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人は「変わりたくない」のではなく「変えられたくない」

佐野元春にSOMEDAYという名曲がある。こんな歌だ。

(以下引用)

窓辺にもたれ夢のひとつひとつを
消していくのは辛いけど
若すぎてなんだかわからなかったことが
リアルに感じてしまうこの頃さ

(引用ここまで | 以下にも「」で一箇所あり)
出展:SOMEDAY 作詞者:佐野元春

そうだ。これは、俺だって(私だって)いつか!という歌なのだ。いつかきっと。いつかやってやるんだ。

「若すぎてなんだかわからなかったこと」は、きっと夢が消えていく感覚なんだろう。若い頃は、夢が叶う感覚もわからなかったが、夢が消えていく感覚も同時にわからなかった。だから幸せだったし、辛いことがあっても絶望はしなかった。

でも今はそれをリアルに感じてしまう。それでも、いつか。いつかきっと。

佐野元春は夢が叶ってミュージシャンになったのに、なんでこんな歌を書いたのだろうか。夢破れた、あるいは夢破れつつつある友達を思って書いたのだろうか。だとしたら、素晴らしい想像力と共感力だ。

人はどうして、毎年新年の誓いを立てるのだろう。それを考えるたび、僕はいつもこう思う。みんな変わりたいんだ、と。今年こそ。今年こそ、変わるんだ。

夢が消えていく感覚をリアルに知ってしまっても、それでもいつかきっと、と思っている。成功者から見たらみすぼらしい感傷なのかもしれないが、僕はそれを結構美しいと思う。

何か新しいことを始めようとすると、抵抗勢力のような人たちが必ず出てくる。そんな時、僕らは、人は変わるのが嫌なのだと思う。

でもそれは多分違う。人は「変えられる」のが嫌なだけなのだ。みんなきっと「変わりたい」と思っている。僕はそれを信じたい。

おわり

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