COMIC FUZ新規加入者向け。最近始まったオススメのきらら漫画紹介

こんにちは。ペッタ~です

最近「まんがタイムきらら」が盛り上がっているなぁと強く感じていて、なぜかというと「まちカドまぞく」や今期だと「ごちうさ3期」や「おちフル」などの質の高い作品が次々と映像化されていて純粋にきららに興味を持ってくれる人が増えたのかなーと考えてます。

そうした最速で作品を追いたい人のために芳文社は「COMIC FUZ」という自社製アプリでリーズナブルな値段で漫画を提供していて、これに新しく加入した・してる人も多いかと思います。

480円で0時からきらら系列4誌を直近3ヶ月分が読み放題ってめちゃくちゃお得ですよね(ちなみにライトプランの他に上位プランがありますが、アプリ内通貨がおまけで貰えるだけで提供サービスに違いはありません)物理雑誌を2冊買うより安い。

しかし一方でアニメでハマった作品以外は話が進んでいてどの作品を読めばいいのか分からないという声があります。

これはきららに限らず新しく漫画雑誌を購読しようとすると、どうしても避けられない問題ですよね。

そこでこの記事ではきららオタクの自分が比較的最近連載がスタートしてかつ面白い!って思える作品をいくつか紹介します。一緒にこれからのきららを賑やかす作品を盛り上げれたら幸いです。

紹介はきらら系列4誌の内4コマの作品を専門にしている3誌(無印・MAX・キャラット)それぞれについて「未単行本化部門」と「1巻刊行部門」に分けて行います。なぜ3誌に分けるのかというと、よく「きららってどれ買ったらいいかわからない」ってくらい「きらら○○」って名が付く雑誌がありますが、実際には雑誌ごとの作品に共通する雰囲気や編集部の方針みたいなのがあるのでちゃんと読むと意外と差別化されているんですよね。

なのでこの記事を通してそうした部分も感じ取ってくれると嬉しいなと思います。

それでは行ってみましょう!

まんがタイムきらら(無印)

きらら○○って後ろに単語がつかない一番シンプルな名前を持つ雑誌です。当然歴史も一番古いのですが、少し前まで雑誌を支えるハズの長期連載作の定期的な休載が重なったりその結果大量の読み切りでなんとか誌面を埋めていた苦しい時期があったのですが、最近はその傾向も改善されて刺激的で挑戦的な作品が増えました。逆説的にポテンシャル的に言えば高い雑誌という言い方も出来るかもしれません。

「未単行本化部門」

はなまるスキップ(作:みくるん先生)

はい、早速「きららっぽい」可愛らしい絵柄ですね。それに取り上げている題材もピクニックといういかにも「事件が起きなくてホワホワした"日常系"」に見えます。ですがこの作品の本質は内容の無秩序さと絵柄のギャップにあります。

まず登場人物たちはピクニックを愛する者たち同士の集いとして「ピクニック同好会」を結成しているのですが、彼女たちはこの手の部活モノで定番である放課後とか休日にピクニックに行っているわけではなく、学校内で適当に昼寝してそのまま授業をボイコットしています。しかし部に昇格して待遇してもらいたい彼女たちはメンバーの一人が担任の先生の妹なのをいいことに強請りを行ったり...などとにかく行動に倫理観や道徳が皆無です。

ひたすら目の前の欲望に忠実なのに、やたら他人には厳しく、現時点でほぼ唯一の常識人の生徒会長が辛辣な言葉を浴びせられて主な被害者になっています。

可愛らしいキャラクターから放たれる毒マシマシの言動は脳にスッと浸透してきて思ってた以上のダメージを与えます。

『はなまるスキップ』(著:みくるん)まんがタイムきらら2020年11月号124ページより

『はなまるスキップ』(著:みくるん)まんがタイムきらら2020年12月号124ページより

最新話が更新されるたびにTLのきららオタク達が口をそろえて「治安が悪い」と言うのも納得です。

さらに内容だけじゃなくてこの漫画には大きな特徴があります。それが「柱芸」。きらら漫画は雑誌に掲載される際4コマの隙間にあらすじや登場人物——所謂柱を描いておくのが通例で、しかも基本的には漫画の内容を汎用的に説明し毎月ほぼ文面が変わらないのですが「はなまるスキップ」はあらすじ文やキャラの紹介文が毎月大きく変わって、これだけである種のギャグとして機能させているんですよね。

