人がリーダーに愛想を尽かすノックアウトファクター

しっかりしていて、温厚で、仕事を任せてくれ、責任はとってくれて、決断力があり、ビジョンがあり、いつでも相談でき、部下のキャリアのことを考えてくれる。

そんなリーダーがいれば誰でもついていく。それはみんなわかっている。でも、現実的にはそんな人は、ミュウツーくらいのレアキャラだ。いくつかの要素はお互い矛盾することもあるし、一点を研ぎ澄ますと他が犠牲になることもある。

ビジョンがある人は部下のアイデア受け入れない事が多いし、任せてくれる人は仕事にあまりこだわりがなかったりする。効率にこだわりすぎると、部下の人間的な側面が全て見えなくなったりする。

だから、ついていく側にも諦めがあるのだ。ミュウツーじゃないと嫌だ!とダダをこねていてはポケモンで遊べない。欠点があっても許容してくれる。人間だもの。みつを。

実際に、怒りっぽかったり、スケジュール管理が全然できなかったり、超マイクロマネージだったり、時に理不尽だったり、その全部だったりしても、人がついてくるリーダーというのはいる。結構いるし、なんだったらカリスマ社長的な人には多い。

ただ、それでも人がついていくリーダーには共通点がある。美的こそ少なかったり、偏りがあっても、これがないと一発でノックアウト、という「ノックアウトファクター」を持っていないのだ。

これは僕の好きなサウナでいえば、たとえば「清潔さ」のようなもの。外気浴ができるとか、水がいいとか、サウナの良し悪しを決める美的はかずあれど、そもそも清潔感がなければ一発ノックアウトアウトだ。

リーダーシップにおける美的が語られることは多いが、ノックアウトファクターはあまり語られない。僕が考えるリーダーのノックアウトファクターはこの3つだ。

・「おもしろい」か「かわいい」
・人との接触頻度が高い
・土壇場で裏切らなそう

まず、その人が「おもしろい」もしくわ、なんか「かわいい」感じでなくてはならない。この人ロクでもないけど、着いていったらなんか面白いことありそうだな、という感覚。あるいは少年少女のようなかわいげがあり、なんか助けたくなってしまう。このどちらかの要素はリーダーのノックアウトファクターだ。

次に人との物理的な接触頻度。時間をとってちゃんと人と会う、部下とも上司とも向き合って話す人には、多少キャラに難があってもそれなりに人が集まる。強烈なキャラでも接触頻度が高ければそのうち慣れる。単純接触効果というのがあり、毎日会っているとそれだけでその人に対する好意度はあがるそうだ。人に会う、人と向き合わないリーダーはその時点でノックアウト。

この人土壇場で裏切りそう、というのも一発退場もの。それは上席との会議での些細な一言に滲み出たりする。「それ俺も指摘してたんですよ」なんて社長のツッコミに便乗しようものなら、その後二度と部下はその人を信用しないだろう。

誰にでも欠点はある。人間だもの。リーダーシップ論は美点ばかり語られがちだけど、それを全部身につけようとすると無理がたたる。であればまずはノックアウトファクターに気をつけて、あとは自分らしくやっていけばいいんじゃないかな、と思います。

おわり

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