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『ヤクザときどきピアノ』を読んでみた YOU CAN DANCE!

たまたまFacebookで「ヤクザときどきピアノ」を読んでの投稿を見かけ興味を持った。
ジャズピアニストとして活躍されてる西山瞳さんが熱く語られてる。

ご縁あって、数年前、ジャズピアノを習いに行ってた大好きな先生。それは読まねば。


本を手にする

普段は、ネットで本を買うか、電子書籍を利用することが多い私ですが、
早く読んでみたくて、本屋へ走りました。
ただ、1軒目で在庫がなく、ますます変なスイッチが入り、本屋を梯子することに。
ネット注文しておけば、、明日には届いたのに。

本を手に入れるのに、こんなに苦労するなんて。まさかの誤算。
やっとの思いで手に入れた本に、丁寧にカバーをかけてもらう。家まで待てなくて、隣のスタバで少し読んでみる。

普段はヤクザの取材をされてる方。
物騒な表現が多々出てくるものの、ピアノの響きを聴いただけで、感動する心が美しい。
どれほど、長くピアノに恋い焦がれていたのかが伝わってくる。

そういえば、私がバンドデビューしたのも、45歳。
生まれて初めてのバンド演奏の前は、
人生でこれほど練習したことがない!ってほど、練習したっけ。

スタートはいつからでも

「何かを始めるなら、今が最後のチャンス」と急に焦りを感じる時が何度かある。

仕事や結婚、出産で忙しかった時はそんなこと考えもしなかったけど、35歳の時はじめて痛切に感じ、焦った。
ジタバタしてみたものの、特に何ができたわけでもなく、誕生日を迎えたからといって、翌日から世界がガラリと変わるわけでもない。

40を迎える前も、ジタバタした。
当時の私は、80や90まで生きることはあっても、人生半分過ぎれば何もできないつまらない人生が来ると思い込んでいたらしい。

実際には、焦りやジタバタを繰り返しながらも、歳を重ねた分、ちゃんとその時その時の私の夢や目標があって、ワクワク楽しんでいる。

確かに、将棋のプロを目指すとか、フィギュアスケートでオリンピック出たい!とかは、年齢的にいっても100%無理だし、ものによっては命に関わる話だけど、
大抵のことは、形は色々あれど、いつからでも近づくことはできると思う。

特に音楽の世界は、楽しみ方も多く、間口も広い。60代からの管楽器教室が流行るのもわかる気がします。

この本の作者がただただ「ダンシング・クイーン」を弾きたい!との思いだけで、
練習する姿がとても尊い。


ピアノは、家でたくさんの日々の練習が必要なお稽古。
私は基礎練が嫌いで、よくサボって怒られてた。小学生のころは、好きで始めたはずのピアノが苦痛で、練習も、お稽古に行くのももはや義務でしかなかった。
中学でクラブに入り、時間がないことを理由にピアノをやめた時は、久々の開放感が嬉しくてしかたなかった。
練習が嫌で、ピアノも好きでなくなり…むしろ嫌いになりお稽古を辞めた。

ピアノを辞めて、入ったクラブは吹奏楽部。ブラック部活の1、2を争うほど、休みがない。お盆と正月の年間1週間以外は全て練習。朝練から始まり、夕方遅くまで。
それなのに、全く練習は苦ではなかったし、むしろ楽しくて仕方なかった。同じような基礎練や、できないところをひたすら練習することは同じなのに、本当に不思議。

Reborn

ピアノが嫌いだった私。
それでも、今よりピアノ人口が少なかった時代でもあり、合唱コンクールなどでは中高6年間いつも伴奏させていただいてた。
本当に仕方なく。本当はみんなと歌いたかったくらい。
因みに今の時代、合唱コンクールの伴奏者選びは、オーディションがあるのだとか。
ピアノの先生をしてる友人たちも、この時は発表会やコンクール並みに気を使うらしい。お互い牽制しあったり、血を(?)見かねない争いがあるのだとか。

高3で進路が決まり、必要に駆られ、
またピアノを始めた。
新しい楽しみかたを教えてくれた先生との出会いによって、ピアノに対しての感覚が大きくかわった。
日々の忙しさも更に増え、練習はそれほど出来なかったけれど、レッスンに通うのがたまらなく楽しくなった。

発表会で途中ど忘れし、舞台上で固まるという失態をやらかしたこともあったけど、それすらも笑い話になるくらい。結婚して引っ越すまで7年間、ピアノの面白さを心から楽しんだ。

その後は、時々好きな曲を弾くことはあっても、私のなかでは、ピアノは老後の楽しみだと思ってた。

結婚、出産、子育てで忙しかった日々が落ち着いたころ、音楽イベントに誘われて、
初めてバンドに参加し、ライブ活動を始めた。
クラシックピアノではちょっとは弾けると思っていたのが、コードって何?楽譜がないと何弾いていいかわからない。アドリブが怖い!
ジャンルが違うと手も足も出ない、自分の引き出しのなさに愕然。10年以上ピアノを習ってきたのに、ポピュラーやジャズピアノでは、初心者も同然の現実に打ちのめされた。
縋るように、またレッスンに通い出した。
今度の先生は、レッスンのテキストもなく、その時、私がやりたい曲や、困ってるポイントを伝えながら、先生と一緒に作っていく。今の私の痒いところに手の届くレッスン。また、ピアノの可能性と面白さに毎回気付かされていく。

何か新しいことを始めるのは怖いよ。
ワクワクと同時に、大きな壁を目の前にして、萎縮したり、自分には越えられないとへたり込んだり、背中を向けたくなることもある。
でも、「好き」って気持ちと、「やってみたい」との勇気は想像もしない越え方を見つけ出す。
あなたならどうする?
棒を使って飛び越す?空を飛んで一気に?それとも、何年もかけて穴を掘る?壁に自分が通れるトンネルを作る?
はたまた、壁ごと壊しちゃう?誰かにサポートしてもらう……

数えきれないほどの、努力や試行錯誤プラス、年齢や、人の目や、忙しさを言い訳にせず、自分の心に素直に従った時、周りはあなたを応援したくなる。
本当にやりたいなら、カッコつけたり、最もらしい言い訳や、ウンチクたれる暇はない!
最初は「できません」「わかりません」ばかりで、理想の自分には程遠く、泣きたくなるほど無様かもしれない。でもみんなそうだよ。
自分のちっちゃなプライドへし折って、
素直にどんどんアドバイスを聞いたり、教えて貰えばいい。その熱にみんな応援したくなる。
世界は、あなたが思う以上に、もっともっと優しいから。


そんなとりとめのないこと、
この本を読みながら、ぼんやりと考えていた。





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