サノフィ、血友病A治療薬fanesoctocog alfa承認申請
サノフィは2022年9月30日、血友病A治療薬として開発中のefanesoctocog alfa(国際一般名)の承認申請をしたと発表した。
同剤はフォンビレブランド因子に依存しない薬理作用を持つ初めての凝固第VIII因子製剤になる見込み。従来の製剤と比べて半減期が延長され、週1回の投与でその活性を週の大半にわたり正常~ほぼ正常範囲(40 IU/dL超)に高く維持できるようになる。
ピボタル第3相 XTEND-1 試験では、第VIII因子補充療法を受けた経験のある12歳以上の重症血友病A患者(n=159)でのefanesoctocog alfaの週1回投与の安全性、有効性と薬物動態を検討した。2022年7月の、第30回国際血栓止血学会(ISTH)で試験結果を発表した。
同試験では、臨床的に意義のある出血抑制効果と、患者比較に基づく事前治療の出血抑制効果に対する優越性が示された。efanesoctocog alfaの忍容性は良好で、第VIII因子に対するインヒビターの発現は認められなかった。有害事象のうち、比較的高頻度(被験者全体の5%超)で発現した有害事象は、頭痛、関節痛、転倒及び背部痛だった。
血友病Aは稀な遺伝性疾患と知られ、第VIII因子の欠乏により血液が凝固する機能が損なわれる。血友病患者に出血が発生すると、痛み、繰り返される出血で不可逆的な関節損傷、生命が脅かされるような出血もみられる。凝固因子製剤の投与が治療の基本で、様々な治療シナリオが存在する。
同承認申請はピボタル第 III 相 XTEND-1 試験の結果に基づく。
【第3相XTEND-1試験(NCT04161495)】
第3相XTEND-1試験(NCT04161495)は、第VIII因子補充療法を受けた経験のある12歳以上の重症血友病Aの患者(n=159)でのefanesoctocog alfaの週1回投与の安全性、有効性と薬物動態を検討する目的で実施した。同試験は非盲検非無作為化介入試験。
同試験は、定期補充療法群(A群、n=133)と、オンデマンド療法群(B群、n=26)の2つの並行群の構成。
A群は、試験参加前に第VIII因子の定期投与を受けていた患者で構成され、試験中にefanesoctocog alfa 50 IU/kgの週1回投与を52週間受けた。
B群は、試験参加前に第VIII因子のオンデマンド療法を受けていた患者で構成。試験前半26週間はefanesoctocog alfa 50 IU/kgのオンデマンド療法を受け、後半26週には週1回の定期補充療法を受けた。
主要評価項目は、A群での年間出血率(ABR)とした。
重要な副次評価項目は、XTEND-1試験への参加前に観察試験(242HA201/OBS16221)に参加したA群の患者を対象として、観察研究中の既存の第VIII因子製剤での定期補充療法実施時の年間出血率とefanesoctocog alfa週1回投与時の年間出血率 の患者内比較をした(Study 242HA201/OBS16221)。
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