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慢性蕁麻疹にデスロラタジンとグリチルリチンの併用は有効ですか

〇はじめに
慢性蕁麻疹は人口の5%が罹患すると言われる、I型アレルギー疾患です。重度の痒みを伴う再発性の膨疹で、夕方に症状が出ることが多く、生活の質や睡眠に深刻な影響を及ぼします。

治療にはH1受容体拮抗薬が用いられます。デスロラタジンがセチリジン等より有効かつ安全であることが報告されていますが、有効性は限定され、再発率も高いことが知られています。

免疫モジュレーターである複合グリチルリチンとの併用療法が、国内のガイドラインでも推奨されて来ました。しかし根拠はRCTのみ、推奨グレードはB~Cであり、十分な科学的根拠がありませんでした。

近年あらたにデスロラタジンと複合グリチルリチンとの併用に関するメタアナリシスが発表されましたので、紹介したいと思います。記事は2021年の論文を中心に記述します。

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