風が音より先のインディ500

The-500mile、これが伝統の世界最古・最大なモータースポーツ
イベント、インディ500マイル・レースの通称である。アメリカ
にはこの数字が特殊な意味を持つ。大きな大会となるイベントは
たいていが500マイル=約800キロメートルを一人で走る。

インディアナポリス国際空港到着すると至る所へ見れるものがある
「Well come to Race Fan’s!」
IMS=インディアナポリス・モーター・スピードウェイへ続く道の
至る所、民家や街頭・商店、ダウンタウンにもそれは多い。これは
残念ながら日本の鈴鹿でF-1開催などでは起きていない”文化の差”
といえる。モータースポーツを楽しむアメリカらしい光景だ。
このイヴェントを楽しむという側面で訪問価値は十分にある、飲酒
しない筆者だが飲酒者はファン同士親しくなればバドやミラーという
「ビアー」を無償で飲むチャンスに巡り合える。ソフトドリンクなら
コークまたはペプシ、スプライトかメローイエローという商品名を
伝えないと通じないしこれが案外と知られていない。

 かつてはアメリカンストック・ブロックV8エンジン主流時代で開催
した頃、よくアウト・オブ・レース(日本ではリタイアと欧州方式で
報じるが米国では通じない。フォーミュラーカーでもダメ、オープン
ホィールと呼ぶのが現地では正解)多かった、F-1で活躍した名機の
コスワースが排気量をスケールダウン・シングルターボ(最初は米国
ギャレット&ホーセット社製)採用し壊れない+速くなった。車体の
シャシーも自社作成は当時から名門のペンスキー(F-1参加経験あり)
に加えて英国の名門、ローラ・カーズにマーチ社のが市販で多く、
それを購入(または型落ちが実績あり使用の時代)というのがあった。
劇的変化は1980年代後半、予選通過33台の決勝グリッドへいたマシン
1台がNAのV8エンジン以外は全てコスワースDFXで尚且つターボも
ホンダF-1で有名になる前、日本製IHI(石川島播磨重工)タービン
全て使用だった快挙である。IHIにしてみれば飛行機ノウハウ保有
なのだからそれの応用、500マイルは3時間切るのが決勝でも時間
の問題となり1990年にオランダ人のA・ライエンダイクがその壁
破る(この時はシェビーA搭載のシャシーはローラT90/A-00)

「本当に速い車の違い」
コース横のいわゆるインフィールド(許可取得の報道関係者のみ
立ち入り可能場所)いるとその凄さ判るが、観客席のコース内側
でも伝わるものは”風圧の凄さとその後にマシンのエンジン音が
付いてくる事”。
予選はフル・ブーストで走るので桁ハズレに速く、最初の土曜日
にポールシッターが決まる(予選1位の事)
インディ500では1周2.5マイル(4キロメートル)の厳密にはレクタン
ギュラ・オーバルコースという長方形の角を削った形のコースを4周
平均速度にて、予選順位決める。チームやレーサーがタイミング良く
ないと決めた場合は2週目や3週目にピット入ると予選やり直せる。
5月のインディアナは真夏にて猛暑か?真冬の寒さ(気温12度程)の
両極端で前者だと気温下がり予選終了前の気温下がった17時頃、
マシンがコース埋めやすい。
かつてはハードコンパウンドしかないレースだったから、寒い決勝日は
観客席で毛皮コート着用観客目立つ日はタイヤ温まらずクラッシュ多発
撮影の我々は多忙になるのである。
(事故の決定的瞬間撮影の為、最高速度のシャッター&最高感度設定
にて米国方式プレスは撮影する。日本の綺麗に撮影する方法を説明した
所で全く話は通らなかったので見返すは同じ内容を撮影・提出でOK)。

レース専用エンジンとの格差を埋める為、市販車エンジン改造したものは
優遇する等の面白いアイデアあった、ビュイック・スカイラーク等日本で
販売された車種へ搭載されていたV6エンジンは3.300CCのOHCでターボの
エキストラ・ブースト圧力も許され、コスワースDFX、改良版DFS、新型
XB(無茶速くいい音だったな)シボレーA(後のイルモア)と対等に戦う
のだが決勝では燃費悪い面があった。これを真似たようなペンスキーの
独占使用したシェビーBは1回限りでNG、ルールの抜け穴を見つけて開発
とか揶揄された(翌年はこの名門が二人のインディ500複数回優勝経験ある
有名レーサーを配しても予選落ちする屈辱味わい、自社シャシー開発も断念
する。この舞台裏は取材撮影していたこちらも別機会あれば紹介したい)。

観客は最初にOOのファンやXXチームが好き、と語る約40万人も押し寄せる
しかし200周で争う決勝のラストバトルに生き残ったトップ5レーサーには
皆が釘付けとなる。日本人で二度の優勝をした佐藤琢磨はこの一人だ。
アメリカン・モータースポーツは「優勝以外は全て敗者」である、2位は
”最も遅い敗者=ザ・ファステスト ルーサー”と見られる。
 勝てないと思われた車(エンジン)は完全に制覇出来るようになり、
そこへ日本人は「不可能」と言われた優勝を二度もしたのだから奇跡
今や「年齢こそベテランの域と現在は言われるがかつては最も勝てる
年齢」に入っている。だからこそ彼、琢磨の現地ファンはとても多い。

 インディカーシリーズのレギュレーションがエンジン面で変更されて
来るが思うに日産(インフィニ)やトヨタ(レクサス)も参戦して日本人
レーサー参加を多くすべきに思う、これは二輪で世界的に有名なチーム
オーナーの森脇緑さんがMoto-GPは費用と選手の出る枠などが大変なので
今のカテゴリーで自分達の所からMoto-GPへ出る選手を育てたいという
インタビュー動画見てその通りに思えた。海外で鍛えられたほうが琢磨
選手のように英会話担当でチームなどのコミュニケーションやマシンの
セットアップも利便性高い、現在の日本ではスーパーGTでワークス日産
今年から駆る千代選手がその一人だろう(若いころの欧州遠征苦労あり
それもありバサースト12時間耐久制覇快挙もあると言える)。
 確かエンジンは電子化のハイブリット方式?だったかな、こちらへ
変更をまだ供給する側等が間に合わないので遅らせているけどレクサス
参加なら十八番技術だし、インフィニも相応の技術はある(折角の米国
にて成功したNPTIを解体したのは大失敗ね)。

オーバルあり市街地コースあり、テンポラリーコース(サーキットの事)
インディカーシリーズの開催地は豊富である。交通便が公共交通手段で
行ける場所やレーサーやチーム関係者も宿へ困る場所とバラエティだ。
今やセキュリティ面で一人1台のカメラ・レンズしか持ち込めない面が
厳しいので日本のサーキットみたいな観客席で超望遠レンズ持ち込み
撮影はプレス関係者でも現地人や許可を事前取得ない限り出来ない為
その点は「ルールを守れば自由な国・アメリカ」であるのを知って
希望する方々は是非、楽しんで欲しい。

*:インディ500のチケットは会場遠いホテルならホテルに頼むと座席
及び金額選ばない条件ならばホテル側が用意してくれる場合もあります。
その際、決勝レース当日はレース場周辺半径5キロは徒歩なのでその手前
まではホテル側が用意のバスで無料移動可能(帰りは自己負担・タクシー
などで)。安全パイを取るならニューヨークなどにある現地設立の日系旅行
代理店へ依頼が間違いないです。