見出し画像

自主トレ継続に必要な最強ファシリテーションスキル

こんにちは。在宅専門鍼灸師のてっちゃんです。

新人鍼灸師や鍼灸学生に向けて在宅の臨床現場で必要な情報をわかりやすく発信しています。

今回は、鍼灸師さんから「患者さんが自主トレやセルフケアを指導しているのに全然やってくれないんですよ」という相談を受けたので、自主トレを継続してもらうためのコツをお話したいと思います。

みなさんは日頃の臨床場面において、セルフケアを指導した通りにやってもらえないことに対して「患者さんのせい」にしていないでしょうか。

この考えって、少し厳しい言い方をすると「それはあなたに問題があるんですよ」と言うことです。
どうしても難しいケースは確かに存在しますが、患者さんの問題としている限りは良い方向には決して進むことはありません。

昔先輩から、
「自主トレしてくれないのを患者さんのせいにすることって、自分自身のことを『私には患者さんに自主トレしてもらうための能力がありません』と言っているのと同じだよ」
と言われたことはかなりショックなエピソードでした。

「自分に問題があるかもしれない」

この視点をもつことが前に進むための第1歩です!

ここからは具体的な解決策を解説していきます。

1.出来ない課題を見つけるよりも出来ていることを讃えよう

出来ない課題ばかりを課せていると、患者さんにとっては常に嫌な刺激ばかりが与え続けられている状態となってしまいます。

このようなことを繰り返しされていたら、ボクたちでもイライラしてしまってやめたくなってしまいますよね。

こうすると、「運動が上手くできない」ことによる負の感情だけでなく、その場全体やもろもろその場に含まれているもろもろが負の感情へと変換されてしまいます。

2.称賛は具体的に行おう

ひと昔前では「叱って伸ばす」ことが当たり前でしたが、現在では「褒めて伸ばそう!」といった考え方が主流となりつつあります。

では、闇雲に褒めれば良いのでしょうか?

「良く出来ましたね!」
「バッチリです!」

こういった声かけって、自分がよくできたと感じる時に褒められると嬉しいですが、逆に大したことないのに褒められると
「馬鹿にされているのかな」
と感じた経験は皆さんも少なからずあるのではないでしょうか。

こういった場合のコツとしては出来る限り「具体的に褒めること」をしましょう。

【抽象的な褒め方】
「すごいですね」
「良く出来ました」

【具体的な褒め方】
「左の膝が前回よりも伸びるようになりましたね」
「歩行中に上半身が右に倒れなくなりましたね」

このように「具体的な褒め方」を実践するには、日頃から患者さん本人の状態や動きを確認していないと変化に気づくことが出来ません。
些細な変化を見逃さないように注意深く観察することを心がけましょう。

3.「サボった」という一言に含まれる背景は様々

これは誰しも経験があるのではないでしょうか。

「昨日はさぼっちゃった。。」
「この2日間は全然教わったセルフケアをやっていないや。。」

そんな時、ついつい「次はしっかりやりましょうね」のような声かけってしてしまいがちです。
ただ、こういった時「さぼってしまった」と一言で片付けてしまいがちですが、その理由は人によって様々。

【サボってしまった理由のバリエーション】
⚫︎めんどくさかった
⚫︎忘れていた
⚫︎辛くて出来なかった
⚫︎仕事が忙しくてそれどころではなかった
⚫︎体調が悪かった
⚫︎家庭のストレスで悩んでいた
⚫︎そもそもやる必要性を感じていない
⚫︎やり方を覚えていない
⚫︎言われた通りやっても良くならない
⚫︎指導者を信用していない  ・・・・・・etc

「サボった」という一言にこれだけの原因が含まれているかもしれません。
理由が何なのかを問い詰めるのではなく、上記のような原因かもしれないと頭の中に入れつつ、どういったアプローチをすることで患者さんが行動に移す反応が見られるのかは常にcheckしておきましょう。

4.徐々にセルフマネジメント へと移行していく

最終的には自分自身で考え、自分に合った運動を選択し、実践を継続できる「運動リテラシーの向上」「セルフマネジメント行動の獲得」が最終目標となります。

これが出来るようになれば、症状の悪化を未然に防ぐことが出来、出来る限り健康状態の維持を図ることが可能となります。

ただ、これって口で言うのは簡単ですが、実践するのはめちゃくちゃ難しいんです。
「運動リテラシーの向上」「セルフマネジメント行動の獲得」には大きく3STEPがあるので、まずはそこをしっかりと押さえておきましょう。

【運動継続に必要な3STEP】
①運動の方法や目的を説明し達成状況や経過の推移を随時評価&指導する
②運動継続に必要な具体的な課題を分析して、本人に具体的な行動目標を考えてもらう
③自分で目標と必要な運動内容、達成した時の報酬を考えてもらう

運動継続のためは段階的に関わり方を変え、徐々に関わる頻度を減らしていくことが極めて重要です。
そのためにも、僕たち鍼灸師だけでなく患者さんとの「最終目標に対する共通認識」をもつことが大切です。


この記事が「良いな」と思ってくれたら
ぜひ❤️やシェアをお願いいたします😘

-------------------------------------------------------------------

若手鍼灸師向け月額制マガジンもやってます📚

月額1000円で9本の記事を読むことが出来ますのでとってもお得✨
(中医学・経絡治療・運動療法・フィジカルアセスメント・養生・プライマリケア・泌尿器・多職種連携・リスク管理)

公式LINEでは定期的に臨床に関する配信をしています!
ぜひ登録お願いします!








投げ銭はいりません!そのかわり〜無料でできる〜Twitterで感想をシェアしてくださると嬉しいです(๑╹ω╹๑ )