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ベーリンガー、スペビゴが米FDAからGPPで承認取得-初の治療選択肢

ベーリンガーインゲルハイムは2022年9月15日、米・FDAからスペビゴ(一般名:スペソリマブ)が「膿疱性乾癬(GPP:Generalized Pustular Psoriasis)の急性症状」で承認を取得したと発表。同剤は米国でPEVIGOで発売されている。同剤はGPPの病因に関連することが明らかな免疫系のシグナル伝達経路であるインターロイキン36受容体(IL-36R)の作用を阻害する新規ヒト化選択的抗体。

今回の承認は、ピボタルEFFISAYIL 1第2相臨床試験の結果に基づく。12週間の試験では、急性期GPP患者が同剤かプラセボの投与を受けた。試験開始時に、患者の大部分は、膿疱の密度が高いか、非常に高い状態で、クオリティオブライフが損なわれていた。1週間後、同剤の投与を受けた患者の54%で膿疱が消失した(プラセボでは6%)。

現在、米国での承認に加え、他に複数の国で審査が進行中。現時点で、同剤はGPPの急性症状の治療薬として、米国、中国、および台湾でブレークスルーセラピー指定を取得。米国と中国で優先審査指定を取得。米国、韓国、スイス、オーストラリアでオーファンドラッグ指定を取得した。台湾では希少疾患指定とファストトラック指定を受ける。欧州医薬品庁(EMA)は、2021年10月にGPPにおける同剤について販売承認申請を受理し、現在評価中。

GPPは尋常性乾癬とは異なり、生命を脅かすおそれのある希少な好中球性皮膚疾患で、痛みを伴う無菌性膿疱が広範囲に汎発することが特徴。希少疾患のため、症状の認識が困難であり、結果として診断の遅れにつながる。

【EFFISAYIL-1臨床試験(NCT03782792)】
同試験は、12週間、急性期GPP患者(N=53)を同剤900 mgの静脈内投与群かプラセボ群のどちらかに2:1の比率で無作為に割り付けて評価した第2相臨床試験。

1週目の時点で、膿疱なしを達成した患者の割合は、プラセボ群の6%に対し、スペソリマブ群で54%だった。

1週目の時点で有害事象を報告した患者の割合は、スペソリマブ群で66%、プラセボ群で56%。感染症を報告した患者の割合は、スペソリマブ群で17%、プラセボ群で6%(1週目の時点)。重篤な有害事象は、スペソリマブ群の6%で報告された(1週目の時点)。

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