中外製薬、CAR-T細胞療法 PRIME 技術 ライセンス契約締結
中外製薬は2022年8月22日、ノイルイミューン・バイオテックとの間でる CAR-T 細胞療法 PRIME 技術 に関するライセンス契約を締結したと発表。同社の創薬技術とノイルイミューンのPRIME 技術との活用で、固形がんへの CAR-T 細胞療法実現を目指す。
近年、新しいアプローチによるがん治療として、免疫の働きを高めて治療につなげる「がん免疫療法」が広がっている。その一つに数えられるキメラ抗原受容体導入 T 細胞(CAR-T 細胞)療法は、免疫細胞(T 細胞)を取り出し、がん抗原を認識する人工的なキメラ抗原受容体(CAR)の遺伝子を導入して増殖させたのち、体内に戻す治療法。
現在、血液がんに対する治療法として使用されている。ノイルイミューンの持つ PRIME 技術は、血液がんのみならず、固形がんに対してもCAR-T細胞を用いた治療の可能性を期待されている。PRIME技術は、遺伝子改変によって、サイトカインのIL-7およびケモカインのCCL19 を CAR-T 細胞に産生させることで、CAR-T 細胞自体の機能を高めることに加え、がん患者自身の免疫細胞を活性化させ、集積を促進する基盤技術で、がんに対する治療効果を発揮することが非臨床試験で確認されている。
同契約は、同社が 2020 年 6 月にノイルイミューンと締結した PRIME 技術の評価に関する契約の実施結果に基づくもの。同契約により、ノイルイミューンは、PRIME CAR-T 細胞の創製および研究に対するPRIME 技術の使用権とともに、当該技術を用いて創製した特定の標的に対する PRIME CAR-T 細胞製品を開発・製造・販売する権利を同社に許諾する。
同社は、契約一時金および技術移転費用をノイルイミューンに支払う。また、開発の進捗に応じたマイルストーンおよび製品の発売に成功した場合の売上高に応じたマイルストーンとして、最大で総額200億円超を支払う可能性があるという。このほかに、製品が発売された場合、売上高に応じたロイヤルティも支払う
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