月末読書会選書について-side神山-
札幌の書店からこの本の在庫をなくすこと、ですよ。どうも、神山です。
今回は、だいたい毎月末に開催している月末読書会の選書について書こうと思います。これまでの選書についてはこちら↓
なお、今年は8月、10月、12月のあと3冊(12月はいつも忘年会なのですが、オンライン開催を手に入れた今、12月も本編でいいのでは?と思っている)の選書権がぼくにはあります。既に2冊候補がありますが……。
2017年の6月からやっているこの読書会、最初こそ既読の本のうち面白く、ざっくばらんに自分で話せるものを選んでいましたが、そういう本はだんだんとなくなっていくし、できれば新刊も読んでいきたいし、時には新書とか金額的に軽めなもので間口を広げたい(読書会の構成、参加要件自体はめちゃくちゃ敷居が低いとはいえ、3000円4000円級の本ばかりでは疲弊してしまう)し、という感じで本を選ばないとならなくてですね……。それらを分けると以下のような3つになると思います。もちろん、これらを横断しているものもあります。
①学術系の堅牢さより、アクロバティックな本を!
201803 エンドレスエイトの驚愕/三浦俊彦
201810-11 廃墟で歌う天使/遠藤薫
②理科系、数学系の話をしたい!
201805 数学ガールの秘密ノート やさしい統計/結城浩
201905 科学するブッダ/佐々木閑
③1ジャンルについて絞られたものを!
201901 人形論/金森修
201911 音楽入門/伊福部昭
①は③とクロスしていることも多いですが、深読みパワーでゴリ押し(褒めてる)、AとBの強引な接続などによる、論展開自体を内容と一緒に楽しめるような本。例に挙げたEEの驚愕はループ概念の扱いについて凄まじいパワーがあり、廃墟天使は初音ミクと宮沢賢治の接続をアクロバティックにしています。
②は人文系が多くなった時の揺り戻しとしてたまに選択するもの。数学や理科系だけの本よりは、人文学的なアプローチで理科系数学系にアプローチするものを選んでます。数学ガール統計回はだいぶ数学自体の話が多かったけれど、本自体は小説(唯一)ですし、ブッダは科学と仏教のクロスオーバー本でもあります。
③は趣味として好きなものや、世間が好きなものについて、深掘りする際に選ぶもの。上記のほかに、ゲーム(僕たちのゲーム史)や魚介類(魚の文化史)などもやりました。6月の新写真論もこれかな。
このうえで、いろんな本を読みたいという意識から、いまのところ同じ著者の本を選ばないように、みたいなことはしています。このルール、開催が長くなればなるほど効いてくるので、そのうちなくなりそうですが。
今年の選書は、新型コロナウイルス感染症の流行もあり、わりと世相を反映しつつ、新作を選びつつ、過去に扱った書籍とテーマや概念が接するようなものを選んでいるきらいがありますね。ここまでやってきた積み重ねをつかいつつ、かといって初めて参加したひとでも楽しめるような感じの本を選んでいます。
できれば、読書会で選ばれるまではその本のジャンルや筆者、出版社といった「界隈」に留まっている本を広く知らしめる機会になればいいなとおもいながら。
人形論、マジで札幌の大型書店から在庫を失わせる気持ちだったんですけどね……。
ではでは。
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