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健康な犬猫を探すために必要なこと

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元ペットショップ店長であり、現在はブリーダーから直接お迎えすることができるように仕組みを作っている私が、経験した選び方を伝授します。
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【飼育放棄】ブリーダーはどうして引退犬を手放すのか。

こんなコメントをいただきました! という、とっても愛のあるコメント。 このようなご意見に対して、私はこう考えています。 ブリーダーが手放す本当の理由私は、ブリーダーが引退親を手放すことに対して、悪質な行為であるとは思ってはいません。 むしろ、手放すという行為は、繁殖引退後の生活をより豊かにしてあげるためのブリーダーとしてのプロとしての行為だと考えています。 ブリーダーは、毎日たくさんの命を守っています。ですが、その守れる頭数には限りがあります。 全頭手元においてお

ペットオークションでさえ出禁になる悪徳ブリーダー【オークションの闇】

ペットオークションという場所をご存知ですか? ブリーダーがオークション会場に持ち込み、ペットショップが買い付ける場所です。 この流通方法では、犬や猫の出生環境が分からないため、ペットオークションは悪徳ブリーダーの温床だと言われています。 ですが、、、 本当に悪質なブリーダーはペットオークションさえ出禁になります。 ペットオークションも、ペットショップもなるべく健康な子を買い付けたいのは当たり前です。小さくてかわいいだけでは高値にはなりません。 なるべく治療すること

保護犬を引き取る前に【保護団体も購入を選択する】

今回は保護犬・保護猫について話していきますが、 まずはじめに。保護活動をしている方、保護動物を選択肢に入れている方、 保護動物と暮らしている方に対しては、本当に尊敬しています。 が、今回は、こんな話をよく聞くので紹介します。 実は、保護動物の譲渡会を開けるほど動物に慣れている人が、 ワンちゃん猫ちゃんを購入することもあるんです。 なぜペットとして、わざわざ購入を選択するのか。 「命を買うな!」とスローガンを掲げてSNSで発信している保護活動運営者が、なぜ隠れて購入を

ブリーダーからお迎えするより、ペットショップをおススメするワケ

はじめに私は以前ペットショップの店長をしていました。退職後、現在は厳選した優良ブリーダーからお迎えすることができるペットの実家を運営しています。 そんなペットショップもブリーダー直販もどちらも経験した私が、双方の裏側と、どちらからお迎えした方がいいのかを綴ります。 ペットショップよりブリーダーのほうが、いいんでしょ?このページをご覧いただいてる方は、ペットショップに対しての疑問を持ち、「ブリーダーから直接お迎えした方がいいのかな」と思い、色々と調べていらっしゃる方だと思い

ペットショップは病気を隠したの!?

今回はこんな質問がめちゃくちゃ多いので、解説していきます! このような、「お迎えしてから内臓奇形が見つかった。」「先天性が見つかった」という相談は実はたくさんあります。 そして多くの飼い主さんの疑問が、 という内容です。 ほんとに同じ販売者として心苦しい相談です・・・。 ペットショップは隠していたのか?もちろん隠しているケースもありますが、実際には販売者自身もその病気に気づいていないケースが多いです。 ワンちゃんや猫ちゃんを「購入」してお迎えすると、 「健康な子を

食器用洗剤で猫を洗えだと?【悪徳ブリーダーの真菌対処法】

という相談をいただきました。 食器用洗剤で猫を洗うなんて聞いたことがありません。 しかも2週間に1度という高頻度。 よくよく聞いてみると、 と・・・・ その言葉を聞いてハッとしました。 除菌しないといけない。 かつ高頻度でシャンプーしないといけない。 おそらく真菌を隠して引き渡されたと。 真菌は皮膚が炎症を起こし禿げます。そして人にもうつる感染症で、治療には何か月もかかります。 真菌専用のシャンプーもそこそこ高いです。 確認すると、やはり真菌の症状がありました

【病気】陣痛が分からないほどの痛みを抱えるスコティッシュフォールドの骨軟骨異形成症とは。

現在スコティッシュ・フォールドと一緒に暮らしている方、またこれから一緒に暮らしたいと考えている方、ぜひ最後までご一読ください。 スコティッシュフォールドの折れ耳と向き合うちょこんと折れた耳がかわいいスコティッシュ・フォールド。現在国内で13年連続人気ナンバーワンの猫種です。折れた耳がかわいいのはもちろんですが、おとなしくて人懐っこい性格も人気になっている要因のひとつです。 「スコティッシュ・フォールドは猫初心者でも飼いやすいと聞きました」 と、スコティッシュ・フォールドを

