エゼチミブとPCSK9阻害薬はASCVD超ハイリスク患者にのみ有益ですか
〇はじめに
米国のコレステロール管理ガイドラインは、米国心臓協会(AHA)から発表されたガイドラインです。
2018年に5年ぶりに改訂されました。2013年版はスタチン一辺倒だったのですが、エゼチミブ、PCKS9阻害薬の位置づけが明らかにされました。
ガイドラインでは、コレステロール管理の目的は動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の発症予防にあるとしています。
そしてASCVD2次予防に関しては、ASCVDが「超ハイリスク」という患者カテゴリーが新設されました。
このカテゴリーで最大耐用量によるスタチン治療を行ってもLDL-C高値であれば、エゼチミブの追加を、それでも効果不十分な場合はPCSK9阻害薬の追加を妥当としています。
エゼチミブとPCSK9は、いずれもスタチンに比して高薬価な薬物である上、スタチンほど堅固なエビデンスを有していません。
使いどころを定めることが肝要です。
今回、これらの薬剤の心血管アウトカムへの影響を検証したネットワークメタ分析を紹介し、ガイドラインの裏付けとしたいと思います。
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