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#12【トレーナー・セラピスト向け】脳振盪からの回復 -Recovery from Concussion-
今日は、「脳振盪からの回復」について書こうと思います。その前に...少しだけ私のことも今回書かせていただきます。
1. 私の事と脳振盪
少しお伝えするのが遅れましたが、私はカナダで2005~2017年までの11年間過ごしました。その中で日本ではしなかったいろんな経験、体験をしました。中でも「アイスホッケー」というスポーツは大きな存在でした。なんせカナダの国技ですから。その国技であるアイスホッケーに携わる機会が多く、その中で脳振盪の選手・患者さんを多くみてきました。
世の中には、脳振盪の研究も多くなされています。さらに、最近「脳の研究」が飛躍的に多くなされていることから、脳振盪に関しても多くの見解が出てきています。
常に最新の情報をチェックできているわけではないですが、私はそこに「経験」というものを加えてnoteでお伝えしていきたいと思っています。
読む・聞くだけより見る。見るだけより、体験する。その大切さを感じて生きてきましたが、脳振盪に関してもそのように思うことは多々ありました。もちろん、自分だけの狭い知識で固定観念を持つことはいけませんが、研究の結果と実際に現場で起こっていることにはたまに差を感じることがあります。
私は現在研究者ではないため、自分自身が実際に経験したことを通じて感じたこともここでシェアしていければ、と思います。
2. 通常の回復期間
では、本題に。「脳振盪ってどのくらいで回復するの?」と疑問に思う方も多いと思います。特に実際に現場でリハビリ等に関わっていない場合はなおさらイメージしにくいですよね。
今回、目安となる回復にかかる時間をお伝えします。研究ベースで行われたものを基に、だいたいの人がだいたいこれくらいで回復しますよ、という指標です。
多くのガイドラインでも書かれていることを目にしますが、脳振盪からの回復にかかる日数は、ほとんどの人(80-90%)で7-10日と言われています。ただし、この数字は「初めての脳振盪」に限ります。脳振盪が2回目である場合は、単純にこの日数に当てはまらないケースの方が多いので、「初めての」という点を確認しておいてください。
この日数の指標となる文献は以下になります。脳振盪について多くの研究を行っているMichaelさんの文献です。
3. 未成年またはそれより若い選手
では、ここで追加の情報を。ほとんど(80-90%)の人が7-10日で回復、ということですが、この日数は選手・患者さんが「成人」の場合です。未成年の若者・小児では回復にかかる日数がまた違ってきます。それが示されているのが、この文献です。Jennifer M. Medinaさんです。
ここでは、高校生を対象に行われた研究を基に回復の目安となる日数を提示しています。高校生のような未成年の場合、「3週間」が回復の1つの目安となっています。
成人より、長くかかるイメージです。長くはかかりますが、脳振盪後の「自覚症状」「認知的な問題」「前庭系の問題」「動眼運動の問題」等の項目は3週間でなくなる、というのがこの研究の結果です。
実際に脳振盪の選手・患者さんを診る機会のない方には漠然とした情報になってしまいますが、今日お伝えした日数が脳振盪からの回復にかかる目安です。
本日は「脳振盪からの回復」についてお話しました。もし、これらの日数が経っても症状が消えない、問題が残っている場合、改めて医療機関を受診するなり、専門家に再度評価してもらうなりして原因を確認し、リハビリテーションが正しい方向で進んでいるかを確かめることが大切になってくるので、その点も頭に入れながら選手・患者さんの回復具合をみていってもらえればな、と思います。
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