくないと
気持ちを新たに
賞味期限の切れた和菓子は
決して食べないぞと
心に固く誓ったのである



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