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「君が世界のはじまり」見ました

めちゃくちゃよかった。どうも、神山です。

今日はふらっと見に行った映画の感想を(いろんな本や映画の感想記事とか考察記事を差し置いて)やっていきます。青春群像劇みたいなのあんまり得意じゃなかった(「桐島~」はほんとにわかんなかった)し、基本的にミステリかアニメか特撮、ストーリーラインがはっきりしているコンテンツばかり見ているので、本当に珍しくふらっと見たのが大当たり、って感じでした。

前情報全くなしで観に行ったので、前情報をさらっと調べると、ふくだももこ(原作・監督)で、自身の短編小説2作「えん」と「ブルーハーツを聴いた夜、君とキスしてさようなら」(おそらく両方雑誌掲載のみ)を織り交ぜて一本の映画にしたもの、らしい。確かに(大きく分けて)2つの物語が交互に重なっていくかたちの展開でした。サスペンスフルな開幕が2つの物語のどこにつながっていくのか、観客だけが薄氷の割れるときのこと知ったまま、登場人物たちはギリギリの日々を送っていく。

主要登場人物は高校2年生の6人。主人公のえんと幼馴染の琴子、同級生の純、伊尾、業平、岡田。うち純がサブ主人公(おそらく「ブルーハーツ~」の主要人物が純と伊尾のふたりなのかな)。基本的な話の軸は家族関係と恋愛関係の話ではある。でも、それ以上に「いま、ここ」にしかない痛いほど尖った輝きとどうしようもない息苦しさ、たとえ行き着く先が空虚でも爆発させなければならない爆弾、そういう映画でした。

観終わったあとすぐにツイートもしてましたが、ラストシーンが圧倒的に完璧、世界がはじまってしまう、という感じだし、セミラストシーンも圧倒的な美しさでした。全編通して逆光とかフレアの入り方、色、めちゃくちゃドストライクでした。瞳の描写とか全然セリフ無しで伝わるもんね……。

ブルーハーツの「人にやさしく」がテーマソングであり、原曲は勿論、業平役の小室ぺいがボーカルを担当するロックバンドNITRODAYによるカバーも劇中歌として流れるし、えん役の松本穂香によるエンディングもこの曲です。同じ曲なのに、流れるたびに彩りを変えていく。君が私を「がんばれ」って押して、世界が動き始める、みたいに。

一番好きなのは岡田。負けヒロイン、がんばれ。

ではでは。

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