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Live Art Books × 上西祐理 " vague "

Live Art Booksがデザイナー上西祐理さんと制作したアートブック”vague / windows”について、制作の各ポイントを解説します。

用紙・表面加工

vague / windows、用紙・表面加工のこだわりのポイントの一つとして、ハジキニス(ザラザラ)+コーターニス(ツルツル)加工を採用しています。これは紙の上にオフセット印刷 をした windows の写真に対して、すりガラスのテクスチャーを再現できる数少ない加工手法として選定しました。

ハジキニスの加工手法は、最近ではカルチャー雑誌の表紙等でよく見かけるようになりま したが、汚れや指紋もつきにくく、ニスデータを作成すれば、部分的にザラザラ・ツルツル のテクスチャーの変化をつけられるため、今回の上西さんのデザインレイアウトにもぴたりとハマる表現方法です。

O K トップコート 110kg +ハジキニス(ザラザラ)+U V コーターニス(ツルツル)

スクラム製本

今回の製本には、4つ折/2つ折/変形サイズ折など、複数種の用紙を折り重ねて複雑に組み 合わせ、綴じ加工を行わないスクラム製本を採用しました。 これらは全て人の手による手丁合内職の製本加工により実現したものです。

windows の写真を原寸の窓に近い大きなサイズに広げて見られることはこの本の装丁だか らこそ実現できる設計であり、お気に入りのビジュアルは広げてポスターにもしていただ けます。

表紙ビジュアルは 2 種類ありますが、実は中面は全て同じです。中面のセット順を変えることで組み替えられるようにできています。

ビニールカバー

白文字部分にシルク印刷を施したカバーは、P V C 0.2mm という透明のフィルムを採用しま した。硬質なものではない、柔軟性のある素材を選ぶことで上西さんのセレクトされた windows の写真にも通じるしなやかな佇まいとなりました。 また、綴じられていないバラバラの製本をカバーで包み込むことによって、一冊の本として のまとまりも生まれました。

カバー:P V C 0.2mm 製本:スクラム製本 297×210 66 頁

以上、現在 LAG にて開催中の展覧会 “Print House Session x Yoshiyuki Okuyama x LAG” で実物をご覧いただくことができるので、是非ともお手にとってみてください!

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