投与速度からオピオイド注射薬を提案した事例
どうも、ふぁるまりです。
オピオイドを開始する際、色々なことを考慮していると思います。
肝機能、腎機能、剤型、服薬回数、副作用。。。
また、一度使い始めても状態に合わせてオピオイドローテーションを行います。
内服薬が飲めなくなれば、貼付剤あるいは注射薬への変更が必要です。
今回は注射薬に焦点を当て、特に持続皮下注射の提案を行った時のことを、紹介したいと思います♪
拙い文章ですが、お付き合い下さいm(._.)m
ある日、病院の地域連携室から退院時カンファレンスに呼ばれました。
いつも懇意にしていただいている往診の先生は、オピオイドやTPNを使用している患者さんに関しては、薬局も呼ぶように言ってくださるので感謝しかありませんね(;^ω^)
使用薬剤はオピオイド以外割愛します。
内容は
『オキファスト注1%、原液で0.7mL/hrを持続皮下注』
で、傾眠ありのため週末に減量予定とのこと。
カンファレンスは翌週金曜日のため、週明けに詳細送ります、と。
もうこの時点でソワソワ。。。
そして、週明け月曜日。
詳細来ない(´・ω・`)
火曜日、催促するのも悪いなと思いつつこちらから電話。
「オキファスト注、0.8mL/hrに増量してますねー」
増量。。。
しかも、
「退院は土曜日です」
カンファ翌日やん(´・ω・`)
さて、現段階で検討すべき問題は何でしょうか?
土曜日退院だったら麻薬の準備が。。。
と思うかたも多いと思います。
もちろんそうなんですが、私が気になったのはタイトルにもあるように、
『投与速度』
です。
というのもオピオイドの持続皮下注に関しては、皮下からの吸収は1.0mL/hrが限界とされています。
レスキューでも同量入ると考えると、レスキューの効果遅延や、痛みを感じるケースがあります。
0.8mL/hrは許容かもしれませんが、週末に増量した経緯と、オキファスト注には高濃度の製剤がないことを考えると、増量の限界が近いと考えられます。
とりあえず往診の先生に電話で情報共有。
ふぁる「というわけで、現状のままだと家に帰ってからローテーションの可能性があるので、入院中にモルヒネかナルベインへの切り替えを検討していただいたほうがよいと思うのですが、いかがでしょうか?」
往診Dr.「病院に依頼しておいてー」
というやり取りをしたうえで、地域連携室に依頼。
めでたく即日切り替え開始、カンファまでにはナルベインでコントロール良好。
流速も抑えられていますし、ナルベインは高濃度製剤があるため、増量にも対応可能。
退院時カンファで薬局が確認することは退院時処方くらいで、スムーズに終了。
退院時処方の際はバルーンポンプに切り替えだったので、週明け交換で良さそうだなーと安心していました。
土曜日、スムーズに退院できたようで、往診医もすぐに訪問へ。
すると往診医からの電話。。。
往診Dr.「注入部分の痛みがあるから、今日から交換するわ。1.0mL/hrのバルーンで帰ってきてる。」
1.0mL/h。。。
何のためのやり取りやったんや(´・ω・`)
とまぁ、オチこそ残念な感じでしたが、退院をスムーズにできたという意味では割といい対応だったんじゃないでしょうか?(自画自賛)
まとめ
・オピオイド持続皮下注は1.0mL/hrが限界
・高濃度製剤を使って高用量に対応する
・退院時カンファレンスの前にも積極的に介入する
長々と書いた割にまとめると3行(^_^;)
でも3つ目は意外と大切です。
末期がんの場合、できるだけ早く退院させたいケースがあります。
退院後にあれこれ変えて体調が悪くなった場合、それが病気の経過によるものであっても、不信感につながることもあります。
また、自宅での皮下注の切り替えは何かと不便です。
病院の方が患者さんも安心して切り替えを受け入れられるかなと思います。
ご自宅でのコントロール不良は、ご家族の負担にもなりかねませんしね。
ご自宅でできない訳ではないですが、時間が許す限り入院中に落ち着かせておいて、帰ってからの悩み事を少しでも減らしておくことが重要だと考えています。
以上。
ご意見などありましたらお気軽にm(__)m
それではまたー('ω')ノ
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