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医療人という言葉が嫌いな話

以前Twitterで「それは医療人としていかがなものか」てきな指摘を受けたことがあります。その時僕はまたこの言葉か…と思い、その方のプロフィールを見ました。

その方は看護師の学生さんっぽかったです。

Twitterでしかも見知らぬ相手だったので、私が何か言うのも憚るなと思いスーッと流したと思う。たぶん、正直よく覚えてない(笑)

僕はこの「医療人として」という言葉が嫌いです。言葉の本当の意味は嫌いではないのですが、この言葉には「こちらが患者様に与えている感」が付属している気がしてます。そしてその感じがナメていると思います。鍼灸師の人達がたまに使う治療家とかも同じ類だと思っています。

前に友人がこの言葉を使ったことがあります。その時僕はちょっと怒って指摘をした気がします。僕が怒ることはほぼ無いので、その友人はきっと覚えていると思います。その友人は新卒のまだ社会に出る前の医療従事者でした。友人だから「その言葉はよくない」と指摘した記憶があります。

以前の職場でも新卒の、まだ患者様と接する前の方がこの言葉を使っていたので「それは違うよ」と少し怒った記憶があります。


私たちの仕事の目的を端的に言えば「人の身体を治すこと」です。

この「人の身体を治すこと」を紙や映像で見ていると、あたかも僕たちから患者様に何かを与えているような錯覚をします。

実際に患者様に接している人は、「私は医療人ですので…」って使わないと思います…たぶん、というか私は見たことありません。

みんな、実際に患者様と真剣に接すると痛感するのでしょう…

与えてもらってるのこっちやん(´・ω・)

って。

初めは人のためになろうと…みんなに与えようと…そう思い勉強し始めたこの仕事。その与えたい思いはとても良いと思います!でも現実は違いました。患者様は人間です。私たちの知らない事をたくさん知り、そしてたくさんの経験をして、たくさん傷ついて、人生という名のジャングルで多くの戦いを経験してきた人です。

そんな人生のランボーのような人が、たまたまケガをして、たまたま自分のところに現れたのです。

患者様といえどランボーです。人生ジャングルでの戦い方など、教わることばかりです。そして散々教えてもらった挙句の果てに

ありがとうございましたo(TヘTo) クゥ

って私の元を去っていく…

いやいやいやいやいやいや、え??

ちょっと想像して欲しい。

いきなり自分の前にランボーが現れて「この前ジャングルでプレデターに遭遇してさーこうやってこうやって」と自分の素晴らしい経験を話してくださる。その話を聞いてこちらは「なるほどね~ためになる(*´Д`)自分がプレデターに遭遇したら…云々」って思う。

そしてランボーが帰り際に「話を聞いてくれてありがとう、はいお金」

!?

衝撃の結末じゃない??

ありがとうは完全にこっちです。

ありがとうって言われて僕、ちょっと元気になってる(´・ω・)
しかもプレデターの話めっちゃためになる(´・ω・)

与えてもらってるo(TヘTo) クゥ

患者様から与えられすぎているので、こりゃいかんなと、何とか傷くらいは治させてくださいと手当させていただくわけです。

完全に与えまくってやるぜ!と思っていた初めの頃のイメージは粉々に砕け散ります。自分たちは患者様に何が与えれるの?

モヤモヤモヤ…はぁ…まぁ今日も頑張ろう٩( ''ω'' )وパキーン

という風になります←私ですが。

自分たちが患者様に与えまくるなんて出来ないんですね。相手はランボーですから。だから患者様をナメるんじゃないと思うわけです。

どんな状況でも人間は対等かなと思います。

自分だけが与えるなんて、おごりか怠慢です。

まぁたまにはおごりも怠慢も出てきてしまうでしょう。

そんな時はきっと周りの人間がサインを送ってくれてます。
おごってるよって…

だから、周りを信じて素直に耳を傾ける準備はしておきたいものです。

自戒をこめて。

おしまい。

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