符計算は本当に害悪か
「麻雀って覚えるのが難しい」こういう声はよく聞きますが、その理由として大きく挙げられるひとつが「符計算」です。
符計算は麻雀のたかだか得点計算ですが、頭のいいひとでも覚えるのに2時間はかかります。永遠に初心者を名乗るひとだと何年も、あるいは一生覚えられないままの場合もあります。符計算が麻雀に深みを与えているという風潮は根強いですが、果たしてそうでしょうか。「2時間かけて覚える仕組み」は、むしろ参入障壁になっていませんか?
結論からいいましょう。「符計算は害悪です」
この主張にカチンとくる方もおられるでしょうが、冷静になって手に取っていただきたい著書があります。
とつげき東北『科学する麻雀』p262-266
ここで符計算は「ムダに煩雑な現在のシステム」と切り捨てられています。なぜそうなのかは『科学する麻雀』を読んでください。
ここで例題。タンヤオドラ3、22符は30符、4翻(6翻)の計算です。子のロンであれば7700(8000)点ですね。
みなさんに覚えていただきたいのは、「トリプル切り上げ」という言葉です。この説明については浅見了先生のサイトを参照してください。
「精算法」という昔の麻雀の計算方法があります。これに沿って例題の計算をします。
22符×ヤオアル(子なので4倍)=88
88×2の6乗(場ゾロ2翻+4翻)=5632
あれ、おかしいですね。8000点の手が5632点しかありません。なぜこうなるのかは「トリプル切り上げ」のせいです。
①22符を30符に切り上げる(シングル切り上げ)
②30×4×64=7680を7700に切り上げる(ダブル切り上げ)
③7700を8000に切り上げる(トリプル切り上げ)
5632点(22符)の手も7680点(30符)の手も同じ満貫に扱う計算のどこが緻密なのでしょうか?まさに雑ですね。
百歩譲って、この雑な計算を受け入れることにしましょう。ここで『科学する麻雀』p265から引用します。
「得点システムはそもそも1000→2000→4000→8000でも何も問題がなく、1000→2000→3900→7700が優る根拠は存在しない」ということを計算によって確認したわけである。現状の得点システムには「切り上げの偶然」以上の意味は存在せず、たとえば「1000→2100→3800→7800」に変化させることもできるのである。(そのような「無意味な」点数列と、現在の得点システムはまったく等価なものでしかない)。点数をばらけさせる必要があるというなら、「和了ごとにサイコロを振った数の100倍の点数を加える」だけでもよいのだ。そうすれば意味のない点数列を覚える必要はなくなる。
でもそうは言っても符ハネが重要な場面もあるので、簡略化はちょっと…という意見もあるでしょう。しかし・・・
いうて、オーラスで符ハネ狙うケースってありますか?というよりも、符ハネは手作りで「技術より運の要素が強い」です。例外は槓ですが、むしろ槓ドラ期待しますよね。
「符ハネは戦略として有効」これはわかります。でも現状の麻雀の「満貫以上が存在し、かつ頻出するシステム」では、重要度の低い技術です。
そもそも「得点計算を計算式で計算してるひと」、「得点計算の仕組みを理解してるひと」って、どれくらいいますか?みんな「早見表暗記してるだけ」でしょう。
※平澤プロを批判してるわけではありません。簡単に覚えるにはこれが正解ですし、ためになる動画です。
だいたい真面目に符計算勉強したら、平和と平和形の例外規則に疑問を覚えますよね、真面目に勉強する方が馬鹿らしいです。適当に簡略化した指南を愚直に守る方がベターです。
じゃあ何でいまだに日本麻雀は符計算を採用しているのか…これは闇ですね。
ぴんふさんによる符計算撲滅活動を応援するしかありませんね。
ちなみに、ぴんふさんは「符計算が出来ないひと」の立場から、麻雀の符計算からの解放を訴えていますが(実際には勉強中で時間をかければ計算できるし、場ゾロのない符計算は容認派です)、こういうこと言うと必ず、
①「覚えられないのが悪い」
②「符計算が出来ないやつがフリーに来ると迷惑」
③「符計算もわからないのであれば、麻雀の細かな技術もわからない」
という反論が来ます。これらについて論破すると
①簡単に覚えられるというひとは符計算の表面をなぞっているだけで、原理を理解していない。麻雀の得点計算は特に理系の感覚だと雑すぎて合理性に欠ける。ぴんふさんのような天才からするとむしろ理解できないのが当然。
②フリーで符計算の出来ないひとがいるのは符計算出来るひとに迷惑がかかっているのは実情。ならば点数計算を簡素にして障碍を取り除く方が建設的。点数計算が障壁となっている層を取り込む方が麻雀人口のボリュームに繋がる。
③今はネットの普及もあり、符計算が怪しいにも関わらず天鳳鳳凰卓に到達するプレイヤーもいる時代。牌効率や押し引きの技術と符計算のスピードは相関しない。むしろ余計なメモリを使わない分、純度の高い麻雀になる。
って、ぴんふさんが言ってました。反論は広く募集しております。
麻雀界の革命児、ぴんふさんのアカウントはこちら!
続きを書きました。こちらもどうぞ!