Tebi

時事問題について法律的な観点から感想を述べたり、興味深いと思った判例・法理について覚書…

Tebi

時事問題について法律的な観点から感想を述べたり、興味深いと思った判例・法理について覚書をまとめたりしています。 ※あくまで私見を述べるのみです。法律上の正確性を担保するものではありません。

最近の記事

#1判例と独り言:児童ポルノ法7条5項の解釈(最三小判R6.5.21)

事件概要  被告人は就寝中の児童(当時10歳)に対して強制わいせつ・強制性交とその未遂にいたる一連の行為において、児童ポルノ法(正式名称:児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律)2条3項各号のいずれかに当たる姿態をとらせてその様子を撮影し、児童ポルノを製造しました。  要するに、わずか10歳の児童のわいせつな姿態を撮影したわけですね。しかも就寝中に。中々の外道です。 争点  上記の行為につき、検察は児童ポルノ法7条5項(「ひそかに」撮影した行

    • #1判決の話:男性器があっても女風呂に入って良い?

      はじめに  2024年7月10日、広島高裁で「いわゆる性転換手術を受けていなくても、戸籍上の性別を変更できる」という旨の決定が下されました。つまり、簡単に言えば男性器が付いていても女性として扱われることが出来るということですね。XなどのSNS上ではこの判決によって「実質的に、男性が女性用浴場やトイレに入ることを裁判所が許したことになる」などといった批判がありました。果たして、この判決はそのようなことを判断したのでしょうか? 前提となる最高裁判決:性転換手術の強制は違憲?合

    #1判例と独り言:児童ポルノ法7条5項の解釈(最三小判R6.5.21)

    • #1判決の話:男性器があっても女風呂に入って良い?