『はなまるスキップ』(著:みくるん)まんがタイムきらら2020年10月号98ページより

これ何かというとこの回の先月号で警視庁の受け子防止啓発の広告が雑誌に挿入されていたのですが、その文面をパロってるんですね。

こうしたライブ感もこの作品の魅力です。なので(おそらくは単行本でもこの柱芸は掲載されると思いますが)ある意味で雑誌で追うのがとても楽しくて、毎回自分もワクワクしています。ブラックコメディを超えたナニか、倫理観の向こう側、今一番刺激的でカオスなきららを目撃せよ!

しあわせ鳥見んぐ(作:わらびもちきなこ先生)

きららの定番ジャンルの一つに趣味モノがあります。最近だと「ゆるキャン△」が一番知名度が高いでしょうか。この手の作品は作者の実体験や綿密な取材を基にすると漫画として引力がぐっと上がりますよね。例えばゆるキャン△でオタクの間にキャンプブームが起きましたが、なぜかといえば作中のキャンプ描写がとても楽しそうで自分もキャンプに行きたい!って思わせる力があったからだと思います。

そうした中でそのフォーマットの最先端を行く作品が「しあわせ鳥見んぐ」じゃないでしょうか。題材としてはバードウォッチングを扱ってますが野鳥の説明もとても詳しいし、何といってもとにかく自然の描写が美麗で個人的に初めて「ゆるキャン△」を読んだ時の感動に近いですね。

特に上から下へ視線が強制される4コマフォーマット特有の「縦の空間」を贅沢に使った自然と野鳥が融合した描写は圧巻の一言です。

『しあわせ鳥見んぐ』(著:わらびもちきなこ)まんがタイムきらら2020年12月号56ページより

この構図凄くないですか?2.5コマ分のスペースを使って空を描いているんですけど上から下に読み下す4コマの視線誘導が合わさって背景の立体感がとんでもなく出ているんですよ。

ストーリーとしても題材に悩む美大生がバードウオッチャーと出会いバードウォッチングを始めるというもので、既に趣味として内面化してる人間の視点と初めてウォッチングを始めた人間の新鮮な感動という視点の対比で物語を飽きさせない工夫があります。

現在5話目でまだギリギリ文脈を追えるレベルかなーと思うので是非読んで欲しいと思います!あなたも鳥を観察したくなるはずだ!

「1巻刊行部門」

むすんで、つないで。(作:荒井チェリー先生)

※以下レビュー文には第1話・第2話における重大なネタバレが含まれますがとにかく興味を持って欲しい、手に取って欲しいとの想いで悩んだ結果です。ネタバレ抜きで読みたい人は慎重に飛ばしてください。

数々のきらら作品を手掛けてきた超ベテラン作家の荒井チェリー先生が満を持して送る新連載です。

しかし内容は王道どころか第1話から衝撃の展開を迎えます。

いかにも親友CPとして話が進みそうな上の二人ですが、なんと花ノ子(向かって右のロング髪の娘)は山でかくれんぼした結果行方不明になりそこで第1話が終了します。

『むすんで、つないで。』(著:荒井チェリー)1巻17ページより

そして混乱のまま第2話を読むといきなり6年後まで時間軸が飛んで高校生になったつなぐ(左のショートの娘)のところに6年前のままの姿の親友が現れるんですね。

『むすんで、つないで。』(著:荒井チェリー)1巻27ページより

神隠しかと思ったら別々の時間軸が繋がったSFものだった

そして混乱しながらも花ノ子は小4として人生を6年後の世界で再スタートするわけですが、親友であるつなぐの方は既に高校生になってしまったので、かつてのようなコミュニティでの交流が不可能になってしまうわけです。

ここら辺が流石ベテランだなと個人的に思っていて、近年のきららは「常に物理的にいっしょにいなくてもテクノロジーの進歩や価値観の変遷により繋がりが保たれる現代風のコミュニティ」というものが大きなトレンドになりつつあります。

↓参考

そうした潮流に対して「この間まで同い年だったのに急に6歳も年が離れてコミュニティが強制的に変わってしまった」というある種意地の悪い問いがこの作品にはあるわけですね。

