夏に起こりやすい皮膚病

院長の水越です

蒸し暑い日が続きますね

日本の夏は高温多湿なので、全身が毛でおおわれているわんちゃんねこちゃんにとっては過ごしにくい季節です

今日は日本の夏に起こりやすいわんちゃんの皮膚病について書きたいと思います

皮膚や毛にはブドウ球菌やマラセチアというカビが住みついています

どちらも常在菌として動物と共存しており、多くの場合は悪さをしません

高温多湿の日本の夏は菌やカビにとっては居心地が良く、繁殖しやすい季節です

普段は悪さをしない菌でも、増えすぎることで皮膚炎を引き起こすことがあります

ブドウ球菌が増えることで起こる「膿皮症」は、ワンちゃんに最も起こりやすい皮膚炎です　写真のような湿疹が特徴です

特に子犬や老犬、ステロイド剤の服用、ホルモン疾患などの基礎疾患がある場合など、免疫力が低下しているわんちゃんに起こりやすいです

マラセチアが増えることで起こる「マラセチア皮膚炎」は首〜脇の下、内股、お尻周りに起こりやすく、脂っぽいベタつき、発酵臭、皮膚の赤みが特徴です

油っぽい体質のわんちゃんで起こりやすいです

アレルギーとの関連もあり、かゆみなどの症状が長引きことが多いです

菌やカビを殺すための内服薬、外用薬とシャンプー療法が有効です

特にマラセチアは油を落とすことが重要なので、定期的なシャンプーを続けることが必須です

不適切な投薬（合っていない抗菌薬、ステロイドの長期投与など）によって、症状が悪化したり、長期間持続することもあります

「あやしいな」と思ったら、一度ご相談くださいね