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武田薬品、世界初のデング熱ワクチンQDENGAがインドネシアBPOMから承認取得

武田薬品工業は2022年8月23日、デング熱ワクチンQDENGA(4価弱毒生デング熱ワクチン )がインドネシア国家医薬品食品管理庁(Badan Pengawas Obat dan Makanan:BPOM)から承認されたと発表。4種すべてのデングウイルス血清型で引き起こされるデング熱の予防を目的に、6歳から45歳が接種対象となる。同剤は、ワクチン接種前検査は不要で、デングウイルス感染歴も問わない。インドネシアで唯一承認されたデング熱ワクチン。

デング熱は蚊が媒介するウイルス性疾患で、発生地域が125カ国以上におよぶ世界的な脅威。近年、インドネシアは東南アジアでのデング熱感染者のほぼ半数が集中している。2022年上半期だけでもインドネシアではデング熱の感染者が6万3000人を超え、34州の455都市で600人近くが死亡した。

同剤の承認は、アジア・中南米のデング熱流行地域に住む4~16歳の健康な小児・若年層被験者2万人以上を対象に進行中のグローバル臨床第3相試験のTIDES試験(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)のワクチン接種後3年間の結果に基づくもの。

同剤は、それまでのデングウイルス感染歴に関係なく、ワクチン接種から3年後もデング熱症状・入院に対して全体的な予防効果を示す。良好な忍容性を示し、現在までのところTIDES試験で重要な安全性リスクは認められていない。
同社が先日発表したTIDES試験での54ヵ月間にわたる追跡調査での長期安全性および有効性の結果では、同ワクチンの有効性および安全性についての良好なプロファイルを改めて確認した。

<臨床第3相TIDES試験(DEN-301試験)>
二重盲検、無作為化、プラセボ対照のグローバル臨床第3相試験のTIDES(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)試験は、小児・若年層被験者が対象。

4種すべてのデングウイルス血清型によって引き起こされる、ウイルス検査レベルで感染が確認されたあらゆる重症度の症候性デング熱の予防で、TAK-003を2回接種した際の安全性および有効性を評価した。

被験者を2:1の割合で無作為に割り付け、 TAK-003 0.5 mL又はプラセボを0ヵ月時及び3ヵ月時に2回皮下投与。同治験は5つのパートで構成された。

パート1の主要評価項目の解析では、TAK-003の2回目接種後12ヵ月までのワクチン有効性(VE)および安全性を評価。

パート2では、さらに追跡調査を6ヵ月間追加。副次評価項目のデング熱による入院に対するVE、デングウイルスの血清型別VE、被験者のワクチン接種前血清状態別VEおよび症状の重症度別VEについて評価。

パート3では、世界保健機関(WHO)の勧告に従ってさらに2年半から3年にわたり被験者を追跡調査することで、ワクチンの有効性と長期的な安全性を評価。

パート4では追加接種後13ヵ月間の有効性および安全性を評価。

パート5では、パート4完了後1年間の長期的な有効性および安全性を評価。

同試験はデング熱流行地域であるラテンアメリカ(ブラジル、コロンビア、パナマ、ドミニカ共和国、ニカラグア)およびアジア(フィリピン、タイおよびスリランカ)にて実施。

これらの地域ではデング熱予防のアンメットニーズが高く、重症型デング出血熱は小児の重篤な疾患および死亡を引き起こす主たる要因となる。ワクチン接種前の血液サンプルを本試験に参加するすべての被験者から採取して、接種前の血清反応(デングウイルス感染歴の有無)別の安全性および有効性を評価することが可能という。




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