どうしたって子供の体に逆成長できないわけだから、つなぐはつなぐ高校生としての新しい歩みを始めなければいけないわけですが、居なくなったと思っていた花ノ子が帰ってきたことで時間が歪に動き始めます。

ベテランらしい洗練された絵柄とは裏腹に結構読んでいてヒヤヒヤする作品です。是非1巻を買ったうえで雑誌最速になって欲しいなぁと思います。

星屑テレパス(作:大熊らすこ先生)

今作はきららベースで試し読みできます。まずは鮮烈なお披露目となった第1話を読んでいただけると幸いです。以下リンクから5話まで読めます。

人見知りで上手く会話のできない主人公・小ノ星海果は宇宙になら自分の居場所があるんじゃないかと漠然と宇宙へ憧れを抱いていたが、入学式の日に宇宙人を自称する謎の少女・明内ユウと出会う。しかもどうやらユウはどうやら本当の宇宙人でおでこをくっつけることでテレパシーを行う「おでこぱしー」という能力を持ち、共に宇宙を目指していく――――と結構ぶっ飛んだ導入から今作はスタートします。

『星屑テレパス』(著:大熊らすこ)1巻22ページより

しかし今作の根底にあるのはしっかり地に足の着いた「夢」や「勇気」や「成長」といった優しいながらもそれでいて芯がある青春の物語です。

彼女たちの夢はあまりにも突飛で分不相応化に聞こえるかもしれませんが、安心してください。ちゃんとそういった悪い意味で曖昧な部分を厳しく突っ込み現実感のある目標に軟着陸させてくれる存在が登場します。雷門瞬ちゃんです。

『星屑テレパス』(著:大熊らすこ)1巻63ページより

突飛なように見えてその実非常にロジカルなキャラ構成がなされていると思います。

彼女たちの突飛な夢が、そして物語が一体どこへ行きどこへ向かうのか。先日第1巻が出たばかりですが新規の作品としては過去に例を見ないくらいマーケティングに力が入っています。それだけ内外の期待が大きいということでしょう。

今一番期待を掛けられて、それにふさわしい高いクオリティを持った新世代のきららと言っても過言ではないと思います。是非読んであなたも新たなきららのスタンダードを目撃してください。

まんがタイムきららMAX

まんがタイムきららMAXは「ご注文はうさぎですか?」「きんいろモザイク」などきららを詳しくは知らない人も知っているであろう超ビックタイトルを抱えている雑誌です。それゆえ読者の目も非常に肥えており他の雑誌と比べて比較的生存競争が厳しい印象があります(というか一時期はその傾向が行き過ぎていて過当競争では?と思われるくらい高い質の作品が2巻・3巻で終わっていましたが、現在は1巻に到達した作品に表紙の枠を譲るなどある程度改善されつつあります)まさしくMAXの名に恥じぬようなエネルギッシュな作品が集まる雑誌になっています。

「未単行本化部門」

MAXの未単行本化部門は両方先日発売の12月号で連載が開始されて追いつきやすくなっています!やったね!

妖こそ怪異戸籍課へ(原作:笠間裕之先生/作画:柴朗先生)

「妖こそ怪異戸籍課へ」で注目するべき点はズバリ二つあります。

まず戸籍なき妖怪たちに戸籍を与え人間社会の地位を保証することで救済していくことを生業とする主人公という斬新なストーリーが挙げられます。

妖怪たちは、例えば「のっぺらぼう」は人相で見分けが付きにくくそのせいで自尊心が低いなどその妖怪の特性ゆえに普通の人間を社会支援するのとは違った難しい問題点が存在するわけですね。

『妖こそ怪異戸籍課へ』(原作:笠間裕之/作画:柴朗)まんがタイムきららMAX2020年10月号96ページより

そうした社会支援を行うお仕事系のお話の中に対象が妖怪という要素を噛ませることで話のバリエーションが一気に広がるわけです。

次にこの作品はきららでも近年増加傾向にある原作と作画を分けた制作体制なのですが、柴朗先生の妖怪のデザインがこれまた眺めているだけで楽しい。極端に擬人化や美少女化をしている訳はないのですがか、といってグロテスクになりすぎず、それでいてある種きららの誌面にいても違和感のないようなバランスのいいデフォルメ具合だと思います(何となくけものフレンズのそれが近いでしょうか?)

