情報の物理と原罪(Original Sin)
力と一口に言っても4種類あるように、エネルギーと一口に言っても熱と仕事の2種類ある。
同様に情報と一口に言っても、一般的な、言い換えるなら大域的に通用する普通の情報と特殊な、言い換えるなら局所的にしか通用しない特別な情報とがある。さらに、測られる、言い換えるならそれ自体としての存在の情報と測る、言い換えるなら評価としての情報とがある。
重力と電磁気力は一般相対性理論による記述が可能(と言うより重力は一般相対性理論でしか扱えない)であるとともに遠距離でも作用するが、強い力と弱い力は少なくとも現状では特殊相対性理論による記述しかできていない。また、近距離にしか作用しない。1.普通と特別での話を踏まえ、重力の量子化の鍵は、重力をエントロピックな力として扱うことにあるのだろう。
モノ(物質)を測るには物差し(ゲージ)が要る。つまるところ、宇宙はフェルミオンとボソンの関係性に基づいて浮かび上がるものである。質点が時空を曲げ、曲がった時空が質点を動かす。そこにあるから感じるのか、感じるからそこにあると思うのか。仏教における縁起よろしく、もし、絶対的な事物があったとして、それは相互作用という事実だけである。原罪と言えば、善悪の知識を得ることとされるが、初めに善悪があるのではない。この世界にはただ事実しかない。にも関わらず、かくあるべきものを想定した上で評価、すなわち価値判断によって悪を作り出すにすぎないのである。
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