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麻雀プロの「6:4問題」への反論と答弁

まずこの記事は僕の前回のnote「麻雀プロは6:4を認識するために何か努力をしたか」への回答となっています。まだ読んでいないという方はこれを先に読んでください。

この記事については大変多くの方に読んでいただき、まずはありがとうございます!

あらゆる方面に喧嘩を売った割には、怒ってくるひとがほとんどいないのが残念なのですが、わずかながら反響があったのでご紹介したいと思います。

まず遊鳥さんの反論記事ですね。

これについては正直新しい知見を得られたとは思えませんでした。

あえて見るべきところを引用しましょう。

僕はデータによって最も成績を上げたプレイヤーの一人(天鳳五段レベル→ピン東純黒)だと思っているので口挟むんだけど、統計学の麻雀戦術のあとがきにもあるようにみーにんさんはデータと戦術に絶対的な紐付けはしておらず細かい部分や感覚的な齟齬があればある程度自分で再計算できるようになってる。
データ麻雀というと平均的な想定で細かい要素に目を瞑った選択をするイメージを持つ人が少なくない。これは研究者がデータを発信するときにライト層や中級者向けに分かりやすく戦術化していることに起因しているのではないかと思っている。
「データ的にリーチ」というような次元で止まってしまうのはプレイヤーの質の問題であり、現環境で最上位層に食い込めるくらいのデータは既に提供されていると思っている。
少なくともその恩恵を受けた人間が一人はいる。

要点は

①データと戦術には絶対的な紐づけがない。戦術はともかくデータには正しく使う方法がある

②データを用いた戦術書は初中級者向けに書かれている

③現状提供されているデータだけで「最上位層に食い込める」方法がある

まずデータを用いて、その実際の運用方法をまとめた戦術書はあまり多くありませんが、個人的に価値が高いと思われるのが

堀内正人『神速の麻雀 堀内システム51』です。

これに書かれてるシステムや「放銃率の目安表」、「押し引き表」を覚えて実行するだけで、天鳳なら特上卓くらいには行ける良書です。しかも麻雀戦術書としてはかなり要点がわかりやすくまとめられているので読みやすいです。残念ながら絶版になっているので、福地先生はこれを読んでいたらさっさと再販しましょう。

反面、これで鳳凰卓に行けるのかはよくわかりません。世間的な評価としても中級者以下向けだと思います。

データのリストとして有益なのは、みーにん『統計で勝つ麻雀』、『「統計学」のマージャン戦術』ですね。

これの評価としては、「データは素晴らしい」「戦術面についてはわかりやすくまとめられていない」、つまり役立てようと思ったら自分で工夫する必要があると思います。

なので、みーにんさんのデータを活用しようと思うと、みーにんさんの言葉を借りると「プレイヤーの仕事」になるんですね。

残念ながらみーにん本をベースにわかりやすく戦術を説いた戦術書や記事は僕は知りません。あったら教えてください。

なので、遊鳥さんは方法論を知っているなら書いてください、お願いします。

参考までに、遊鳥さんの記事を見せたときのとつげき東北さんの反応を載せます。

ちなみに凸さんの発言の見られる平澤さんの配信動画はこれです。


次に研究者サイドの意見ですね。まず当事者のみーにんさんですが、

「炎上させて研究者サイドを怒らせるには足りない(笑)」

「麻雀研究の歴史(背景)を踏まえて語ってくれ」

「麻雀研究の歴史」は非常に興味深いのですが、そんなん僕は知りません。どこかにアーカイブがあれば読みたいので、誰か教えてください。

あとは、とつげき東北さんの反応。

FireShot Capture 431 - 麻雀プロは6_4を認識するために何か努力をしたか|pheebin|note - note.com


これについてはまず一言いわせてください。

「将棋AIが名人を超えた時に何が起きていたか、深層強化学習の話」

これ前々回の記事で触れてたじゃないですか!ちゃんと読んでください!

FireShot Capture 432 - 麻雀プロは6_4を認識するために何か努力をしたか|pheebin|note - note.com

FireShot Capture 433 - 白鳥プロの6_4問題についてのオカルト派からの意見|pheebin|note - note.com

というか皆さんも、「まだ読んでいないという方はこれを先に読んでください」って書いてあったら、読んでくださいよ!まったく!!!なんで元記事より当記事の方が閲覧数が多いんですか!

FireShot Capture 435 - ダッシュボード|note - note.com

まあ「AI研究と将棋界」の話がわからないと、麻雀AIの活用の話もわからないので、繰り返しになりますが以下の著書を読んでください。

それで、麻雀研究におけるAIの活用の件なんですが、凸さんの言う通り、僕も知らないし、たいていのひとも知らないのが実情じゃないでしょうか。

一般に利用できるAIといえば「爆打」なんですが、あんまり爆打利用の話って聞かないんですよね。何故か。あくまでもプレイヤーの話。

爆打に検討させているひとがほとんど見られないのはどの理由でしょうか?

①爆打の存在や、牌譜検討モードの存在がほとんど知られていない

②爆打より自分が強いと思っている

③どう使えば実力向上につながるかわからない

多分、僕の予想では強者のほとんどが爆打の強さに疑問をもっているからではないかと思います。人間がとても敵わないレベルかと言うとそうでもないという認識なのではと。

これが「Suphx」なら利用するひとも増えると思うんですが、そういえば最近全然Suphxの話聞きませんよね、いつまで眠っているのでしょうか?

で、仮に人間を完全に超えたAIがあるとして、どう利用すれば、研究や実力向上に使えるのかについては、頭の悪い僕からすれば「知らんがな」なんですが、そういうAIが現れるのを指を咥えて待つよりも先に、現状使える爆打で思考実験をしていれば、後々最強AIが公開されたときに先手を打って行動できると思うんですよね。知らんけど。

ただ僕が思うのは、僕が前回のnoteで書いた問題については(正直思いつきで適当に煽るために書いたのに)、意外と研究者が20年くらい前に考えていたことに近くて、それほど奇抜なことでもないのに、今の時代に拡散されて多く読まれていること自体が「麻雀界のヤバさ」なのではないかと。

一応、釘をさしておくと、研究者の「それ当然でしょ」という感覚は、一般人からすれば「知らんがな」です。普通のひとは書かれたものを読まなければ問題自体を認識できません。そして個々のプレイヤーや麻雀プロも自分の感覚や考えをしっかり文章で、論理的にアピールしないことには、「出来るひと(研究者に限りません)」に届きません。

まあ僕が言いたい一番のことは「お前らもっと自分の考えたことや方法論について書け」「面白いこと読んだらもっと拡散しろ」ですね。それはもう、麻雀プロとか研究者とかなく、全人類について言えることで。

人間はそれぞれ出来る領分は決まっています。それはもう仕方ない。その限界を打ち破るためにはひたすらに「文章にする」、「会話をする」、「読書する」、「数理的にアプローチする」、それで価値あるものを選び出すしかないんです、麻雀も同じかと思います。

「知らんがな」


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