きららは基本的にゲスト連載として数話掲載した後反響が大きかった作品をレギュラー連載として昇格するシステムを採っているのですが個人的に最近読んだゲスト第1話の中で一番バチーンっとハマった作品でアンケートも速攻に出しました。

新しくもどこか貫禄も備えるきららの超新星をよろしくお願いします!

瑠東さんには敵いません!(作:相崎うたう先生)

かつてきらら界隈の中で熱烈な支持を受けたものの惜しくも3巻で終了となってしまった(これが当時のMAXの競争の苛烈さを物語っていると思います)「どうして私が美術科に!?」という作品を連載していた相崎うたう先生が新たなる物語を引っ提げてきて帰ってきました。

年頃の少女同士の繊細な心理描写に定評のあるうたう先生が描くのは陽キャから目を掛けられた陰キャとの絡みを描くというもので、現時点のおおまかなあらすじは完璧優等生で陽キャ側の「瑠東さん」はある日いきなりオタク陰キャの主人公・和村千紘にいきなり普段の優等生とは思えないお転婆な態度でグイグイ絡み始めて――というもの。

瑠東さんの今まで絡みのなかった人間に対する異様なまでの距離感の詰め方に既に若干恐怖すら覚えるのですが、おそらくこれにも何か重大な秘密が隠されていてこれから開示されていくのは間違いありません。(というか伏線らしきものもあったりなかったりするかも)

『瑠東さんには敵いません!』(著:相崎うたう)まんがタイムきらら2020年10月号110ページより

なぜそう言い切れるかと言うと前連載作(どうして私が美術科に!?)においても人生の選択に向き合う少女たちの内面的苦悩や時に他人と衝突するような読んでいるこちらが辛くなるほどに生々しい心理描写で多くのファンを獲得したからです。

なぜある日優等生だった瑠東さんは自分にだけ仮面の下の姿を突然露わしそれでいて執拗に絡むのか――これから予想を超えた物語が展開される期待は十分にあります。

「1巻刊行部門」

エンとゆかり(作:しろううらやま先生)

8話まで試し読みできます

この作品の凄さは下の記事が詳細に纏められているのでどうぞ読んでください。

この漫画の凄いところは4コマを崩すことなくそれでいて躍動感のある映像を落とし込んでいてきららの中で異世界ファンタジーをやってのけたところにあります。

正直この作品の凄さは上の試し読みで実際に手に取って読んでもらった方が早いと思います。(というか上の記事に言いたいこと全部書いてあってこれ以上書くことない...)

漫画的な技術において現在トップクラスにいる作品なのは間違いないと思います。4コマってこんなに映像が動かせるんだー!という感動をぜひ感じてほしいと思います。

ホレンテ島の魔法使い(作:谷津先生)

※すみません。1巻部門と言いつつこの作品はまだ単行本が出ていないのですが、近日中の発売予定で未単行本部門の強みである追いつきやすさが薄くなっていると判断したのでこちらに載せています。

かつて魔法が実在するといわれる「ホレンテ島」に主人公・貰鳥あむが訪ねてきたところから本作はスタートします。

しかし既に魔法が本当にあったかどうかという話自体が形骸化しており島は安っぽい形だけの魔法「演出」商売でやっきになっていた――しかし実はまだ魔法が使える人は確かにいて、それでいて主人公たちは意図せずにこの島の秘密に迫ってしまって...?といった感じです。

『ホレンテ島の魔法使い』(著:谷津)まんがタイムきららMAX2020年1月号106ページより

この作品の特徴は「日常に遍在する魔法的な何か」という「ごちうさ」が長期連載の末に結果的に築き上げた少々奇妙な世界観を観察し意図的にフォロワーをしているところにあると思います。

ごちうさ自身はアンゴラウサギにチノの祖父の魂が何の説明もなく降霊したり、町並みはヨーロッパなのにハロウィンや日本文化もあるという思いつきで全部混ぜた様な独特の文化描写や非日常性が大きな特徴ではあるんですが、そうした奇妙な世界観をメインの話として動かしたのがこの作品になるわけです。

