日本の玄関に華 ~唯一、高速リムジンバス担当女性乗務員~


#創作大賞2024 #オールカテゴリ部門

*:はじめに・・・登場人物が実在するノン・フィクション記載であるの為にイニシャル記載は同様の方々と混同する恐れあるので控えさせて頂いています。

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AM4:50分、最寄り駅にふそうアロースターが到着する。定員数の3割程がこんな早朝でも埋まっている、挨拶を乗務員様に済ませ最前列座席
へ身を沈めシートヴェルト着用後、運行車両は再度のバス停に移動。

多くの乗客が待ち構える団体客であろうか?、手際よくエンジンを切り車外降りて案内をする乗務員様の対応には乗客も笑顔絶えない。そして車両は調布高速インターより一路、羽田空港を目指す。

「この車は古いほうなのに最新型バスより揺れないねえ、この女性の運転手さんはいつも丁寧で安心出来るよ」

旅慣れた老女の方々が車内で口を揃える、エアーサスペンション等の、電子制御車両多い中で従来のマニュアル車両であるのに揺れない・乗り心地が良い。羽田空港という日本の玄関送迎するリムジンバス担当する方のうち唯一の女性運転士は全国でもこの京王バスの方しかいない。
*:路線バスでの各国際空港乗り入れは存在する(含む・短距離高速バス)。伺った限りだと京王バス社内規定では自社の路線バス就行後、10年以上の無事故・無違反者でなければ「空港リムジンバス担当者には抜擢(候補にはなれない)出来ない」。
いかに優れた方であるかはお会いすれば判るしそれは日頃担当の路線バス運行担当ですぐに理解出来る。

”同僚やかつての教官も語る、絶対に手を抜かない性格”

彼女の勤務営業所では女性乗務員は現在、本人含めて4名程いるが地元営業所以外担当もする。まずは周囲からの声である”手を抜かない”という側面は筆者自身、安全確認の交差点で顔馴染みでもある故か?相手より気が付いてお辞儀する余裕ある。また路線バス担当時は高齢者乗客の乗り遅れ対応が素晴らしい、乗りそうな方はバス停の手前でアクセルを緩めフットブレーキは踏まないし同様に急いでバス停へ来た乗客に対しても心遣いが素晴らしい。
     「慌てなくていいですよ」。
中乗り・前払い(23区等のフラット運賃方式はこの逆方式乗車)であるので乗車口を明て待っている。こうしたサーヴィス数々が素晴らしき乗務員と愛される所以になっている。

 運転スキルも高度なものを保有している、筆者がこの方に驚いたのは路線バスの運行で「難易度の高い所」にての難なくハンドルさばきしたのから始める。運転各種の大ベテラン部類なトラック類さえも”切り替えしが多い直角交差点で加えて急な上り&下りのある所を対向車あったのに間髪なく通り抜けた時”がキッカケだった。
 この時は偶然にも乗務員席真後ろ空いて着席しており運転一部始終見ていた、男性乗務員でさえほんの一握りしか行えない離れ技をやってのけたのであるただ脱帽。映画やドラマにすれば世間も驚く人生歩んでいる方でもあるがそこは割愛しておく。

筆者自身、同業他社様との交流もつ機会ありこの話をすると関心高く持たれる。今や人材不足と日本は叫ばれているが、以前暮らして来た米国などでは女性バス乗務員は珍しくなかったし乗客とジョーク交えて移動する国民性あり楽しかった、固いシートだけは悲惨だけど(笑)。
 また住宅街などをメインに走る”コミュニティ・バスも多い”がこちら専門的に担当する女性乗務員の方もいる、こちらの方も乗客を良く理解しているので「地域密着」という表現が適切である。参考までに利用者立場で述べるとコミュニティ・バスに使用される車両は特殊でショック等がダイレクトに乗客に来るしアクセル・レスポンスも非常に音等が敏感に来る為、平均的に高齢者乗客になるほど女性乗務員対応を好む。
その理由は平均的なアクセル開度で巡航する・イコール、スピードのアップ・ダウンを感じないから”優しい運転”と判断するから。
             *
 高速出口より羽田空港見えると車内アナウンスを乗務員が行う、停車空港ターミナル順を案内する。第二ターミナルで大量のツアー客らしき方々は降車し賑わっている、バスはすぐ第一ターミナルへ向かい終点は国際線ターミナル、私達はここでお礼述べて下車をする常にである。

「お世話になりました、帰路の利用時も宜しくお願いいたします」
「どうもこちらこそ」。

僅かな休憩を挟んで9:45分AMの国際線ターミナル発で折り返し、
終点のJR武蔵小金井駅南口は11:10分AM到着(終点はJR西国分寺駅前)の運行となる。
 三多摩地区~羽田空港間は同じ東京都でも「遠い存在」でいたのが
この高速バスで早く安く移動可能となった背後へこのような企業努力
あるのは知られていない。

これが機会となり今のバス旅を見る・撮影する(note等で公開中・
写真撮影は許可取得し行ったもの)キッカケにもなった。
後日、この方からすれば素敵な大先輩である「高速バス」を利用した際に感銘を受けた出来事ある。休憩直後の東名高速上りで悲惨な交通事故
遭遇。大渋滞起きる前に走行ラインを読み切り何とか遅れはあったが
終点へ到着した(しかも大晦日だった)。
渋滞の数十キロもありデレィ(到着)は遅れたが私達には想定範囲でも
怒る乗客が普通で気の毒に思えた乗務員様の詫びる姿。

「お疲れ様でした、さぞかし大変でしたでしょう?」尋ねたら笑顔出た。

「いや、大したことはありませんよ今日のは。またのご利用お待ちしております、ありがとう御座いました」。

真のプロフェッショナルはこう語り乗務してきた車両を回送にして都会の夜景へと溶け込んだ。