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【飼育放棄】ブリーダーはどうして引退犬を手放すのか。

こんなコメントをいただきました!

「どうしてブリーダーは引退犬・猫を手放すのか。」
「最後まで飼育してほしい。」
「繁殖を引退した母親は用済みなのか。」
「それは優良なブリーダーなのか?」

という、とっても愛のあるコメント。

このようなご意見に対して、私はこう考えています。

ブリーダーが手放す本当の理由

私は、ブリーダーが引退親を手放すことに対して、悪質な行為であるとは思ってはいません。

むしろ、手放すという行為は、繁殖引退後の生活をより豊かにしてあげるためのブリーダーとしてのプロとしての行為だと考えています。

ブリーダーは、毎日たくさんの命を守っています。ですが、その守れる頭数には限りがあります。

全頭手元においておくと、いずれ多頭崩壊してしまいます。


そしてなにより、1頭だけに愛情を捧いであげる時間に限りがあるのがつらいのです。これがブリーダーの本音です。

「近くにいる1頭を可愛がると、他の母親が嫉妬していじめが起こる。」

これはブリーダーの現場ではよくあることです。

一般家庭とは違い、甘えたい時に、甘えることはできないのです。

他の母親犬に見つからないように、陰に隠れて「よしよし」と甘やかしているのです。

それが、ブリーダーにとって、心苦しく、手放す理由のひとつになっています。


優良なブリーダーの環境下では、徹底した食事管理・衛生管理が行われています。
こういった質の良い暮らしは、一般家庭より上手でしょう。

しかし、それが豊かな暮らしであるかどうかはまた別なのです。

犬にとって豊かな暮らしとは

飼い主さんとドックランやドックカフェに行き、夜はテレビの前で夜更かしをする。

おやつをもらいすぎてしまう。

かわいいお洋服をきる。

気が済むまで抱っこしてもらう。

このような日々は、ブリーダーは過ごせません。過ごせたとしても数日でしょう。

引退した親犬にも、こうした豊かで愛情があふれる日常を過ごしてもらいたいとブリーダーは願っているのです。
群れのなかでの1頭ではなく、家族としての1頭になってほしいと願っているのです。

ブリーダーは、ブリーダーなりに愛情をかけますが、やはり限りがあります。

だから、ブリーダーは手放す決断をし、里親さんに譲渡をしています。


動物を愛している多くのブリーダーは、信頼できる里親さんへ残りの生涯を託したいと考えています。

それは悪徳な行為ではなく、ブリーダーとしての愛のある見切りなのです。

ですが、多くの繁殖を終えた引退犬は保護団体を通じて「ブリーダー飼育放棄 繁殖引退犬 保護犬」として里親募集をされています。

本当にいらないから手放したのか、これからの幸せを願って手放したのか、里親さんに分かるすべはありません。


これからのペットの実家は、不透明な「引退犬」をよりクリアに譲渡していくため、
繁殖を引退した犬・猫をブリーダーが直接譲渡する仕組みを整えていきます。

この子たちの最後のおうちを見つけるために。