そしてもう一つの特徴としてミュージカル描写がたびたび挟まるんですが4コマって基本的には起承転結の場面の盛り上がるシーンを切り取って固定化してるフォーマットなので連続的な行動である「歌」との相性ってそんなに良くないと思うんですよね。そこを吹き出しやキャラクターがコマとコマを繋ぐなど細やかな工夫で表現していて、正直めちゃくちゃ難しいことにチャレンジしていると思います。

『ホレンテ島の魔法使い』(著:谷津)まんがタイムきらら2021年1月号50ページより

「ごちうさ以降」を明確にやってる、そして4コマでのミュージカル描写に挑戦しているという意欲作です。今月号の1巻ラストに当たる話も大変盛り上がっているので読んでみませんか?

まんがタイムきららキャラット

まんがタイムきららキャラットは現在アニメ化を経験した作品を最も抱えている雑誌です。球詠以外の直近のアニメ化作品(まちカドまぞく・恋する小惑星・おちこぼれフルーツタルト)はすべてキャラットに連載されています。それゆえ新参のメンツは層自体は若干薄いのですが裏を返せば誌面の安定力は高いです。

「未単行本化部門」

みこへんげっ!(作:まえ葉先生)

きららで「ヒーローもの」を扱った作品は近年増えてきていると思います。例えば伝記的な世界観で未然に厄災を防ぐ防衛戦や傷ついたヒーローの再起を描いている「まちカドまぞく」やヒーローの英雄性をドロップアウトした人物たちを通したコメディタッチながらも真摯に描いた「ぽんこつヒーローアイリーン」など

そんななか「みこへんげっ!」は比較的真っすぐで素直なヒーローものを描いている作品です。

あらすじは「人の悩みに巣食う『悪鬼』が存在する世界でこれを浄化するために狐神子と契約した主人公・崎えりかが『まじない神子』として悪鬼に憑りつかれた人々を助ける」というものです。

文章だけだとニチアサにやっていても全く違和感のない設定ですね。そして実際フォーマットとしては悩みを持つ学校内のゲストを浄化するためにその人を起点とした過去に飛び、助けるためのヒントを探していくという感じで、ニチアサを好んで視聴している自分としては大変体に馴染む作りだったので今回紹介させてもらいました。

さらに既に二人目の変身者も登場しているのですが、なかなか主人公に重い感情を持っているキャラでこれって要するに秘密を共有している百合の文脈なんですよね。ヒーロー活劇だけじゃなくて人間模様でも楽しませてくれる作品です。

『みこへんげっ!』(著:まえ葉)まんがタイムきららキャラット2020年11月号152ぺージより

きららの送る真っすぐなヒーロー活劇を一緒に目撃しましょう!

「1巻刊行部門」

紡ぐ乙女と大正の月(作:ちうね先生)

第6話まで試し読みできます。

「しあわせ鳥見んぐ」の時にも言いましたが、取材を通して何か特定の題材を解像度高く取り扱うのはきららの定番ジャンルです。その最もたる作品が「紡ぐ乙女と大正の月」でしょう。

なぜか大正時代にタイムスリップしてしまった現代の女子高生・藤川紡はセーラー服のまま大正の時代に飛ばされてしまったので破廉恥な異常者として警察に捕まりそうなところをその珍妙な見た目に興味を持った深窓の公爵令嬢・末延唯月になんとか保護してもらい、なんとか大正の日本社会で生活しつつ――というストーリーなのですが、とにかく時代考証に相当力が入っています。

これは作者自身が歴史学を専攻していた影響が大きいようで、単行本のあとがきには当時の女学生の生活史などを纏めた参考文献がいくつも並んでいることやpixiv fanboxで取材記を出しているところからも作者の熱の入り様が見て取れます

また内容面でも単なる大正時代の世俗の再現に留まらず、エス(戦前の同性愛文学の隠語、sisterのsから取っている)的な側面から女学校内での慕い、慕われるような少々拗れた関係性など随所に題材ならではの強みを存分に生かした展開が読んでいて面白いです。

貴方にも令和の大正きららを味わって欲しいなぁと思います。

最後に

この記事が楽しいきららライフを送る一助となれば幸いです。

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