最近の記事

コンビニの天然水2L108円に「うれしい値」が付いているのが目に入ったときの僕の脳内

コンビニに入っていく。13時ごろ。 ↓ 店舗の奥のほうの壁際に沿って配置されている飲料の棚に向かう。 ↓ ブロックごとに左端から右端、一段下がって右端から左端という経路で飲料を"ざっと"眺める。取りこぼしが無いようにするための経路だが、大して集中をしていない。ビール缶などのアルコール類の棚は見ていない。 ↓ 森乳業の牛乳屋さんがつくったシリーズのバナナラッテが売り切れていて、グリコのマイルドいちごオーレがストックされていた。ほぼ毎日コンビニに行っているが、いちごオーレは2週間

    • 【連作】解決されないこと

      解決されないこと   野坂玲央奈 赤銅の貨物コンテナ横切ると現実から現実になっている午後 雨が降っている自分には足音がある雨には広がりがある もやしが一本部屋に落ちると一人暮らしの本質的な静けさ シュークリームからひらかれる光 大勢の場に行かない 行かない ふくらんだ話術それから「円安がサボテンを枯らした」と君は始めた 「そっか、日本国民という意識は無いんだ」「うん」「別に好きだよ」「うん」 日本には四季があるから前髪を切るか悩んで切らないで欲しい

      • 星に詳しく(50首)

          星に詳しく   野坂玲央奈 喉奥の咳を待ちつつベランダで朝焼けを往く電車に見入る 認められたことは少ないハイタッチがずれていた高校時代 スターバックスの袋を上履き入れにする子とロゴの母親なる微笑 やさしさをころがしながら家のない人の座ったベンチを過ぎる 親のないスコップ縦に立てられて何もないよりさびしい砂場 良い街かどうか知れない坂道でうずくまったら泣けるだろうか 警察に連行されている首の角度でみんな信号を待つ 「あの距離の横断歩道を無視しないやつは社会で

        • 室生犀星詩集の好きな詩(【感想】室生犀星『室井犀星詩集』)

           働きながら少しずつ読み進めて2週間くらいで読み終わりました。詩自体は読みやすくはあって、気になる言葉で立ち止まって考えることを繰り返していました。近代詩の歴史の初期にいた人の作品ということもあって、まだ読みやすいです。野村喜和夫みたいな詩を読めるようになるにはどれくらいかかるのだろう。現代詩手帖とか読んだほうがいいのかな  ここには長かったので取り上げなかったのですが、ノオトという一編もとても好きでした。 友情的なる 漂渺(ひょうびょう) ①広くはてしないさま ②かすか

        コンビニの天然水2L108円に「うれしい値」が付いているのが目に入ったときの僕の脳内

          かけがえのない一分子から見たかけがえのない一分子(【感想】平出奔『了解』)

           平出奔『了解』を読んだ。  装丁が良い…!白黒で機関誌みたいな無骨さと人々の歩くイラストが好きです。  読み進めていて感じたのは、連作単位を超えて、社会を構成する一員、一分子としての「私」の眼差しを通して世界にアクセスする、あるいは、「私」に社会の一分子であることを強く託すような姿勢が歌の背景にあると感じた。そして、その視線は大きく分けて3つの方向に向けられている。①同じく社会の一分子としての他者、②社会それ自体またはその一端(物、現象、自然など)、③自分自身、である。

          かけがえのない一分子から見たかけがえのない一分子(【感想】平出奔『了解』)