インク工房でインクを作っていただいた

インク工房に行った

2021/04/24,25に静岡の四葉商会「文具館 四ツ葉静岡店」にてセーラー万年筆のインク工房が開かれるというので、妻と2人で行ってきました。

実は、昨年も同時期に開かれるはずでした。実際、予約までしたのですが、コロナ禍の影響により中止になっていました。同店舗でのインク工房が開かれるのは、2年ぶりということになりました。

妻は、以前の色を復元していただいた

妻は、以前作っていただいたインクのカード(再現するために番号が書かれています)をなくしてしまっていたので、残ったインクの入ったペンを持って行ってほぼ同じ色を作ってもらいました。

わずかにのこったペンの中のインクですが、どういうわけか薄くなってしまっていたので、紙に書いても、記憶よりも薄い色の線になってしまいました。そのため、インクブレンダーの石丸さんと相談しながら色の調整を行いました。

さすがは石丸さんです。妻と会話をしながら色を調整し、以前のインクとほぼ同色のものを作られました。私が見た感じでも、以前のインクと大変似た感じになっていました。

私は、デルタのセピアに似せた色を作っていただいた

私はというと、デルタのセピアに似た色を作っていただくようにお願いしました。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、デルタ社は、万年筆の老舗メーカです。それが、近年つぶれてしまいました。
私は、デルタのセピアのインクが大変気に入っていて使っておりました。潰れる前も同インクがおいてある店は少なくて、手に入れるのには苦労をしました。最近は、2本の瓶に半分以下しか残っていないのをちびちびと使っておりました。メーカーが潰れた以上、いずれインクがなくなるのは必然です。このため、似たようなセピアのインクを探したのですが、違うメーカーの「セピア」の名前を冠したインクは、デルタのそれとはかなり違う発色をしていました。それらにシフトする気にはなりませんでした。
このため、今回、石丸さんにお願いして「デルタのセピア」に似たいろをつくっていただこうと考えました。

このため、僅かに残っていたデルタのセピアインクの瓶を持参して石丸さんに差し出しました。石丸さんなら同じような色を再現することができるだろうと期待をしていたのです。
インクを見た石丸さん「うーん」とうなられました。ちょっと困った顔をされていました。

石丸さんに難しいですか? とおたずねすると、次のような旨のお話をして下さいました。

手元にある材料には限りがある。よってそれらを組み合わせて作る色の種類にも限界がある。この色を手持ちの材料で再現するのは難しそうだ。

近い色になればそれで十分ですと、無理にお願いして作っていただくことにしました。
石丸さん、色々なインクを混ぜ合わせて色を作ってくださいました。しばらくして「おっ」という声を上げ笑顔を見せられました。
これでどうでしょう? といわれて試し書きしてみると、かなりデルタのインクに近い色ができていました。ただ少々明るい感じでした。石丸さんも「もうちょっと黒を入れてもいいかと思ったんですが、それだと大きく変わってしまいそうなので」と説明されました。
そこで、黒をわずかに加えていただくことをお願いしました。デルタのそれとは全く同じとまではいいませんが、かなり似た感じの色になりました。少なくとも他社のセピアインクよりはずっとデルタに近いものになっていました。その色を完成として瓶におさまる量を作っていただきました。

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1日ずれたら今年も中止になっていた

東京、大阪など、25日より3回目の緊急事態宣言に入りました。もし、24日からとなっていたら、静岡でのインク工房は、中止になっていたそうです。実際、東京では中止になったお店もあるのだとか。私達は、運がよかったのだと思います。
考えてみれば、この日のインク工房も、建物の5F、店舗ではないところで実施されていました。以前は、1Fのお店の中で、他のお客さんも見られるような形で行われていましたから、感染予防には大変気を使われていたのだと思います。

新しいインク用にもう1本万年筆を購入するかどうか? ちょいと検討中です。せっかくなので、退職記念で以前から欲しかったものを買ってもいいかなぁと考えております。

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