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よりかかるもののない時代にしっかりと立つ

久保さん、皆さん、こんにちは。
南波です。

宮沢さんが亡くなられてからあっという間にひと月が経ってしまいました。
まあ10月、というか、2学期というのがそもそも、忙しい時期ではありますが。
ぼんやりと、宮沢さんのことをあれこれ思い返していたら葉っぱが色づいてきました。
この調子のまま、冬になったらなったで「今日は宮沢さんのお誕生日だな」と思ったり、春になったらなったで「お花見楽しかったな」と思ったり、するんでしょうね。ずうっとね。

9日の日曜日は、NHKラジオで宮沢さんの追悼番組がありました。「らじるセレクト」という番組で、毎週月曜日の朝、宮沢さんが出演していらした「すっぴん!」の中から、しみじみと面白い場面を再構成して放送してくださいました(16日の夕方まで聴き逃し配信で聴くことができるようです)。
すぐそこで元気な宮沢さんがしゃべってくれているようで、聞きながらとても楽しい時間を過ごしたのですが、最後にやはり「9月12日に亡くなられた…」としめくくりがあり、そこで「ああ、そうだった」と現実に引き戻されて、またなんとも言えない気持ちになりました。

久保さんと共演した『トーキョー・ボディ』は、確かにオーディンションから大変なエネルギーに満ちた場でしたね。人数も多かったし期間も長かったし…。私は若かったので色んなことが初めてで、オーディションであんなに色んな人を見たというだけで、実はちょっと辛かったです。
1次オーディンションは宮沢さんがその時気になっていたキーワードや写真が載ったプリントを渡されて、そこからいくつか選んでひとり1分間の発表をする、というものでした。それが、あまりに色んな方が色んな表現をするものだから、見ていて暗い気持ちになってしまった。「明日は来るのやめようかな」と結構本気で思っていました。
でも自分の発表のことを宮沢さんに褒めてもらえて、結果的には、その発表から繋がっての「詩人」という役をいただくことになり、あの時途中でやめないでよかったなと本当に思います。

私があの1次の発表の時に選んだキーワードは、「戦争」と「生と死」と、「よりかかるもののない時代にしっかりと立つ」でした。この、「よりかかるもののない時代にしっかりと立つ」という言葉を、折に触れ、宮沢さんの声とともに思い出します。
自分という存在はなんとなく発生したのではなく、色々な奇跡(決して美しいものばかりではない)が重なって、この世に生まれてくることができたのだということをかみしめる時、そして生き続ける意味のようなものを考える時、そばで静かに寄り添ってくれる言葉です。

あの時は3次まで、色濃く激しいオーディションで本当にへとへとになりましたけど、もう今の私はおばちゃんになってだいぶ心臓に毛が生えていますから、あの世でのオーディションは楽しんで参加できると思います。もう受かっても受からなくてもいい(受かったら嬉しいけど)。でもあの世ですから、こちらにはいないような、もっと強烈な個性の方たちがいっぱいいたりして。人じゃない人たちも来たりね。どうしよう。一緒に頑張りましょうね、久保さん。

普段は、できるだけ過去のことにしがみつかないようにと思って生きていますが、こういう思い出は、やっぱり宝ですね。まだまだ、自分の中で生かし続けたいと思います。

さて、虫の声も雲の形も美しいこの季節、皆さんいかがお過ごしですか。

我が家は息子が今、部活(器楽部でチェロを弾いています)の演奏会の練習と、学校の秋祭りの出店準備でてんやわんやしています。毎朝7時に家を出て、夜7時ごろに帰ってきます。
それでも木曜日は彼が夕飯担当なので、昨日は息子が夕飯を作ってくれました。
「パパの真似して今日は『いけない系』を作る」と言って、まずはベーコンとチーズとじゃこの炒めものを(もちろん油ギトギト)。そして「胡椒もがっつりと」と言いながらガリガリ胡椒を入れたウインナー入りのスープ。メインはさんまの塩焼き。私はたっぷりの大根おろしとともにいただきました。美味しかったです。

最後に季節外れな話題をひとつ。
朝顔が目覚める時間が判明しました。
前に、「朝顔は何時ごろ花開くのか」ということを書きましたけれど、あのあと、奇跡的に4時半に目覚めた日があったのです。まだ外は真っ暗で、でも目を凝らしてベランダを見たら、なんともう新しい花が全開に咲いていました。
そして翌日、またまた奇跡的に3時半に目覚めましたので、ベランダを見たら、細長いつぼみの先がちょっぴりふくらんでいるように見えました。で、そのままじっとみていたら、そのふくらみが、だんだん大きくなって、30分後(4時)にはかわいい星形に。ああ、これがさらに30分経つと全開になるのね、と推測したところで眠気に耐えられなくなり、また布団に入りました。
ですので皆さん、朝顔はだいたい3時半から4時半の間に開くようですよ。お日様の光とか全然関係なく、真っ暗なうちに目覚めるのですね。不思議ね。

こちらもミラクル。いつもベランダの植木たちには肥料の代わりに野菜クズを置いているのですが、ずいぶん前に置いた固すぎるツルムラサキの茎がなんと根付いて、新しい葉っぱが出てきました。

こちらは勝手に出てきたジャガイモ。こんなに育つほど芽のまわりを無駄に捨ててないと思うんですけど…。
何が出てくるかわからない我が家のベランダガーデンです。

皆さま良い週末を、そして楽しい秋をお過ごしくださいね。

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