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第53回 細胞検査士一次試験 婦人科 解説

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第53回細胞検査士一次試験 婦人科領域の解説をまとめたものです。よかったらみてください。(#^.^#)
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#臨床検査技師

9.萎縮性変化について誤っているものはどれですか.難易度:★★☆

裏回答C⇒○舟状細胞はグリコーゲンを豊富に含む中層細胞のことで、妊娠初期から中期にみられることが多い細胞です。D⇒○閉経後は分泌が低下するので、腟内環境は乾燥しやすいです。 解説萎縮性腟炎(老人性腟炎)は閉経や卵巣摘出後のエストロゲン低下が要因で起こる非特異性炎です。😵‍💫 エストロゲンの長期低下状態により、膣は萎縮し、膣からの分泌物が減少し、常在菌は減少して膣の自浄作用が低下します。腟壁は点状発赤を呈し、出血しやすい状態になります。 腟内pHは酸性から中性に近づき

10 .誤っているものはどれですか .難易度:★★☆

裏回答A,B⇒○本邦では、頸部細胞診が陽性の場合にHPV検査が推奨されている。解説頸部の検査の流れはよく出題されるので、知っておきましょう。メモメモφ(・ω・*) まず、頚部細胞診が行われます。これは、自覚症状がある場合や健診でも行われる一般的な検査です。細胞診の検体採取法には、擦過法、吸引法、穿刺法があり、擦過法が最も一般的です。|・ω・`)フムフム 子宮頚部のSCJ領域を中心にブラシなどで擦り細胞を採取します。(´つω・`) 擦過した細胞検体は乾燥しやすいので、すぐ

11 .卵巣境界悪性腫瘍のうち最も頻度の高い組織型として正しいものはどれですか .難易度:★★★

裏回答日本では粘液性境界悪性腫瘍が全体の62%、漿液性境界悪性腫瘍が全体の24%とこの2つが多い。明細胞性腫瘍と類内膜性腫瘍はほとんどが腺癌で、境界悪性は少ない。ブレンナー腫瘍は良性が最も多い。欧米では、漿液性境界悪性腫瘍が全体の52%を占める。 卵巣腫瘍は大きく分けて5つに分けられます。 ①表層上皮性腫瘍 ②性索間質性腫瘍 ③胚細胞腫瘍 ④胚細胞・性索間質性腫瘍 ⑤その他 です。 今回は①表層上皮性腫瘍についての問題になっています。 ①表層上皮性腫瘍は

2.コルポスコピーについて正しいものはどれですか.難易度:★☆☆

裏回答B⇒○移行帯は円柱上皮から扁平上皮への移行部分を指す。C⇒○Nabothian cyst(ナボット嚢胞)は移行帯でみられやすいD⇒○腺開口は移行帯でみられやすい 解説 婦人科において、コルポスコピーや組織診は細胞診で「異常あり」の時に行う精密検査です。 コルポスコピーは子宮頚部を腟拡大鏡(コルポスコープ)で拡大して観察する検査です。 3%酢酸溶液を子宮腟部、頚管内に塗布し、各種所見を白色にして顕著にさせます。(酢酸加工) 異常所見は移行帯(SCJの肉眼的な

3.正しい組み合わせはどれですか.難易度:★★☆

🔬明細胞癌🔬間質に好酸性無構造の基底膜様物質の沈着(間質硝子化,Stromal hyalinization) 🔬漿液性癌🔬最も頻度の高い卵巣腫瘍で、悪性度別の頻度は、良性(漿液性嚢胞腺腫など)60%、境界悪性(漿液性境界悪性腫瘍)15%、悪性(漿液性癌)25%を示します。漿液性癌は日本の卵巣悪性腫瘍のなかで最も頻度が高く約30%を占めます。 漿液性腫瘍では、良性悪性問わずしばしば砂粒小体(石灰化小体)がみられ、漿液性腫瘍の特徴的所見とされます。 🔬莢膜細胞腫🔬莢膜細

4.妊娠時にみられる細胞像として正しいものはどれですか.難易度:★☆☆

裏回答A⇒○妊娠初期から中期にかけて舟状細胞は増加するB⇒○有尾型はジンチジウム型栄養膜細胞、多稜形がラングハンス型栄養膜細胞C⇒○アリアス・ステラ反応は異所性妊娠でもみられる。 妊娠時の細胞像🔬腟上皮は妊娠により周期性変化が停止するため、排卵後の分泌期様の細胞像になります。 ①エストロゲンとプロゲステロンが急増する ↓ ②エストロゲン効果をプロゲステロンが阻止する ↓ ③プロゲステロン効果が顕著に現れる(分泌期様) といった流れになります。……🤔 また、