Too, Too Real の作り方を振り返る(3)
今日は Too, Too Real のギターソロに注目してみます。
ギターソロは難関
DAW でギターソロを打ち込むのは難しいというのが定説です。ギターを演奏する時は構造上音程が不安定になるので、機械的に正確な音程を入れるとそれっぽく聴こえなくなります。アタック音も弾き方で変化するし、チョーキングやハンマリングオンなどの装飾音も難しいです。
これらの音はキースイッチといって、Studio One 音源だと C0付近のキーを押すことで出せるような機能が用意されています。ただ、今回は殆どキースイッチを使っていません。
fig.1 はギターソロの出だし(1:06~) ですが、このような感じで pitch bend を使っています。
Studio One の pitch bend は、両端の pitch を指定した後、中間に変形ポイントが表示されて、ここをドラッグすることで変化を曲線化することができます。fig.1 は、最初の pitch bend がちょっと上に変形しています。前半が急、後半が緩やかに音程が変化します。
2つ目の pitch bend は両端を指定しただけです。細かく調整しても聴いて分からない程度しか変わらないので、サボりました(笑)。
Velocity で「らしさ」を
ギターで速弾きするときは、全部ピックで弾くのではなく、ハンマリングオンのような左手の奏法を組み込んで、ピッキングの数を減らすように工夫することがあります。
この場合、ピックで弾いた音と、左手で出した音は、音量の差かできがちです。
このように、Velocity を1つおきに下げると、それっぽい感じになります。
スライド
2度目のソロ(4:20~)ではスライド(グリッサンド)が出てきます。スライドはキースイッチで対応することもありますが、今回は正確に音をつなげたいので1/64で半音ずつずらして打ち込みました。
これも Velocity を少し下げることで、実際の演奏の雰囲気に近付けることができます。
余談
謎の痕跡
fig.1 にポチっと小さな点のように見える打ち込み痕があります。これは気に入らないと最初言っていた音のなれの果てで、結局長さを最短にした上で、別のトラックで音を重ねて打ち込んでいます。重ね打ちです。
4:29 あたりには、どうやって演奏したのか分からない音が出てきます。気になっていますが、まあいいかと思ってそのまま残しました。
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