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physisのはじまり

少しだけお店をはじめるまでのストーリーをお話させてください。

18歳の頃に大好きなお店ができて

19歳から働き始めました。

そこで取り扱うものにはデザイナーの想いやストリーがある。10人いたら10人好きなお店ではないけどここでしか出会えないものに出会えるし誰かの特別になる。そんなお店。

そこで9年間ほど働いていました。

そこはビルの中に入った空の見えないお店で

時計を見ないと今が何時かわからない

今日が雨かも晴れかもわからない

そんな毎日でも、大好きな服やアクセサリーに囲まれて毎日新しい出会いがあってとても幸せでした。

ファッションのスピードはとても早くて、

家に帰ってコレクションの動画や雑誌をひたすらみる。

デザイナーの生き方や新しいアプローチを知る。

これも全部刺激的な自分の時間で半シーズン先を考えてる毎日。

最初は誰かの何気ない気持ちの変化や

今の社会と自分の向き合い方…

そんなパーソナルなものから始まったはずの服のデザインもいつかはトレンドという大きな波に乗って大量生産されて消費されていく。

トレンドは刹那的に過ぎてしまうけど

そのものやそれを持った人の生活はこれからも続いてゆく…

そのスピードのギャップみたいなものとの葛藤がありました。

朝から夜までお店にいて

朝の15分か夜しか外を歩くことがなくて

ある日ふと、久しぶりに夕日を見ると

とても綺麗で、自然の美しさに圧倒されました。

こんな綺麗な風景をいつも見逃していたと思うと、はっとして。

お店の中だけではなくて

もっと広い世界から服を考えることで

見える世界が全然違うし

自分が思う綺麗と思うものの価値観が更新されていく。

服だって生活の一部だと思うと

私達が考えるのは服だけではなく

生活全体のこと。

装うことはどう生きるか?ということで

そのどう生きるかは

全てのものに共通している。

着る人自身や私たちにたくさんの感動を与えてくれる地球も一緒に呼吸をできるような服を。

そんな想いが強くなっていきました。

自分がすきだと思うものって自分本位だけど、ただそういうすきという気持ちはとても大切なものなんじゃないかと思います。

そして出会う方のすきなものを知って、

そうやってみんなの輪が広がってすきを増やしていけたら幸せだなと。

ネットでなんでも検索をかけたら自分の好きなものを知ることができて

手に入れることができる世の中だからこそ、

お店のその場所にある

出会いの偶然性みたいなものに

価値があるんじゃないかと思いました。

physisでは国や年代を問わず、一つのジャンルにカテゴライズされないようなセレクトにしています。

お店ができたから達成ではないし、

自分のお店なんだけど

自分だけのお店ではなくて、

これから、いろんな方と一緒につくっていける場所になると幸せです。

永く永く 続く場所になりますように。

よろしくお願いします。

愛理


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