海外で必要とされるコミュニケ-ション能力
フランスでは専門学校の卒業後にスタジエ-ル(お金を頂いて研修が出来る制度)と言うのがあります。
春夏のパリコレの時にエマニュエル.ウンガロのメゾンでスタジエ-ルをしていた時の事です。パリコレは1つのメゾンの中にドレス部門とジャケット部門の2つに分かれていて私はジャケット部門で仕事をしていた時の事でした。
私自身、仕事に集中している時にはどちらかというと会話をしながらということは苦手なタイプでした。
ある時、隣のフランス人の同僚が突然私に向かって「エツコ、どうして私たちとおしゃべりしないの」と言ってきたのでした。最初は何のことかわかりませんでしたが周りをよく観察していたら、フランス人は手を動かすよりもおしゃべりの為に、口を動かす人が多く、不思議なことに彼らにとってそのことはとても大事なことなのでした。
「でも、日本ではあまりおしゃべりしながら仕事をしてはダメだと言われます」と話したら「ええっ、どうして」と「どうしてといわれても…どうしてなんだろう」としか答えられない私でしたが、フランス人にはとてもびっくりされました。
海外では、はっきりと意思表示をしなくてはならない文化です。日本でははっきりと物事を言ってはいけない文化になり、このことが自分にとっては非常に困難を要したのでした。
ただ、なんでもいいので話せばいいというわけではありません、まずは自分のきちんとした考えを持ちそれを言語化し、そしてフランス語に直すという作業になるのです。
単語を伝えるだけで、何となく理解してもらえたりする日本とは違い、外国では何となくわかってもらえるということがないに等しい。最初から最後まで文章にして離さなくてはならない。まして、フランス語は同じ形容詞や副詞の単語を文章の中で2度使うことはタブ-なことです。文章がきれいではないということ、インテリジェンスがないということであまり好まれないのでした。
フランスは「人種のるつぼ」と言われるくらいたくさんの外国人がいて宗教、文化が異なる。と言うことは、黙っていては何を考え、どういう人なのかがわからず相手を戸惑わせることになり、不審に思わせることとなります。
そこで、たとえ違う意見でも自分の考えを相手に伝えることによって、相手は安心して理解することが出来、打ち解けることが出来るようになるのです。常に話すということと笑顔を見せるということが海外では大事なことの様です。
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