【論文0005】独居の高齢者の死亡率は上がるのか:シンガポール縦断老化研究

Mortality of older persons living alone: Singapore Longitudinal Ageing Studies.
BMC Geriatr。 2015; 15:126
Authors: Ng TP, Jin A, Feng L, Nyunt MS, Chow KY, Feng L, Fong NP
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26470796
PMID:26470796

背景:
高齢者の独居状態と死亡との関連を, 夫婦、健康状態およびその他の要因(年齢層、性別、婚姻状況、およびADLの障害等) により調査.

手法:
2003年9月1日から2011年12月31日までの8年間の死亡データを使用. シンガポール縦断老化研究(SLA)の参加者2553人コホートのフォローアップ. 一人暮らしと死亡との関連を, コックス比較ハザードモデルを用いたハザード比を推定.

結果:
参加者うち, 7.4%(N = 189)が一人暮らし、および227(8.9%)がフォローアップ期間中に死亡. 婚姻状況、健康状態(高血圧、糖尿病、慢性肺疾患、脳卒中、心臓病、腎不全、ADL障害と抑うつ症状), 他の変数(年齢、性別、住宅型)について調整した結果, 高齢者の独居では死亡率が上昇. ハザード比は1.66(95%CI、1.05〜2.63). 女性よりも男性(HR = 2.36、95%CI、1.24〜4.49)の方がリスク増(HR = 1.14、95 %のCI、0.58から2.22).

その他の結果については省略

結論:
高齢者の独居は婚姻状況, 健康およびその他の変数とは独立して, 死亡率の増加と関連がある.

【感想】
交絡の影響はもちろん考慮しつつも,
高齢者を独居のまま加療するよりは, デイサービスやグループホームなど, 人との触れ合いの場所の確保をもっと考えても良いのかなと愚考しています.
このあたりのテーマの関連論文も追っていきたいですね.

注:
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