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普通の一日

朝食はヨーグルト。

三男のヨーグルトの上に乗った冷凍のブルーベリーが美味しそうで一つもらって乗せた。


いつものようにギリギリの時間に玄関を出て幼稚園のバスまで。

途中、仲良しの洋裁店の明かりが付いていたので、抱っこしていた三男が洋裁店の旦那さんを呼んでみるが応答はなし。

バスは、まだ来てない。良かった。

すぐにバス停に幼稚園バスが来て見送る。

風は少し涼しい。

家に戻る。


数日前から抱える職場の問題の対策を考えてメモに起こす。

すぐに同僚にメールしようと思うが、

その前に、洋裁店の旦那に相談しようと思いつく。

そういえば長男も家庭科で使う布切れが欲しいと言っていた。

ついでに相談しよう。


9時過ぎに電話。

アドバイスをくださいと。

10時に約束。

それまでに会社の問題に関する資料をまとめる。

結局メールは同僚に送ってしまった。

覚悟を決めるだけなのだ。

背中を押してもらうつもりでもう自分で押していた。


十時。

洋裁店の旦那に貰ったピンクのシャツとジーンズの半ズボン、麦わら帽子を被り、手土産に防腐剤不使用のレモン一つと米を炊くときに入れる五穀米のバックを三つ袋に入れて再び玄関を出る。

途中、駐車場にいたハンドバック店の旦那に軽く頭を下げながら、自販機でお茶とコーヒーを買う。

洋裁店の旦那に公園で会う。

旦那はお茶を選んだ。

会社の問題と、長男の布切れについて相談する。

三十分ほどして、旦那の携帯が鳴り、私も仕事だからと別れ家に戻る。


天気が良いので屋上で仕事をしようかと考えてやめた。

数日前から東京の会社で発生しているネットのトラブルの調査をはじめる。


十一時半ごろ洋裁店の旦那から電話。

昼を公園で一緒にと。

すぐに公園へ向かう。


エビチリ、黒酢酢豚、八宝菜。

最近見つけた中華で買ったと。

それと菊水。

全て美味い。

菊水はキンキンに冷えて夏のフルーツの味がした。

夏の空の下、公園のベンチは木陰で涼しい。


1時間ほどで解散。夕方に長男の布切れをもらいに行く約束をして。


東京のネットの問題は、そうだ私はネットワークエンジニアの資格があるのだと思い出し、障害の切り分けに走る。

何点か解決する。


十五時。長男帰る。

十六時に洋裁店へ布をもらいに行こうと約束。


十六時。

職場に頼まれていた古いレンジをついでに運ぶ予定で自転車の荷台へ積んで洋裁店へ。

洋裁店の旦那とすれ違い、ちょっとジュースを買ってくるから待っててくれと。

公園は涼しい。


しばらくすると旦那が戻ってきたので、長男と洋裁店へ。

店の中も涼しい。

いくつか布を紹介されて、何を作る?カード入れを作る、と、白い布を選ぶとその場で制作がはじまる。

長男はミシンを踏んだ。

途中一緒に遊んでいた子供らも洋裁店へ。

友達の一人はおしゃべりで、週一でピアノを習っているという。

亡くなったお母さんが習わせたかったのだと。


そうこうしているうちにカード入れが完成した。

カッコよい。

布が欲しかっただけなのだが…と、思ったが、作り方の見本を見せてくれたのだと解釈した。


店をでる。

荷台のレンジは無事だ。

しばらく自転車は押して歩いたが安定しているので、乗りだした。

人通りはまだ少ない。

仕事場へ着くと事務のおばちゃんが迎えてくれた。

すごく喜んでくれた。

レンジを入れ替えた。

今のボスと会社の問題について話す。

やはり覚悟を決めた人が欲しいだけなのだ。


会社をでると、若い子達に私服を褒められた。

洋裁店の旦那に報告せねばと思った。


家のそばの橋を渡り始めるといつもの豆腐の移動販売の音が聞こえた。

公園で遊ぶ子供らを横目に橋をくだりながら豆腐屋の店長に、今日は豆腐は大丈夫と車の窓越しに伝えた。


家に戻り夕食の準備。

味噌汁と麻婆茄子とバラ肉の塩焼き。

つまみは冷奴。粗めの生姜の細切りを添えて。

残った生姜は冷凍保存に回した。


長男と食べ始めようと思ったところで奥さんと次男三男が帰宅。

慌てて人数分の味噌汁を用意。

これまでの今日を奥さんに話す。

人情ドラマのような普通の一日だったと。


長男の布切れを買う約束を思い出し、夕食後百円ショップへ自転車で向かう。

次男も行きたいと言うので自転車の後ろに乗せて。

夏の夕暮れ。

遠くに夕焼け。期待したほどではないが、なかなかの夕暮れだ。

カメラで何枚か写真を撮る。


現地で布を選ぶ。

長男はなかなかセンスがいい。ポケモンカード入れなのでモンスターボールの配色で選んでいる。

炭酸を二本買い、長男と次男は帰りに飲むジュースを選んだ。

それに明日は水曜日なのでブリを買った。

明日は実家に行く予定なので、早く帰れば私がテリヤキに、遅ければ奥さんに塩焼きで良いと伝えるつもり。


帰りはすっかり暗い。

道路を横断したが長男が少し危なかった。

秦基博のアイを口ずさむ。

流れで胸ポケットのスマホでSoundCloudの夏用のプレイリスト流すが、あまり夕暮れ時には合わなかった。


帰ってお風呂。

奥さんがかき氷。

長男が宿題を始めると、任天堂Switchの抽選があるのを思い出し、スマホで確認。

抽選結果のボタンを長男に押させると、なんと、あたり。

皆、大喜び。


寝しなに、家族の香水の合唱が聴こえる。


昨日、三男と豆腐屋でふ菓子を買ってやると約束した事を今思い出した。


普通の一日。

令和2年8月25日 父の一周忌2日前の出来事







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