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全トラックを Pan で一度に動かしたい

まだまだトルコ行進曲

トルコ行進曲のプリセットを差し替えたものをさらに作っているのですが、名前がトルコ行進曲ということで、行進しているイメージが欲しいわけです。

ベートーベンは pp から始めて ff まで盛り上げて最後は ppp にするという遠近法を使って行進する様子を表現しました。行進が目前なら音は大きいはずで、遠くにいたら音は小さくなるはずです。

Pan

プログレの世界ではこのような場合、Panを振るという定番の表現があります。Pan というのは pan-pot のこと、楽器の位置をステレオの左右どのあたりにするか、という機能です。専門用語ではこの位置のことを「定位」というはずです。

今回は、楽器単独ではなく全体を左右に移動することで、行進も移動していることを伝えようという作戦です。

ちなみに、右から左か左から右か、どちらが適切なのか分かりません。本物の行進なら、本人の立ち位置によるはずです。そういえば、関係ないかもしれませんが、関西と関東では魚屋に並べる魚の向きが違うという話があったと思います。

具体的にどうすれば?

ところが、全トラックを一度に PAN で左右に振る方法が分かりません。普通は Pan はトラック毎に振るもので、全部一斉に同じ PAN というのは非常識のような気もします。

調べたらやり方はあるような気がするのですが、何だか疲れました。面倒なので代替の方法で対応します。要するにミックスダウンで WAVデータにしたものを読み込んで、それを Pan で処理すればいいだろ、という大胆な発想です。ということで、具体的な手順を説明します。DAW はいつものように Studio One Professional です。

WAV のミックスダウンファイルを作成する

とりあえず、現状でミックスダウンして WAV データを作ります。多分、最終的に出力するのと同じ形式にすればいいと思うのですが、今回は何となく高い音質にしています。

ミックスダウンの具体的な手順の紹介はまたの機会として、今回は省略させていただきます。

インポート用のトラックを作る

WAV データを取り込むための空のオーディオトラックを作成します。作成方法はいろいろありそうですが、今回はソング画面のトラックが並んでいる所の空白で右クリックしてメニューを出します。

(fig.1) Add Audio Track (stereo)

fig.x の赤丸のあたりで右クリックしてメニューを出しています。Add Audio Track (stereo) を選択すると、空のオーディオトラックが追加され、選択状態になります。

(fig.2) トラック作成直後

インポートする

この状態で Song メニューの Import File を実行すると、作成した WAV ファイルを読み込んで、作成したトラックにデータが入ります。

(fig.3) Import File 実行後

途中から演奏する状態でインポートすると、そこを基点にインポートされるので注意してください。

オートメーションで Pan を設定する

オーディオトラック単体なら、オートメーションで Pan をコントロールするのは簡単です。今回は具体的な手順は省略します。

今回は最初 R (Right) から始めて17小節 (0:19) で C、その後 C (Center) にしておいて 82小節 (1:37) から最終的に L (Left) になるように変化させてみました。後半は少し早めに移動するようにカーブをかけてあります。

(fig.4) Automation

S にする

作ったトラックの「S」(Solo ?) ボタンを押して、他のトラックをミュートにします。

(fig.5) Solo

これで想定した状態になったので、この状態でミックスダウンすれば目的のデータの完成です。

この手法は Pan だけでなく、トラックにエフェクトを指定することができるものであれば、広く応用することが可能です。

余談

メニューが表示されている画像を取り込んだ

今回、メニューを表示した状態をキャプチャーした画像を使いました。いつもは Alt+PrtSc で Studio One のウインドウを画像化していますが、これだとメニューが消えてしまうので困っていました。

Alt を押さずに PrtSc を押すと、キャプチャーの種類を選択する画面が出てきて、やはりメニューは消えてしまいます。ツールを使ってタイマー撮影すればいい、という話はどこかで見たのですが、今までに1度しか成功していません。

では今回何をしたのか?

メニューを出した状態で Shift + PrtSc を押しただけです。これでメニューを出した状態で全画面をキャプチャーすることができました。この技は偶然発見したのて、仕様なのかどうかは分かりませんが、あとは ctlr+V で取り込んでトリミングするだけです。

Version Up

Studio One の最新版は 6.6.1になっています。

(fig.x) Studio One 6.6.1

5月6日にバージョンアップしたようです。

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