再生

実は健康な子をお迎えする近道は親を確認すること。

福島県西白河のミヌエットブリーダーさん。 広いお家でのんびり生活中。 ペットの実家では、血統書やペットショップでは分からない”親や兄弟の顔”を見せている。 元気で健康な子をお迎えするためには、実は親を見ることが大切だからだ。 例えば猫ならスコティッシュやマンチカン、ミヌエットの折れ耳や短足は、それぞれ交配していい相手が決まっている。 スコティッシュなら折れ耳×立ち耳 マンチカンやミヌエットなら短足なら短足×足長 折れ耳同士や短足同士で交配すると重度の疾患を持つ子が生まれてくる可能性が高くなるためだ。 じゃあ犬はどうかと言われれば、毛色がこれに該当する。 フレブルは白系の子が珍しく高く売れるけれど クリーム×クリームなどの繁殖は禁物。クリーム色は内蔵の疾患を抱え易いのである。 そのためフレブルの交配はパパ、ママどちらかはブリンドル(黒)が望ましい。 プードルは反対に同じ色同士の交配がベストとされてる。 親の顔が分からないまま、例えばペットショップでお迎えすると血統書は購入後暫くしてから届く。 すると、血統書を見てはじめて親の毛色が分かったりするのだ。 私たちは、ワンちゃん、ネコちゃんたちとその家族のために親を見せている。 親を見せる、見ることによって悲しい連鎖を断ち切ることができるように。 https://petzik-breeder.co.jp/

優良ブリーダーの条件って、最低限じゃない?

私は犬や猫の【優良ブリーダーの基準】をもっと高くし、さらに厳選した優良ブリーダーさんが得する仕組みを作りたい。 優良ブリーダーの基準は、法律で決まっている訳ではなく、団体や会社によって考え方が異なるが、この基準についてに疑問がある。 例えば、ある優良ブリーダーの基準を要約してみると、 反社会的勢力ではなく、日本の法律を守り、顧客には速やかに対応すること。かつ計画性もって繁殖し、血統書を発行すること。 となっている。 つまり、親に混合ワクチン打ってなかろうが、”優良”

【業界人が語ります】究極の雑種ミヌエットをかわいそうだなんて言わないで!

ミヌエットは、ペルシャ系(ペルシャ・エキゾチック・ヒマラヤン)の猫とマンチカンのMIX猫で、1990年代に誕生したまだまだ珍しい猫種です。 足が短い猫のため、身長が低いとされているフランスの皇帝「ナポレオン」と名付けられたのがはじまりです。その後フランスからお叱りがあり(!)2015年に名称が変更されミヌエットとなりました。 この新しい猫種のミヌエットがかわいそうだと言われますが、本当にそうでしょうか? 1 ミヌエットがかわいそうと言われている訳ミヌエットに限らず、短足

元店長直伝!ペットショップの選び方

私はペットショップの店長として働いていたことがあります。 その経験を元に、ちょっとマニアックなペットショップの選び方、けれど健康な子を選ぶための条件8選をご紹介します! 1 臭い動物がいるので臭うのは当たり前ですが、悪臭・刺激臭は要注意。 私たちスタッフはうんちの臭いで症状が分かるようになってくるのですが、 パルボウイルスのうんちは本当に臭いです…。感染率も致死率も高いのでもし悪臭を感じたならそこで感染症を発症している可能性が高いです。 掃除が行き届いていない可能性もありま

ペットビジネスの闇。日本の犬は遺伝病を持っている可能性が高い。

そもそも遺伝病(遺伝性疾患)とは、染色体や遺伝子の変異によって発症する疾患をいいます。 純血種は、日本に限らず特定の地域で近しい血統の繁殖を人為的に繰り返し行ったこと(近親交配や親戚間での交配、似た特徴を持った交配)により、血が濃く、そしてその品種の発症しやすい病もより強く受け継がれてしまいました。 しかし、日本の遺伝病発症率は欧米に比べて高いのです。なぜでしょうか。 理由は大きく分けて3つあります。 1 CMなどのブームに左右されていること。CMで犬が使われると、そ

短足猫はかわいそうなのか。飼い主さんに知ってほしい交配のこと。

ずんぐりむっくりとした、短足猫。ちょこまか動いてかわいい・・・。 キッチンなどの高いところには登れないため、お留守番中も安心して出かけられます。 反面、爪は切りづらいです。そして足腰に負担がでないようにマットは敷いた方がいいでしょう。 短足の奇形について短足で有名なマンチカンは骨軟骨異形成 通称OCDという骨の遺伝病があります。 主に足にコブができる病で、正常な関節の運動ができず、慢性的な関節炎の原因になります。この遺伝病の好発猫種といえばスコティッシュフォールドです。治

【獣医師監修】本当の優良ブリーダーの見分け方、質問は8つ!

優良ブリーダーの条件って、最低限?「悪徳ブリーダー」は誰が見ても分かりやすいと思います。劣悪な環境。手入れしていない、糞尿まみれの毛並みなど・・・。 しかし、悪徳ブリーダー以外のブリーダーの見分け方は難しいのではないでしょうか。現に、悪徳ブリーダー以外を「優良ブリーダー」と呼ぶ風潮があります。例えば、こんな優良ブリーダーの基準。 つまり、親に混合ワクチン打ってなかろうが、”優良”認定されているということ。 遺伝的疾患があった繁殖を行っている場合でも、”優良”ということ。