膿皮症と薬用シャンプーについて
院長の水越です
今日は膿皮症という皮膚病について書きたいと思います
膿皮症はもともと皮膚にいる黄色ブドウ球菌という菌が原因で起こる皮膚炎です
健康な皮膚にもいる常在菌であり、他の細菌やウイルスなどから身を守ってくれるいい菌でもあります
それが異常に増えすぎることで皮膚炎が起こるのが膿皮症です
なぜ、常在菌が異常に増えるのか?ということがポイントです
例えば、
免疫力の低い子犬や老犬
病気で免疫力が低下している(特にホルモン異常など)
高温多湿な環境
体質(アトピー体質、脂漏や乾燥などの皮膚性質)
体の特徴(皮膚にヒダがあるなど)
などの原因が考えられます
常在菌が増える理由を突き止めて、そこを改善しなければ膿皮症は繰り返し起こります
子犬の膿皮症であれば、成長とともに体が強くなり、膿皮症は起こらなくなっていきます
ホルモンのバランス異常であれば、そのホルモン疾患に対する治療によって防ぐことができます
でも、アトピーや脂漏など、ずっと続く体質的な問題であれば、治すことが出来ないので上手に付き合っていかなければなりません
シャンプーや保湿などのスキンケアを行ったり、お薬の力を借りるなどして、かゆみを抑え、皮膚のコンディションをより良い状態に保つことを目指します
高齢であったり、体質的な問題であったり、完全に消えない問題がつきまとい、膿皮症を繰り返す場合は殺菌力のあるシャンプーによる薬浴を定期的に行ったり、消毒薬を患部に塗るという方法が有効です
抗生物質の長期投与や、飲んだり飲まなかったりを繰り返すことはおすすめできません
抗生物質に対して抵抗力を持つ耐性菌が増えてしまうからです
耐性菌が引き起こす膿皮症はとても厄介です
それを避けるために、殺菌シャンプーを使って薬浴をします
シャンプーは自宅でもできますし、トリミング室にお任せいただくことも可能です
PET WELL clinic では、シャンプー前に獣医師による皮膚のチェックを無料でおこなっています(希望者のみ)
わんちゃんの膿皮症、その他の皮膚のトラブルで悩む飼い主様の力になりたいと思っていますので、何かあればご相談ください
お知らせ
5月21日(火) 12時以降は院長不在となります
午後の診察は代診の獣医師が担当します
院長 水越の自己紹介です
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