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割に合わない

先日、私より若い薬剤師と話をする機会があった。

入社して2〜3年目くらいの薬剤師が退職したというのでその理由を聞いたら、「割に合わない」からだそうだ。
その薬局の状況は私も少しは知っているが忙しい時は広い待合室でも立って待つ患者で溢れかえることがあった。忙しい日は処方箋数は1日500枚をこえることもあるそうだ。
確かに若い時期に肉体労働的な環境で投薬枚数を多くこなしても中身は伴ってこないと感じるし、給料も安いからモチベーションも維持しにくいだろう。

私が初めて働いた薬局は総合病院の門前で循環器科やら消化器科やら精神科やらの剤数の多い処方箋を内容もよくわからず調剤して投薬していた。20年くらい前の話なので現在と状況は違うのだが、9:00〜18:00勤務の予定が8:30〜20:00くらいまで毎日働いていたと思う。それでも仕事終わりに少し飲んでから帰宅していたのでよく体力が持ったものだ。
その薬局で薬の名前をたくさん覚えることが出来たのはいい経験になった。
その後は主に高血圧の患者を診るクリニックの門前で働き、専門の面白さを知った。
そして派遣薬剤師として様々な薬局にお世話になり知識量はそれなりに増えていって、これからも学んでいかないといけないなと常々感じる。

辞めていく薬剤師が言った「割に合わない」は、仕事量の割には給料が少ないなのか、仕事量の割には薬剤師として得られるものが少ないかで印象がだいぶ違うなと感じた。

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