9/22 大人のピアノレッスン14回目
前回からまた少し期間が空き、久しぶりのレッスンだった。
だからかすごく緊張して、ミスも多かったし、「曲のことを想って弾く」ということをすっか忘れていた。
やっている曲も結構難しくなってきて、「次は何度下がって、次は何度上がって」というようなことを考えながらじゃないと弾けないというのもある。
でもその「何度上がり下がりをしている」というのも弾きながらだとよく分からなくなって、一つ隣の音を弾いてしまったりすることも多い。
先生に「次はラとかシとか考えながら弾いていますか?」と聞かれ、「音の名前を考えている余裕はないです。ただ、今の音から下がっているか上がっているかということしか考えていません」と答えた。
すると、「それでいいんです。弾いている時にこれはラだとか、これはシだとか、音の名前を考えていると良くない」と先生は言う。
しかし、上がり下がりを考えていても、それが何度なのかを瞬時に判断できなければ、結局はダメなわけで。
まぁ、練習が足りないのだろう。
「でももっと大事なことは」と、先生は続ける。
「自分の音をよく聴くことと、この曲がどういう曲なのかを考えて弾くこと。例えばこれはモーツァルトの有名な曲だから、モーツァルトらしいな、とか」
待って。
今やってる曲は有名な曲なのか?
聴いたことなかったんですが。
あと、モーツァルトらしさって何?
そういうの知ってないとピアノ習ってはダメだった?
私はそもそものスタート地点にすら立ててないのか?
「自分の音は自分から聴かないと聴こえないです。家で録音してみるといいですよ。きっとガッカリしますから」
…ガッカリ?
私、そんなにダメだったか。
何がダメって、家で自分の演奏を録音して聴いてもきっと私はガッカリしないんだよね。それってつまり、ダメなものをダメとすら気付けないってことでしょ。
ダメだよね。それじゃ。
「でも私には、どんな演奏が正解なのか分からないです」と私が言うと、先生は「正解はないんですよ」と答える。
いや、あるでしょ。正解は。
だって不正解はあるんだから。
正解は「ない」んじゃなくて、「たくさんある」ってことなんじゃないの。
少なくとも先生的「正解」は確実にあるよね。
確かにミスはしたよ。
でも先生が言ってるのはそういうことじゃなかった。
「ミスしたからガッカリするような演奏だった」わけではなくて、「ガッカリするような解釈だった」って意味だった。
自分でも単調に弾いていたと思う。
緊張してたし、音の上がり下がりを意識しているだけで曲のことを想うということはしていなかった。
でもさ、そもそも知らないよ、モーツァルトのことなんて。
最近少しずつクラシックに触れるようにはなってきたけれど、正直今まではあまり興味もなかったしね。
ちなみに調べたら、「モーツァルトのソナタ イ長調 K.331」という曲の最初の部分だったみたいです。
私が知らなかっただけで、「誰もが知る名曲」なのかもしれないけど。
その次にやった曲が、「Half-Time Band」って曲だったんだけど、これはどこかの国でフットボールのハーフタイムに演奏された曲らしくて、だから楽しい曲で…って、知らんがな。
曲名だけでその情報に行き着くのは無理ってもんよ。
説明書きがあるわけじゃないしさ。テキストはオール英語だから視覚的苦手意識も強い。
なんだろ、なんかそもそもの立ち位置の違いというか、先生との圧倒的な距離を感じる。
確かに私は先生に「クラシックのことはほとんど知らないです」と伝えてはいない。
でも「ピアノの基礎を学びたいです」とは伝えてあるんだから、ピアノの基礎を学ぶことにクラシックの知識が必要なら、まずはそこから教えてくれても良くない?
というか、「Half-Time Band」はクラシックじゃないし。
「テキストの曲どんどん先の方までやっていいですよ」じゃなくて、まず「これはこういう曲で」って説明してから取り組ませた方がいいんでは?
それとも自分で調べろと?
なら、そう説明すべきでは?
「曲のことを調べて、作曲者のことも調べてから弾いてください」って。
そもそも今使ってるテキストって、著者のオリジナル曲だってたくさんあるわけで。
私からすればモーツァルトもテキストの著者も一緒なのよ。
どっちのことも知らないんだから。
モーツァルトの曲だからモーツァルトらしさとか、その曲がどういう曲なのか考えて弾くっていうのはさ、別にモーツァルトだからそうしなきゃいけないってわけじゃないでしょ。
曲って全部誰かが「何か」の意図をもって作ったものじゃん。
その「何か」を読み取れなかったら不正解ってのはいささか横暴なのでは。
別に先生がそう言っていたわけじゃないけど、今の私にはそう思えちゃうんだよね。
不貞腐れてるだけとも言う(笑)
落ち込んでいるわけじゃないし、ピアノが嫌いになったわけでもないよ。
ただ、ピアノって気軽なものじゃないんだなって、少し残念な気持ちにはなったかな。
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