見出し画像

病気コラムvol.7《膀胱炎》

尿のトラブルありませんか?

日に日に寒さが厳しくなってきました。

寒いと、冷たいお水を飲むのも、
寒いトイレに行くのも、
躊躇してしまいますよね。

今回は、
尿トラブルである『膀胱炎』についてお話ししたいと思います。


膀胱炎とは…

尿をためる袋状の臓器である膀胱
炎症が起きている状態を『膀胱炎』と言います。


膀胱炎の原因は大きく分けて3つあります。
①細菌感染
②異物(結石、結晶、腫瘍など)
③特発性(ストレスなどが原因で特定が困難)

引用:獣医師のためのインフォームドコンセントガイド(出版:EDUWARD Press)


わんちゃんでは、細菌感染や膀胱結石が原因になることが多く、
ねこちゃんでは、特発性膀胱炎が多いと言われています。

症状の中でも、
・頻尿
・血尿
・不適切排尿
・尿の異臭
 に気づかれることが多いです。


膀胱炎の診断

尿の異常に気が付いたら、早めにご来院ください。
まず、症状に関してお伺いします。
その際に環境の変化普段の様子などは、とても重要な情報です。

検査では、
下記の検査から原因を特定し、治療方針を立てていきます。


*尿検査 
尿のph値やたんぱく尿の有無、潜血反応の有無、尿比重の測定、
細菌や結晶が顕微鏡下で検出されているかどうかなど確認します。


*超音波検査
尿道の構造、膀胱の粘膜や結石などを確認します。

引用:犬の腹部超音波診断アトラス(出版:interzoo/現EDUWARD Press)

*レントゲン検査
膀胱内の結石を確認します。



膀胱炎の治療

原因に関わらず、
おしっこの溜まっている時間が長いと
膀胱炎になりやすくなります。

そのため、
食餌の水分量を増やし、
排尿の回数を増やしてあげることが効果的です。

*細菌が原因の場合
 抗菌薬などの内服薬やサプリメントで治療します。

*結晶・結石が原因の場合
①ストルバイト結晶(リン酸アンモニウムマグネシウム)
食餌療法で改善することの多い結晶のため、食餌を変更します。

この時に重要なのは…、おやつなし!
おやつやトッピングを与えてしまうと、
食餌療法の意味がなくなってしまい、
結晶や結石の改善が見られないことがあります。

また、
尿のphをコントロールするために
サプリメントを併用することもあります。

②シュウ酸カルシウム結晶
食餌を変更し、
加えて尿のphをコントロールするために
サプリメントを併用することがあります。

ストルバイト結晶と違い、
食餌だけでは改善が難しいため、
結石の除去手術を行うこともあります。

*特発性膀胱炎の場合
ストレスが原因となることが多く、原因の特定が困難です。

環境の見直しや
ストレス軽減のサプリメントや療法食の使用を検討していただきます。


ねこちゃんに良いトイレ環境とは…
・静かで人目に付きにくい
・汚れたままにしない
・食餌スペースから離す
・鉱物系の重い猫砂を使用する
 (鉱物系が苦手なねこちゃんは、好みの猫砂でOK)
・体格の1.5倍以上大きいトイレを使用する
・トイレの個数を、ねこちゃんの頭数+1個用意する

引用:猫を極める本 猫の解剖から猫にやさしい病院づくりまで(出版:interzoo/現EDUWARD Press)



膀胱炎は、痛みを感じることが多く、ストレスにもなります。
おしっこに違和感を感じたらお早めにご相談ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?